全国の国公立大学で学長(総長)の権限が異常に強まり、独裁的になり始めているというおそろしい報告集。 岸田首相が勝手に国葬を決めたり、防衛費異常増を決めたりするなど、日本の国家機関が上から下まで独裁的になり 北朝鮮に近づきつつある中、大学もその例に漏れず独裁化しつつあるらしい。元はと言えば、「決められない政治」とか 「リーダーシップの欠如」とか独裁的な財界人やらマスコミ人やらが言い始めて、それが政治家に伝染したのがいけなかった。 経済界が日本を支えているとはいえ、最近の日本経済が凋落しつつあるところから見ても、不祥事が明るみに出る 大企業が続出しているところを見ても、そのトップが広い視野を持っている公正な人物ばかりとはとても言えない。 そんな人々が言っていることを聞いてもロクなことにはならないのだ。
本ブックレットでは7つの大学の例が挙げられている。いずれの例でも、学長(総長)の選考が、 学内の投票ではなく、学長選考会議という不透明で文部科学省や前学長の意向が強く働く会議で決められ、 そのために独裁的な運営を招いて支障をきたしている、とのことである。
執筆者は文系の人が多い。やはりこういう問題では当然のことながら文系の専門知識が役に立つ。 理系人間では、こういう問題について書くのは難しい。