格差が広がる世の中になってくると、マルクスが見直されることになる。共産主義国家は破綻したが、かといってマルクスの 資本主義の分析が間違っていたわけではない。解説を聞いていると、今の時代に当てはまるような分析がたくさんあることがわかる。 分厚い『資本論』を自分で読む気はなかなかしないが、ダイジェストを聞いておくことは役に立つ。
そもそも共産主義国家は、マルクスが思い描いていたものではなく、マルクスが理想としたのは、 今でいえばむしろコミュニティ、マルクスの言葉ではアソシエーション(自発的な結社)だとのこと。 もちろんそんなものをどうやって作っていくかは難問ではある。
本番組では、最後にマルクスのエコロジー思想を取り上げているところが現代的である。 今でいえば SDGs のようなことをマルクスも考えていたことが分かる。 最近、マルクスの草稿やノートの研究が進んでわかってきたことなのだそうだ。 マルクスは、自然科学も大いに勉強していて、科学的知見をもとに環境破壊を憂慮していたようだ。 マルクスが偉い人だということが改めてわかった。