大河ドラマにちなんだ本がこの番組で取り上げられることもある。以前、『西郷どん』のときは『南洲翁遺訓』が取り上げられた。 今回は『青天を衝け』にちなんで渋沢栄一の『論語と算盤』というわけだ。近頃、東京五輪の金の亡者ぶりが話題になるにつけ、 もともと経済は金のためにあるのではなかったということを思い出すうえでも、適切な選書であるように思う。
過去長い間、「論語」が日本人の善悪の指針であったことは、幸せなことだったのかもしれないとこういうものを読むと感じる。 西洋人の倫理の基礎は聖書なのだろう。現代日本人の善悪の指針は、ひょっとすると空気を読むことに堕しているかもしれない。 「論語」を忘れないようにしないといけない。江戸時代は農家の人々でも論語を読んだのだ。そして、 それが明治の原動力になったということは、重要なことだと感じた。
今回のテキストは全体的に目が行き届いており、放送もほぼテキストに沿って行われた。ということは、おそらくプロデューサーが そのままでわかりやすく伝えられると思ったということだろう。