沖縄出身の安良城(あらしろ)は、学校でいじめられるし、ゲイの悩みも抱えていて、死んでしまいたいと思う。 すると、突然頭が怪物になる。そうなってみると、かえって思った通りのことが言えるし、喧嘩にも勝てるしで、 案外楽に過ごせる。怪物になっていったん開き直るというのは強いもので、鋭い人間観察が随所に出る。 それはそれとして、こんな設定でどう結末をつけるのかと思ったら、さすがにうまく結末をつけるものである。
安良城は「やすらぎ」とも読める。人が心の安らぎをどうやって得るかがテーマである。 安良城は、結局自分自身を受け入れ、故郷に帰って幼馴染に会うことで心の安らぎを得る。