「地球惑星物理学基礎III電磁気学」シラバス


基本情報

曜日と時間
水曜2限 (10:30-12:00)
講義日程
今のところ、全学的な休講日以外に休講を予定しているのは、(たぶん) 12/08 です。その場合は、全部で 14 回の講義があります。なお、 休講の予定は変わる可能性もあるので、その都度注意してください。 場合によっては、補講の可能性もあります。
講義内容
本講義では、電磁気学の基礎を学びます。 しかし、電磁気学はそもそも1コマの講義だけで全体像を学ぶのは 無理なので、開き直って、皆さんが地球物理系の科目を学んでいて わからないところの復習も兼ねたいと思っています。
講義の目的
目的は3つあります。
  1. 一つ目は、電磁気学が地球科学に登場する場面があるので、 その基礎を学んでおこうというものです。 電磁気学は、地球科学においてはそれほどあからさまに出てこない ようでありながら、実は暗にいろいろなところで出てきています。 たとえば、偏光顕微鏡観察やリモートセンシングは電磁波を利用しています。 地球の物質が固まって存在しているのは電気の力のおかげです。 空が青い理由を理解するのには、電磁気学のけっこう深い理解が必要です。
  2. 二つ目は、電磁気学には、将来とくに地球物理のいろいろな 場面で役に立つ数学の道具がたくさんでてきます。それを学ぶのも 重要なことです。
  3. 三つ目は、先に述べたように、地球物理系の科目の復習にも 使いたいと思います。
担当教員
吉田茂生(居室: E121, 内線:4580, e-mail:yoshida@eps.nagoya-u.ac.jp)
担当TA(大学院生)
堀久美子(居室: E147, 内線:3020, e-mail:hori@eps.nagoya-u.ac.jp)
単位数
2単位
評価の方法
出席と試験とレポート(宿題)と講義時間内の演習問題や参加態度を 元に決めます。だいたい1/4ずつの割合で加味していくつもりです。 講義時間内の演習問題や参加態度の評価は、今年から初めて取り入れるので、 まだ具体的な採点方式を決めていませんが、その出来次第で適当に 加点減点をしていきたいと思います。それらの合計点を元に評価します。 だいたいの目安は、8割以上が優、6割以上が良、4割以上が可、 4割以下が不可、です。

去年までは出席とレポート(宿題)だけで評価していたのですが、 そうすると落ちこぼれる割合がここ数年で増加してきた気がするので、 講義のペースを落として演習などを取り入れていきたいと思っています。 試験もやってみて、今年はそれらの多面的な評価でどうなるかを 見てみたいと思っています。

このように、平常点もかなり大きな割合で評価するので、 ふだんさぼっておいて講義の最後になって何とかして下さいと いうのは認められません。 特例として、すでに電磁気学の知識が十分にある者は、 受講しなくても優を付けます。第1回目に私に申し出て下さい。 十分な知識があるかどうか口頭試験をします。

レポート(宿題)
数回に1回の割合で、練習問題を出します。翌週の月曜日までに解いて、 レポートを作成し、E121 号室の前の箱に入れておいてください。 レポートということは、問題に対して、単に最終的な答えが 合っていれば良いということではなく、解く過程や論理の流れや書き方も 評価の対象になります。また、提出期限に遅れたものは減点とします。 また、レポートには、講義に対する質問や要望も適宜書いて下さい。 もっとも、疑問はその場で解決する方が良いので、質問は 講義時間内にしてくれた方が望ましいのではありますが。

講義の内容

講義の状況に応じて変わる可能性もありますが、だいたい以下の通りです。 1年生で電磁気学を学んだ人とそうでない人といることを考慮して、 以下の方針で組み立てられています。 以下は去年の例です。皆さんの希望がなければだいたいこの順番で進みます。 ただ、開き直って言えば、全部やる必要はないので、皆さんの希望に応じて 変えてゆきます。

Part1 力と電磁場

  1. 登場人物紹介
    電荷、電流、電場、磁場
  2. 電荷と電流にはたらく力
  3. 電磁場中の電荷の運動 粒子の運動方程式、常微分方程式の基礎
Part2 電磁場の変化の法則
  1. マクスウェル方程式
    電磁場の変化の基礎方程式、電磁気学の単位系
  2. 簡単な静電場
    点電荷が作る電場、電位
  3. 電磁波
    電磁波の方程式と簡単な解
Part3 電磁場と物質の相互作用
  1. 導体:オームの法則
  2. 誘電体
  3. 磁性体

参考書

今年は教科書を指定していません。本講義にぴったりのものが あまりないので、とくにこれを、というのを指定するのはやめました。

以下に、参考までに教科書ガイドをしておきます。 電磁気学の教科書はたくさん出版されています。 本講義は基礎的なことしかやらないので、どれを参考にしても良いと思います。 参考までに、以下に、代表的なものを挙げておきます。 ○がついているのは、私が持っているものです。 そうでないものは持っていないので、論評はあてにならないところがあります。

  1. 初級者向け
  2. 標準的教科書(中級者向け)
  3. 個性的な教科書、上級者向けの教科書