名探偵コナン 90~97 巻

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
初掲載2020/03/15--2020/11/14
入手アプリ「サンデーうぇぶり」
読了2021/01/10

スマホアプリ「サンデーうぇぶり」で漫画が毎日一話ずつ無料で読めることに気付いた。それで『名探偵コナン』の 昔のものを読むことにした。そのメモ。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項トリック
90, 91コナンと平次の鵺伝説 10 宿里(やどり)村の怪、11 鵺の鳴く夜、1 鵺の爪痕、2 牙を剥いた鵺、3 悲しき鵺伝説
  • 竹隈殿輔:宿里村村長
  • 丹沢道貴:考古学者
  • 染地康克:歴史研究家
  • 増子史絵:小説家、怪奇小説で有名
  • 鶴見肇:ルポライター、妖怪伝説を追っている
  • シャルル・エイベル:亡くなった発掘隊員

平次が静岡県の宿里村に招かれて、徳川の埋蔵金探しをすることになったので、和葉、コナン、蘭がついて行く。 宿泊先のホテルには、ほかに丹沢、染地、増子、鶴見が呼ばれていた。村としては、埋蔵金話を村おこしに使いたいようだった。 かつて埋蔵金発掘チームが落盤事故に遭って外国人のシャルル・エイベルが亡くなったという。エイベルが残した手帳が埋蔵金探しのてがかりだ。 ところで、エイベルは、死ぬ間際に nue という字を書いたという。それは怪物の鵺(ぬえ)だと解釈された。 一行のうち、鶴見と増子が来たのは、その鵺の調査のためだった。

その夜、寝室に行って見ると、窓の外が明るい。ホテルの前が燃えていた。外に出てみると黒い怪物が炎の向こうにいた。 平次とコナンが炎を避けて裏から回ってみると、怪物はもういなかった。血痕を見つけたコナンがそれをたどってみると、 染地が死んでいた。背中に獣に爪痕のようなものが付いていた。一つだけ深い傷があってそれが致命傷のようだった。

その後、平次とコナンがホテルの前で竹隈と話をしていると、周囲の草に火が付き始め、丹沢の叫び声がした。 部屋に行って見ると、丹沢が死んでいた。あごの下に蛇に咬まれたような跡があった。毒殺だった。

平次とコナンには怪物と炎のトリックが分かったので皆に実演してみせる。怪物は、犬に熊の毛皮を着せているだけ、 それを遠近感を狂わせる絵で大きく見せたのだった。夜中だったので、皆、絵であることに気付かなかった。 炎は金属ナトリウムに水をかけて着火していた。丹沢を毒殺するのには、窓から顔を出した丹沢に水鉄砲のようなしかけで 毒針を打ち込んでいた。犯人は、シャルル・エイベルの妻の増子だった。丹沢と染地は事故の時にエイベルを見捨てていた。 その敵討ちの犯行だった。nue の字が「てつの」(鉄の)というひらがなを裏から見たもの、鶴見はエイベルと増子の息子だったことが最後にわかる。

最後の場面で、平次に想いを寄せる大岡紅葉が登場する。

犬を鵺に見せる仕掛け:熊の毛皮、遠近感の狂った絵を窓から垂らす、小さな立て札と大きな立て札、 ワイングラスをこすって出す音
91, 92試着室の死角10 試着室で水着♡、11 指で残した伝言、1 もう一人のお客さん
  • 二塚朝世:デパートの客
  • 南部玲亜:デパートの店員
  • 指原律子:デパートの客、化粧品会社社長
  • 八巻彩実:デパートの客、指原の会社の社員

蘭、園子、世良は、デパートに水着を買いに来ている。コナンも一緒だ。買い物帰りに4階を通ったところ、 悲鳴がした。その方に行ってみると、服屋の試着室で指原が絞殺されていた。左隣の試着室には八巻がおり、右隣には二塚がいた。 死体の左手は親指と人差し指を立ててヨーロッパ風の「2」の形をしていた。右手は親指を握りしめており、その親指には自身の口紅が付いていた。 これはダイイングメッセージだと考えられた。

コナンと世良が真相を明らかにした。犯人は八巻で、指原の試着室に置いてあったフェイスカバーにあらかじめクロロホルムを 染み込ませておいて、指原を気絶させた。八巻は、指原が気絶したことを確認した後で絞殺した。ダイイングメッセージの 右手の親指は中国国旗、左手は中国風の「8」で、八巻を指していた。動機は、会社でいじめられていたからだった。

試着室のフェイスカバーの利用、ダイイングメッセージの読み解き
93妃弁護士SOS3 英理増殖す、4 英理万事休す、5 英理SOS
  • 三人組の誘拐犯

妃英理が怪しい二人組に襲われて、廃ビルに連れて来られる。英理の恥ずかしい動画を撮って小五郎を脅すのが目的らしい。 英理は隙を見て逃げ出すが、ビルの外へは出られない。そこで、引き出しの中に身を隠すことにする。

英理はメッセージアプリで蘭に助けを求めるチャットを送るが、犯人もそれに気づいて英理の名前で撹乱のためのチャットを送る。 コナンは、電話とアプリを駆使して、英理の居場所を絞ってゆく。東都タワーの近くの分録町か須単町のどちらかであることがわかった。 すると、英理から暗号メッセージが届く。「蟹は生茹でだけどお陰で2匹のメカジキが美味しそう…今夜は明るいから外で食べましょうか?」

コナンにはその暗号の意味が、東都タワーとベルツリータワーの両方が見えるということだとわかった。 そこで、英理がいるのが須単町だとわかった。その後もアプリでやり取りしながら、英理が閉じ込められている廃ビルが分かった。 誘拐犯は小五郎と蘭が倒した。誘拐の動機は離婚訴訟で英理にこっぴどくやられたことだった。

少ない手がかりから英理の居場所を探る
93, 94恋と推理の剣道大会9 今日こそ決着を、10 手ェ出さんとき、11 ここで会うたが…、1 ちょー待て
  • 抜谷士道:被害者
  • 安岡克成:盲目の老人
  • 沖田総司:京都泉心高校剣道部
  • 法村稔司:大会審判員
  • 横手恒之:フリーター
  • 定森朱音:元自衛官
  • 鬼丸猛:剣道全日本二連覇中

東都体育館で全国高校春季剣道大会が行われている。今日は個人戦で、服部平次は準決勝進出。 大岡紅葉と伊織は、平次の優勝祝賀会の準備をしている。

準決勝を前に、見に来ていた蘭とコナンは北口近くのトイレに行く。そのちょっと前に、 トイレの近くで、抜谷が剣道の防具を付けた男に首を切られて殺される。その直後にやってきたコナンは、 死体に気付き、近くにいた盲目の老人の安岡に話を聞く。その結果、犯人とそのほか二人の人物が トイレに入ったらしいことがわかる。そこへ沖田が現れる。

高木刑事と佐藤刑事が来たところで、トイレから3人の人物が現れる。法村、横手、定森だ。 3人とも抜谷を知っているということで、3人ともが容疑者だった。

平次が犯人は法村だと言い当てた。法村は、抜谷が審判として不正をしたと誤解して殺したのだった。 凶器は、竹刀を削って尖らせたものだった。

コナンは、定森が抜谷を毒殺しようとしていたのではないかという疑惑を定森に突きつける。 実際は、下剤を飲ませて困らせようとしていただけだったようだ。

平次と沖田は、結局準決勝の試合に間に合わなかった。大岡紅葉が準備していた祝勝会も無しになった。

凶器の行方、「カッター」の意味、防具の付け方
95迷宮カクテル6 黒ウサギ亭にて、7 バイバイだね、8 あの女性の記憶、9 ぬかったな
  • 諸岡郡蔵:資産家
  • 深町惇史:諸岡の執事
  • 朝倉有里:店員(バニーガール)
  • 村上紗菜:店員(バニーガール)
  • 宮野厚司:医師兼科学者
  • 宮野エレーナ:医師

資産家の諸岡に脅迫状が届いたということで、小五郎、蘭、コナン、安室が調査に行く。 待ち合わせの「黒ウサギ亭」に行くと、そこはバニーガールのクラブだった。

執事の深町が眼鏡を落として、それを諸岡が踏んでしまったので、諸岡が車に眼鏡を取りに行ってやる。 その後、店員の村上が朝倉のカフスに飲み物をこぼして、朝倉が着替えに行く。 諸岡と朝倉が戻ってきた後で、店員の朝倉が酒を飲んだところ、毒が入っていたらしく倒れる。

酒には砒素が入っていた。入れるのが可能だったのは、諸岡、深町、村上の3人しかいないと安室が指摘する。

諸岡の過去が分かってくる。諸岡は、昔女と駆け落ちして4年鳥取県に住んでいたことがあった。 その後、もともと許嫁だった女性と結婚した。その奥さんは深町を執事として連れてきた。 そして、その奥さんは半年前に亡くなった。朝倉と村上も鳥取出身だ。

犯人は深町だった。諸岡が奥さんが亡くなってから半年もたたないうちにこのような店に出入りしているので、 それを止めさせようとしたのだった。ところが、朝倉は、諸岡が鳥取県に駆け落ちをしていた時にできた娘だった。

話の進行に伴って、安室は子供のころに宮野医院で診てもらったことがあることを思い出す。 そこの医師は宮野夫妻だった。宮野厚司は、烏丸グループがスポンサーの某研究施設から誘われていた。

最後に、安室が工藤邸に侵入する。そこには赤井と工藤優作・有希子夫妻が待ち構えていた。

スマートフォンを2台使って、周囲の注意を逸らたうえ、グラスを見やすくして毒を混入する
95, 96標的(ターゲット)は警視庁交通部 10 同い年なのに…、11 臨場、1 女性警察官連続殺人事件、2 駐禁の標識、3 「ミケ」じゃなくて
  • 八木紫織:交通執行課(警部補)
  • 百崎橙子:交通執行課(巡査部長)
  • 青野健吾:容疑者
  • 赤峰萬治:容疑者
  • 白山裕三:容疑者

三池苗子、八木、百崎の婦警3人が仕事帰りにカラオケに行く。その帰り、百崎が何者かに公園に誘導され、 スタンガンで気絶させられて撲殺される。百崎は、死ぬ前に何かを指さしていたようだった。

1週間前に交通違反を起こして逮捕された3人(青野、赤峰、白山)が容疑者だ。八木は犯人に心当たりがあったらしく、 一人で犯人に会いに行ったものの、マンションから墜落させられ殺される。遺体は、不自然に顔を右に向けていた。 さらに、八木は死に際にスマートフォンに 7155 の数字を入力していた。

宮本由美が何か気づいたらしく、ミニパトで路地裏に行く。近くで聞き込みをしていた佐藤刑事らが叫び声に気付き、 行ってみると、宮本が倒れていた。が、単に眠っていただけだった。宮本は、百崎と八木が死に際に指していたものが 駐車禁止の道路標識だったことに気付く。

三池苗子が歩いていると、謎の人物から声をかけられ、縛られる。三池は、千葉に助けを求める電話をかける。 たまたま千葉と一緒にいたコナンが、犯人が青野だと推理する。駐禁標識が青NOと読め、7155 が道路交通法第 71 条 5 の 5 で、 青野はそれに違反していたからだ。コナンは、三池の電話から、青野と三池はプラネタリウムにいると推理し、千葉が犯人を逮捕する。 青野の犯行動機は、交通違反で逮捕されたから恋人の自殺を止められなかったという逆恨みだった。実際は、どっちにしても 間に合っていなかった。

怪我をした三池を千葉が病院に連れて行く。そこで、千葉は三池が自分の初恋の人だったことに気付く。

最後に、黒田管理官が安室のボスで、バーボンというコードネームを知っていることがわかる。

ダイイングメッセージ解読、声なき電話の解読
96, 97死を呼ぶドラマ撮影 8 代役君、9 妙な薬、10 世良の追及、11 大人びてる子、1 大切なものですから…
  • 富岡茂松:ドラマ監督
  • 尾取大策:助監督
  • 徳薗彩也:俳優
  • 神明奈々子:女優
  • 油井英香:メイク
  • 吠木曜太:AD
  • 西部:亡くなったAD

蘭、園子、世良、京極、コナンが映画を見に行った帰り、ドラマの撮影で女性が襲われる場面に遭遇した。 京極が撮影だと気づかず、襲っている男を気絶させてしまったので、京極が代役を務めることになる。 ヘルメットをかぶって顔があまり見えず、アクションが入るので、丁度良いということだった。

次の撮影の準備をしているとき、刑事役の俳優の徳薗が建物の4階から逆さに落ちて死ぬ。 その直後4階の窓から京極が顔を出した。京極は、転落の直前に鳥か虫が羽ばたくような音を聞いたという。

捜査が行われている途中、徳薗が転落しているところがたまたま撮れている映像を見て、 尾取には犯人が分かったらしく、犯人に LINE をする。

吠木が皆のために飲み物を買ってくる。尾取がその中のシェイクを飲んだ直後、倒れる。青酸系の毒物による毒殺だった。 ところが、シェイクからもストローからも毒は検出されなかった。尾取の所持品の中に、虫っぽいジョークグッズがあった。 これが京極が聞いた音の原因だった。尾取は、徳薗の死後4階に皆で行ったときにそれを拾ったらしい。

コナンは、今回は園子を眠らせて推理を披露する。まず徳薗が転落したのは、 4階の犬走りに徳薗のスマホを置き、その下に虫っぽいジョークグッズを置いておいて徳薗を驚かせたから。 尾取は、4階に行ったときにたまたまそのグッズを拾い、かつ徳薗が転落した映像で徳薗より4階の方を気にしていた 油井が犯人だとわかった。油井は、尾取に脅されたので、シェイクのストローの上に毒を塗った別のストローをかぶせて 尾取に飲ませて毒殺した。動機は、ADの西部が交通事故死する原因を作ったからだった。

このストーリーの途中で、世良が蘭に対して、新一がいるときコナンはいないのではないかと尋ねる。 蘭は、No.72『命がけの復活[第3の選択/黒衣の騎士]』事件の時のことを思い出し、一緒にいたことがあると答える。 さらに、大人びた子が近くにいないかと聞いたので、蘭と園子は灰原哀という女の子がいると答える。

ジョークグッズの利用、毒の隠し場所