「地球惑星物理学基礎III電磁気学」シラバス


基本情報

曜日と時間
水曜2限 (10:30-12:00)
講義日程
今のところ、全学的な休講日以外に休講を予定しているのは、10/30, 11/6 です。その場合は、全部で 12 回の講義があります。なお、休講の予定は 変わる可能性もあるので、その都度注意してください。場合によっては、 補講の可能性もあります。
内容
電磁気学: 地球科学者向の電磁気学の基礎的な講義をします。 電磁気学は、地球科学においてはそれほどあからさまに出てこない ようでありながら、実は暗にいろいろなところで出てきています。 たとえば、偏光顕微鏡観察やリモートセンシングは電磁波を利用しています。 地球の物質が固まって存在しているのは電気の力のおかげです。 そういう意味で、地球惑星科学にとって電磁気学の基礎を知っていることは 必要です。本講義では、Maxwell 方程式と電磁気力の式から 天下り的に出発して、電磁気学の概観を解説します。 とくに、地球科学では電磁波を利用することが多いことから、 電磁波とその物質との相互作用に重点をおきます。
担当
吉田茂生(居室:E162, 内線:4580, e-mail:yoshida@eps.nagoya-u.ac.jp)
単位数
2単位
評価の方法
出席とレポートを元に決めます。試験は行いません。 出席は1回10点に換算し(遅刻早退は減点)、レポートは 問題によりますが、だいたい1題10点満点で採点します。 その合計点を元に評価します。だいたいの目安は、8割以上が優、 6割以上が良、4割以上が可、4割以下が不可、です。 ただし、授業態度なども加味しますし、基準は、年によっても 多少は動かします。しかし、このように、基本的には日常点で 評価するので、ふだんさぼっておいて講義の最後になって 何とかして下さいというのは認められません。 特例として、すでに電磁気学の知識が十分にある者は、 受講しなくても優を付けます。第1回目に私に申し出て下さい。 十分な知識があるかどうか口頭試験をします。
レポート
毎回、練習問題を出します。翌週の月曜日までに解いて、 レポートを作成し、E162 号室の前のかごに入れておいてください。 レポートということは、問題に対して、単に最終的な答えが 合っていれば良いということではなく、解く過程や論理の流れや書き方も 評価の対象になります。また、提出期限に遅れたものは減点とします。 また、レポートには、講義に対する質問や要望も適宜書いて下さい。 もっとも、疑問はその場で解決する方が良いので、質問は 講義時間内にしてくれた方が望ましいのではありますが。

講義の内容

講義の状況に応じて変わる可能性もありますが、だいたい以下の通り。
Part1 力と電磁場 
  1-1 登場人物紹介
      電荷、電流、電場、磁場
  1-2 電荷と電流にはたらく力
  1-3 電磁場中の電荷の運動
      粒子の運動方程式、常微分方程式の基礎
Part2 電磁場の変化の法則
  2-1 マックスウェル方程式
      マックスウェル方程式、電磁気学の単位系、ベクトル解析の基礎
  2-2 ベクトルポテンシャル、スカラーポテンシャル
  2-3 簡単な静電磁場
      点電荷が作る電場、線電流が作る磁場、電気双極子、磁気双極子
  2-4 電磁波
      電磁波の方程式と簡単な解
Part3 電磁場と物質の相互作用
  3-1 導体
      オームの法則、導体中の電磁波
  3-2 誘電体
  3-3 磁性体

参考書

今年は教科書を指定することにしました。それは
佐川弘幸・本間道雄著「物理学スーパーラーニングシリーズ 電磁気学」 (シュプリンガーフェアラーク東京)
です。基礎的なことが網羅されていて、分かり易いと思ったのと、 1冊にまとまっていて割と安い(電磁気の教科書は2冊になっているものが多い!) ということで指定しました。皆さん購入してください。 ただし、これに沿って講義を進めるというわけではなく、丁寧な説明、 あるいは自習が必要になったときに、随時利用するという形式にします。 もともと半年1コマだけで電磁気学をマスターしようというのは時間が 足りなくて、私も説明不足になりがちなので、こういう教科書で補って いただくという気持ちです。

電磁気学の教科書はたくさん出版されています。 本講義は基礎的なことしかやらないので、その他の参考書としては、 そのどれを参考にしても良いと思います。 参考までに、以下に、代表的なものを挙げておきます。 ○がついているのは、私が持っているものです。 そうでないものは持っていないので、論評はあてにならないところがあります。

  1. 初級者向け
  2. 標準的教科書(中級者向け)
  3. 個性的な教科書、上級者向けの教科書