日本会議の研究

著者菅野 完(すがの たもつ)
シリーズ扶桑社新書 212
発行所扶桑社
電子書籍
電子書籍刊行2016/06/25、改訂:2017/01/10, 04/03
電子書籍底本刊行2016/04/30、刷:2016/05/20(初版第3刷)
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読了2023/04/27
参考 web pages著者 YouTube

最近の自民党政治家の狂ったような右傾化の背後に日本会議があることを明らかにした本。 この本は安倍政権下で書かれたものだが、岸田政権に変わっても事情は変わっていない。 なにしろ岸田文雄自身、日本会議国会議員懇談会に入っており、洗脳されてしまっているからである。 道理で、安倍を国葬にしたり、防衛費を倍増したり、「サルのように(おサルさん、ごめんね)」憲法審査会を開いたりするわけである。 これらのどこが保守本流なのだろうか?

本書が明らかにしているところだと、日本会議の源は、「生長の家」の学生運動にあり、 改憲の目標は文字通りの明治憲法の復元にあるということである。明治憲法のような出来損ないの憲法を 復元しようというのは訳が分からない。憲法改正のターゲットは第一に緊急事態条項の追加、 第二に家族保護条項の追加、第三に自衛隊の国軍化だそうである。いわゆる護憲派の人々はよく九条を 旗印にするが、それは日本会議にとって三番目の重要さしかない。すでに安倍が解釈改憲をしてしまったので、 どうでもよくなっている可能性すらある。第一、第二の点のように基本的人権の尊重を捨て去ることこそが 彼らの目標であることを忘れてはいけない。彼らは、北朝鮮を危険視しておきながら、日本の北朝鮮化を狙っている。 恐ろしいものである。自民党に二世議員、三世議員が多いことも、北朝鮮のような世襲国家を理想的だと 考える要因になっているのであろう。なお、本書に書かれている通り、今の「生長の家」は、こうした極右路線とは 無縁になっている。

本書によれば、日本会議とその周辺の重要人物や重要組織には以下のような流れがある。