伊勢物語

著者高樹 のぶ子
シリーズNHK 100分de名著 2020 年 11 月
発行所NHK 出版
電子書籍
刊行2020/11/01(発売:2020/10/25)
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読了2020/11/28

『伊勢物語』は、部分的には高校の教科書にも載っていたと思うが、全体を読んだことは無い。 紹介されている和歌を読んでみると、短い中に重層的にいろいろなことを表現したものが多く、 これぞ和歌の極致と言うべきものだということが分かる。 紀貫之の業平評が「その心余りて、言葉足らず」であるのを受けて、高樹氏によるとの業平の魅力はパッションが あふれていることであるとしてある。しかし、私から見ると、卓越した技巧を持ちながら、それを感じさせず 軽々と詠んでいるのが魅力であるように思える。当時は技巧が勝って情感がこもらない歌が多かったのに比べれば、 業平の歌は情感があふれているということかもしれない。

『古今集』との関係も深い。 河地修氏によれば、『伊勢物語』は『古今集』の業平歌を核にして作られたそうである。

「100分de名著」放送時のメモと放送テキストのサマリー

第1回 「みやび」を体現する男

『伊勢物語』基本情報

在原業平

部分読み

第2回 愛の教科書、恋の指南書

在原業平をめぐる女

部分読み~恋の遍歴

第3回 男の友情と生き方

在原業平の友達

部分読み~友情

第4回 歌は人生そのもの

部分読み~業平の老年

伊勢物語を書いたのは誰か

高樹氏によれば、業平の最後の妻の伊勢ではないだろうか。