名探偵コナン 17~21 巻

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
初掲載2018/01/11--2018/02/16
入手アプリ「サンデーうぇぶり」
読了2020/08/07

スマホアプリ「サンデーうぇぶり」で漫画が毎日一話ずつ無料で読めることに気付いた。それで『名探偵コナン』の 昔のものを読むことにした。そのメモ。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項トリック
17盗賊団謎の洋館事件7 時計が…、8 鬼が出た!?、9 L・N・R
  • 中村操:ミステリー作家、洋館の主
  • 二人の犯人:弟が中村操を名乗る。
  • 出淵紋時郎:中村操の亡き祖父、時計職人

ある洋館の主から小五郎に、不思議なことが起こっているから調べてくれという依頼が届く。 そこで、小五郎、蘭、コナンはその屋敷に行く。男二人が出迎えて、中村操とその兄だと名乗った。 洋館は操が亡き祖父から受け継いだもので、祖父が動物好きだったことから、家具や食器のほとんどには動物がついている。 さらに、祖父は時計職人だったので、時計もたくさんある。

「操」が、10 時 50 分ごろ鳩時計が鳴るはずだと言うが、鳴らない。ところが、11 時に家中のデジタル時計が一斉に鳴り出した。 さらに、ビデオデッキも動き出した。デジタル時計やビデオデッキの表示部には傷がついており、これらは 110 という数字を 示しているようだった。さらに、コナンが屋根裏部屋の前に行くと、中には誰かがいるようだった。

1 時 10 分になると、鳩時計から鬼(ゴブリン)が3体出てきた。その額には、それぞれ L、N、R の文字が書いてあった。

110 と思った暗号は、110-0 で「百獣の王」だとコナンは気付く。L,N,R は Light, Night, Right で 夜に玄関扉の右側のライオンの装飾に光を当てるということだった。光を当ててみると、鳩時計から豪華な腕時計をかけた鳩が出てきた。 屋敷にいた男二人は、盗賊団「ゴブリン」の残党だった。腕時計の宝石は盗品で、男二人はそれを取りに来たのだった。 操の祖父は「ゴブリン」のボスの「デーモン」でもあった。

男二人は、小五郎と蘭にやっつけられた。本物の中村操は女性で、屋根裏部屋に閉じ込められていた。

紋時郎が仕組んだ暗号を解く、盗賊団「ゴブリン」の正体を暴く
17, 18時代劇俳優殺人事件10 役者が揃った、1 同じはずなのに…、2 二つの部屋
  • 土方幸三郎:時代劇俳優
  • 沖田一:俳優
  • 永倉勇美:土方孝三郎の妻、元女優

俳優の土方が、小五郎に探偵の心得を教えてほしいと依頼する。探偵役をやることになったからだそうだ。 蘭とコナンも一緒に土方のマンションを訪れる。土方と妻の勇美とは仲が良いように見せかけているが、 実は関係が冷め切っていることが読者には明かされる。

土方と小五郎らがベランダで話をしていると、隣の沖田の部屋の電話が鳴ったかと思うと、隣のベランダに 中から勇美が倒れてくる。急いで沖田の部屋に駆けつけてみると勇美が絞殺されていた。明らかに沖田の仕業に見えたが、 土方が泣いているように見せながら笑みを浮かべていることにコナンは気付く。

犯人は果たして土方だった。土方は、6階のリビングと5階のリビングを全く同じ内装に作っておいた。 土方は、まず小五郎たちを6階に案内していた。隣の部屋で勇美を殺した後で、死体がしばらくしてベランダに倒れる仕掛けをしておく。 小五郎たちが合いカギを1階のフロントにもらいに行っている間に死体を6階から5階の沖田の部屋のベランダにロープで降ろしたのだった。 動機は、勇美が沖田と付き合っていたことと、プロダクションを再建するための保険金が欲しかったことだった。

読者には犯人が最初から示唆されている半倒叙物(犯人は示唆されているが犯行は描かれていない)、同じ内装の部屋を2つ作っておく
19ミステリー作家失踪事件2 蒸発した文士、3 1/2の頂点、4 フランスにて…
  • 新名香保里:OL
  • 新名任太朗:「探偵左文字」シリーズを書いている人気作家、香保里の父

毛利小五郎探偵事務所に新名香保里が失踪した両親を探してほしいとやってくる。両親は二か月前から行方不明だという。 しかし、出版社には週一回規則正しく原稿がFAXで送られてきているという。そこで、小五郎、蘭、コナン、香保里は 出版社に行って原稿を見せてもらう。「1/2の頂点」というタイトルで、10年ぶりに再開された「探偵左文字」シリーズだ。 作品の献辞には「全国の名探偵諸君に告ぐ!私の頭脳を凌駕したくばこの事件の真の謎を解明してみたまえ」と書かれている。 それから新シリーズの特徴として、作品に新名先生自身が登場していること、文字使いに奇妙な点があることがある。 さらに、コナンは、6話から8話までのサインが全く同じであることに気付く。

作品に隠された暗号には、服部平次も気づいて目暮警部に電話する。それは「助けてくれ」だった。 その先はコナンが解読する。「私が今居るところは杯戸シティホテル2407号室、早く、時間が無い。」

早速、皆でホテルに急行するが、新名任太朗は今息を引き取ったところだった。暗号は作家本人が仕掛けたことだった。 癌で死期が近かった任太朗が、「見てみたい…私が答えを出す前に謎を解いた…得意満面な読者の顔をな…」という望みを かなえたくて、妻が協力して行ったことだった。小説の残りは、娘の香保理が完成させた。

作品に隠された暗号の解読
19浪速の連続殺人事件5 食いだおれの街、6 四人目の財布、7 財布の中の…、8 免許証の秘密
  • 坂田祐介:大阪府警東尻署捜査一課刑事
  • 遠山和葉:平次の幼馴染
  • 長尾英敏:コンビニの店長、第1の被害者(豊中市で起きた)
  • 西口多代:居酒屋の女将、第2の被害者(枚方市で起きた)
  • 野安和人:タクシー運転手、第3の被害者(大阪市で起きた)
  • 郷司宗太郎:府議会議員
  • 岡崎澄江:第4の被害者(大阪市で起きた)
  • 沼淵己一郎:強盗殺人犯
  • 稲葉徹治:教習所教官、20年前に事故死
  • 大滝警部:大阪府警本部勤務

大阪の近辺で刺殺事件が2つ起こっている。共通点は財布を貫いてナイフが刺されていることだった。

服部平次がコナン、蘭、小五郎を大阪に呼んで案内をしている。坂田刑事がパトカーを運転して、一行を連れて行ってくれる。 途中、お好み焼き屋で、和葉が蘭の事を「工藤」という平次をたぶらかしている女だと誤解して登場する。

お好み焼きを出て次の場所に行こうとパトカーに乗り込んだ時、死体が上から落ちてくる。ナイフが財布を貫いて胸に刺さっていた。 絞殺だった。死体は野安というタクシー運転手だった。ここまでの3つの殺人の被害者を結ぶものは、府議会議員の郷司宗太郎らしかった。 かつて長尾は秘書、野安は運転手だった。

平次、コナン、坂田は、野安の事件の時、現場から慌てて逃げた岡崎のマンションに行くことにする。坂田刑事が電話を掛けると、 自分を守ってほしいと言う。坂田は、岡崎に部屋に閉じこもっているように言って、3人でマンションに向かう。行ってみると、部屋には 誰もおらず、岡崎は下の公衆トイレで死んでいた。やはり、ナイフが財布を貫いて胸に刺さっていた。

殺された4人の財布には運転免許証が入っていた。その4人と郷司は20年前に同じ合宿免許にいたことがわかった。さらに、 そこには逃走中の強盗殺人犯の沼淵己一郎もいた。彼らが卒業した日には、教習所の教官が事故死していた。

平次と坂田は、郷司議員のところに行くことにする。一方、小五郎、コナン、蘭、和葉は、大滝警部に平次の家に送ってもらうことになる。 しかし、箕面の滝の近くで沼淵の車が見つかったということで、大滝の車はそちらに向かう。行ってみると、小屋があって、 そこに沼淵が匿われていた。

平次は、坂田が犯人だと気付いて、郷司議員宅の蔵に行く。果たして、坂田が郷司議員が来るのを待っていた。 平次は、坂田に推理を述べた。図星だった。20年前に死んだ教習所教官は坂田の父で、彼を殺した6人を次々に殺していっていたのだった。

殺された人々のつながりを探る
20バスルーム密室事件7 サヨナラ…、8 証拠が見える、9 姉想い…
  • 青島美菜:杯戸デパート店員
  • 青島全代(まさよ):米花銀行勤務
  • 賢二:美菜の婚約者

最初の場面で、青島美菜の結婚を機に、同居していた姉の全代が家を出ていく場面が描かれる。 姉は妹に睡眠薬を飲ませようとしているらしい。

小五郎、蘭、コナンは、沖野ヨーコのコンサートに行こうとしているが、小五郎がチケットを失くす。 たまたま近くにいた青島全代がチケットが1枚余分に持っているようだったので、彼女を車で送る代わりに 小五郎がチケットをもらうという取引が成立する。

まず、一同は美菜を迎えに青島の家に行く。すると、ガムテープで密閉されたバスルームで美菜が手首を切って死んでいた。 自殺に見えたが、コナンは全代が犯人だと確信する。ドアは密閉されていたかに見えて、実際はすでにはがれていた。 全代のバンダナにも血痕が残っていた。動機は妹が恋人の賢二を奪ったと思い込んだことだった。

ところが、実際は賢二の方が妹を選んだのであり、美菜は姉想いであったことが分かる。

読者には犯人が最初から示唆されている半倒叙物(犯人は示唆されているが犯行は描かれていない)、 ガムテープで密閉された部屋での密室殺人
20, 21青の古城探索事件10 孤城への誘い(いざない)、1 そしてまた…、2 カウントダウン、3 象牙の塔
  • 田畑勝男:間宮家の庭師
  • 間宮満:間宮家長女の2番目の夫(婿養子)
  • 間宮貞昭:間宮家長女の最初の夫(婿養子)、6年前に病死
  • 間宮貴人:間宮家長女と貞昭の息子
  • 間宮マス代:間宮家当主の老婆
  • 西川睦美:間宮家の元召使

阿笠博士と少年探偵団は、キャンプに来ていながらテントを忘れたということで、宿泊施設を探している。 すると、立派な城が現れた。中に入ってみると、間宮満が泊っていって良いと言う。庭師の田畑の話だと、 4年前に大火事があって、間宮家長女や使用人が十数人亡くなったという。そして、満と貴人は火事の数日前に外国から帰ってきて、 それ以来この城にいるという。当主のマス代によれば、この城には大旦那が残した謎があるという。それを解くと財宝が手に入るはずだ。

少年探偵団が城の中を探検しているとき、コナンは隠し部屋を見つける。そこにあった階段を一人で降りてゆくと、 何者かに後ろから殴打される。コナンがいなくなったので、皆で探し始める。阿笠博士が電話をみつけて、電話をしようとしたとき隠し扉を見つける。 それを見に行ったところ、後ろから何者かに殴打される。

灰原、元太、光彦、歩美が阿笠博士とコナンを探し始める。灰原が隠し部屋を見つけて、4人は探索を始める。 そこで偶然隠し扉を見つけて、灰原、光彦、歩美は外へ出るが、元太は閉じ込められて何者かに襲われる。残りの3人は塔の方に向かう。 光彦がまずその塔に入り込んだようだ。続いて、灰原も歩美に外で待っているように言って塔に入る。灰原も出てこないので、 歩美も心細くなって塔に入る。

灰原と歩美は骸骨を見つける。それを見て、灰原はマス代が偽者で、この骸骨が本当のマス代だと気付く。 「マス代」が姿を見せた時、歩美は話しかけるが、灰原は歩美の手を引いて逃げる。追い詰められたところで、 コナンが姿を現し助ける。コナン、元太、阿笠博士の居所は光彦が見つけて助け出していたのだ。阿笠博士とコナンは、 「マス代」が元召使の西川睦美であることを突き止めていた。さらに、コナンは、大旦那が残した謎を解いていた。 コナンがその謎を西川に教えると、西川はさっそくそこに向かう。しかし、そこにあるはずの財宝というのは「城と塔からの眺望」のことだった。 西川は落胆し、逮捕される。4年前の大火事を起こしたのも、本当のマス代を殺したのも西川だった。

大奥様の「マス代」を殺し、整形してまで彼女に変装していた召使