追憶のローカル線 2020

シリーズサンエイムック 男の隠れ家別冊
発行所三栄
刊行2020/07/25
入手福岡市北原の未来屋書店福岡伊都店で購入
読了2020/09/09

コロナ禍で鉄道に全く乗らなくなったせいか、鉄道写真に惹かれて買ってしまった。 国鉄民営化以降、第三セクター鉄道がたくさんできたりして、ローカル線がバラエティに富むものになった。 そういうこともあって楽しめた。

巻頭特集と第一特集が、いくつかの特色あるローカル線の紹介である。紹介されている JR 線が只見線だけというのは、 JR だけだと多様性に欠けるということと JR が地方線を次々に廃線にしたり譲渡したりしたことの反映だろう。 巻頭特集の三陸鉄道は、東日本大震災で被害を受けながら鉄道を復旧した。一方で、JR 東日本が運行していたその南側の 大船渡線・気仙沼線(盛~気仙沼~柳津)は、BRT になった。この違いとしては、 経営と旅客の利便性から言えば BRT に軍配が上がる一方で、三陸鉄道は地元の強い支援があったということだろう。参考:

第二特集は、いくつかの廃線の紹介。ローカル線は、旅客や貨物の減少で減少で廃線になったところも多い。 経済状況等を反映して栄枯盛衰いろいろある歴史を知るのもローカル線の楽しみ方の一つである。 廃線になるのは仕方ないところも多いが、今後 JR 北海道で幹線と言ってよい線が廃線になりそうなのが心配である。 幹線が廃線になるのは、日本全体の物資輸送の意味で問題があるのではないかと思うがどうなのだろうか。 地域だけの問題ならばやむを得ないと思うが。

第三特集は路面電車である。路面電車は地方都市だと便利に利用されているところも多い。 とくに、ここで出てくる中では長崎電気軌道が驚異的で、130 円均一料金で日本一運賃の安い電車である。 長崎の街くらいのサイズにぴったりな交通機関だということだと思うが、それにしても首都圏の鉄道より安いのはびっくりである。 長崎は坂が多い中で、電車は狭い平地部分をしっかりカバーしており、利用者も多い。 広島も路面電車(広島電鉄)が発達している。広島と長崎の共通点を見てみると、長崎は中心部の人口が 26 万人、人口密度が 8000 人/km2 くらい、 広島は中心部(中区+南区)の人口が 27 万人、人口密度が 6500 人/km2 ということで、 そのくらいが路面電車には丁度良いサイズなのであろう。