名探偵コナン 6～10 巻

• 笹井宣一：作家、むかし今竹智とともに「今井ともかず」の名で小説を書いていた
• 今竹智：直本賞作家
• 横溝参悟：埼玉県警刑事
• 山田：「月刊文芸時代」編集部で今竹担当

最初に殺害場面が描かれる倒叙もの。笹井宣一が今竹智を銃殺。

小五郎、蘭、コナンは、埼玉県の天下一春祭を見に来ている。蘭が、笹井に写真を撮ってくれと頼まれる。 写真を撮っていると、埼玉県警の横溝刑事が現れ、今竹が殺されたので、笹井に話を聞きたいと言う。

一行は、殺害現場のホテルの一室に行く。殺害時刻は銃声がした夜の８時ころである。 横溝刑事は笹井を疑ったが、笹井にはアリバイがあった。８時２５分以前に祭で撮影したとわかる写真である。 ホテルから祭の会場まで車で４０分かかる。

コナンはその写真のトリックを見破った。その８時２５分以前の写真は１年前の祭の時の写真だったのだ。 動機は、昔は二人で組んで作品を書いていたのに、今竹の方が売れ出して、「文芸時代」の連載の企画も 今竹に取られてしまったためだった。

• 赤木量子：米花高校１年生
• 赤木英雄：東京スピリッツのサッカー選手ヒデ
• 赤木守：英雄の弟
• 上村直樹：東京スピリッツのサッカー選手ナオキ

毛利探偵事務所に赤木量子という高校生がやってくる。工藤新一と付き合っていたから、新一を探してほしいと言う。

怒った蘭は、コナンを連れて量子のマンションに行く。ところが、量子はそこの部屋の勝手をあまり知らないようだった。 靴箱には男物の靴と子供の靴しかない。マモルという札のかかった部屋は荒らされていた。

コナンは、東京スピリッツの赤木英雄の弟の守が誘拐され、英雄は八百長試合を強要されれいるのだと推理する。 コナンが新一の声でトイレから量子に電話すると、果たしてその通りだった。量子はこの家に子守に来ているのだった。 コナンは、さらに推理を進めて、守を連れて行ったのはチームメートの上村直樹だと気付く。

一方、蘭は、「新一」がこの家にいることに気付いて探し回る。でも、いない。 怒りに燃える蘭は、新一が直樹の家に逃げたのだと思い、量子に案内させてコナンとともにそこへ行く。

果たして、守は上村の部屋にいた。上村は、英雄とぶつかって足を怪我していたので、鬱憤がたまっており、 英雄を脅していたのだった。守の無事が英雄に連絡され、英雄は本来の調子に戻り、スピリッツが勝利した。

量子の説明で、蘭が新一の潔白を信じたのは、３日後だった。

• 松本小百合：帝丹中学校の音楽教師
• 竹中一美：小百合の大学時代の友人
• 松本清長：小百合の父、警視庁の警視
• 梅宮淳司：元帝丹中学校生徒会長
• 高杉俊彦：新郎、高杉グループの跡取り息子

蘭と園子が中学校の時の担任の松本小百合先生の結婚式に来ている。コナンもついてくる。 一美が小百合にレモンティーの缶ジュースを買ってくる。小百合の父親の松本警視も登場する。 新郎は高杉グループの跡取りの俊彦だ。

小百合が部屋で一瞬一人になった時、部屋から大きな音がした。蘭とコナンが扉を開けてみると、 小百合が血を吐いて倒れており、傍にレモンティーの缶が転がっていた。苛性ソーダが入っていたようだった。 容疑者は、部屋に入った人物で、一美、松本警視、梅宮、高杉、蘭、園子、コナンだった。

コナンは、園子を眠らせて推理を披露する。犯人は高杉だった。動機は、子供の時、 松本警視が犯人を追っていた時に、巻き込まれた母親を見捨てられた形になったことだった。 松本警視は単に気付いていなかっただけだった。

小百合はすべてを知っていたことを一美が明かす。高杉は、小百合の初恋の人だった。 ３年後、高杉と小百合は結婚する。

• 誘拐犯らしき男二人

少年探偵団の４人が、米花公園でかくれんぼをしている。歩美が公園横に停まっていた白い車のトランクに隠れたため、 なかなか見つからない。夕方になって探偵バッジで歩美を呼び出すと、歩美は眠っていたらしい。 歩美によると、トランクには、たくさんの紙幣、ヌルヌルしたものがついた鋸、女の子の首があった。

コナンは、追跡メガネで歩美の位置を確認。ターボエンジン付きスケボーで追いかける。元太と光彦も一緒に乗る。 途中で追跡メガネが電池切れになるが、探偵バッジから聞こえる音を頼りに追跡、四菱石油の近くで白い車を見つける。 コナンらはホースを使って車に追いすがる。

車が止まって、コナンはヘルメットを蹴って車の二人の男のうち一人を気絶させる。しかし、二人は、 帝丹大学でサスペンス劇をやるつもりの役者なのだった。紙幣、鋸、首は全部作り物の小道具だった。 少年探偵団は、気絶させた役者の代わりをやる羽目になった。

• 綾城行雄：高校体育教師、元柔道部
• 大村淳：模型店経営、元柔道部
• 堀越由美：化粧品会社勤務、元柔道部マネージャー
• 綾城紀子：行雄の妻、元柔道部マネージャー
• 中道和志：千葉県警勤務、元柔道部

栃木県の温泉旅館に、米花大学柔道部の小五郎の同期生が集まった。蘭とコナンもついてきている。 夕方、堀越由美以外は、皆卓球をやってその後花火を見に行った。夕食になっても由美が来ないので、 皆で由美の部屋に行くと、由美が銃殺されていた。一見自殺に見えるように偽装されていたが、 コナンと小五郎はそれが他殺であり、犯人が同窓生のうちの誰かであることを見抜く。

小五郎は、コナンのヒントに導かれて、犯人が中道だと言い当てる。 中道は、皆が花火に行った後で、由美を卓球場に誘い出し、撃ち殺したのだった。 運動しているときに急死すると、死後硬直が早く起こるので、死亡推定時刻をずらすことができるからだ。 動機は、由美が中道の結婚を妨害するような嫌がらせをしてきたことだった。

• 四井麗花：四井グループ会長の一人娘
• 一枝隆：都市銀行本店資金調達部
• 二階堂優次：広告代理店営業部勤務
• 三船拓也：三船電子工業社長
• 五条修：五条商事総務課長
• 六田将司：四井物産専務
• 七尾米：四井家家政婦

四井家別荘で四井麗花の誕生パーティーが開かれており、毛利小五郎も招かれている。蘭、コナン、園子も来ている。 麗花の花婿候補（＝ヨットクラブ友達）も招かれている。

パーティーがお開きになって皆が帰ろうとしたところ、車が多数パンクさせられていた。そこで、 麗花とヨットクラブ友達は別荘に泊まることにする。夜になって麗花がいないようなので、皆で外に探しに出かける。 すると、二階堂が噴水のところで溺死していた。

電話線が切られていて警察にも電話できない。皆で集まっていると、２年前の事故の話になる。 海難事故で七尾米の孫娘の八重子が亡くなったらしい。一方、二階堂と麗花は助けられた。

突然明かりが消えた。何者かが窓を破ったようなので、皆外へ追いかけた。眠っていた蘭が屋敷に一人取り残された。 すると、蘭が何者かに浴槽で溺れさせられそうになる。危険を感じたコナンが屋敷に戻り、蘭は殺されずに済む。 蘭は睡眠薬を飲まされたようだった。

小五郎とコナンがコーヒーをこぼされたので浴室に洗いに行くと、麗花が溺死させられていた。 死亡推定時刻は午前 5 時から 6 時の間。アリバイが無いのは三船と六田だった。

コナンは、眠りの小五郎推理ショーを行って、犯人が一枝だと言い当てる。二階堂を溺死させるのは、 それほど問題ではない。蘭が頭を水に押し込まれたのは、麗花も同様にして殺されたと思い込ませるための目くらましだった。 麗花は、浴槽に固定された上で水をじわじわと入れられて溺死させられたのだった。 動機は、二階堂と麗花がかつて助けに来た八重子の救助具を奪い、見殺しにしたことへの義憤だった。