「大学院講義」各回の内容(2010年度)


教科書
小屋口剛博, 火山現象のモデリング, 東大出版会, 2008.
を用いる。第1章から第7章までを、ほぼこれに沿って講義する。

内容教科書の節内容、備考
Chapter 1火山とは? はじめに、第1章、第2章
1-1Introduction14/15 はじめに講義全体の概要
1-2火山噴火のタイプと噴火堆積物14/15 1.1, 1.1.1, 1.4effusive, explosive
1-3噴火タイプの細分類14/15 1.1.2, 1.3.2
1-4考えられる噴火の分類基準や尺度のいろいろ25/06 1.3, 1.3.1, 1.4, 1.5
1-5火山の空間スケールと空間分布25/06 2.1
1-6火山の時間スケール25/06 2.2
1-7マグマだまりの証拠35/13 2.3
Chapter 2マグマの性質 第3章
2-1マグマの成分と岩石学的性質35/13 3.1, 3.2共融系
2-2マグマの発生3,45/13,6/03 3.3マグマの生成の原因と火山ができる場
2-3マグマの物性4,56/03,6/17 3.4,3.5,3.6メルト、固液混合物、気液混合物の密度と粘性の決まり方
Chapter 3浮力 第4章
3-1浮力56/17 4.1アルキメデスの原理、浮力の定義
3-2浮力によるダイアピルの上昇56/17 4.2浮力と粘性抵抗がバランスするときの速度
3-3浮力によるマグマの上昇の全体像56/17 4.4
Chapter 4浸透流 第5章、第6章
4-1浸透流を考える場面56/17 部分溶融でできたマグマの集積プロセス
4-2浸透流の考え方の物理的エッセンス56/17 5.1ダルシーの法則と圧密
4-3数学的定式化66/24 5.2浸透流と圧密の組み合わせ方
4-41次元問題における解の基本的性質66/24 5.3,5.3.1Darcy 速度と圧密長
4-5変形する火道問題への置き換えとマグマ・ソリトン6,76/24,7/01 5.3.2,5.3.3,5.3.4Darcy 速度と圧密長
4-6融解と組成の変化77/01 5.4,5.4.1,5.4.2バッチ融解、分別融解など
4-7岩脈について77/01 第6章岩脈の例を紹介するにとどめ、モデリングの説明は省略
Chapter 5火道中の流れ 第7章
5-1発泡から破砕、そして噴霧流へ77/01 7.1泡の核形成→泡の成長→マグマの破砕→噴霧流
5-2音波と特性曲線の考え方77/01 7.2,7.2.1,7.2.2,7.2.3
5-3衝撃波の形成の理解87/08 7.2.4非線形の波の式の一般論
5-4Lavalle nozzle 問題87/08 7.3,7.3.1管の断面積が変化する一次元問題
5-5衝撃波管問題87/08 7.3.2隔膜を破る問題
5-6気液二相系の熱力学87/08 7.4,7.4.1気液二相系の音速
5-7プリニー式噴火のモデル8,97/08,7/15 7.4.2気泡流と噴霧流を接続した問題、Bernoulli 関数の保存、choking
5-8ブルカノ式噴火のモデル97/15 7.4.3高圧マグマと空気の間の隔壁を破る問題
Chapter 6Enceladus
6-1Enceladus107/29 Enceladus における噴泉の発見
6-2Enceladus のプルームのモデル107/29 火道流モデルの応用:Schmidt et al (2008) Nature, 451, 685-688 の紹介

レポート課題(宿題)一覧
課題番号出題日内容
14/15代表的な噴火タイプの噴火の写真をネットで検索して報告せよ
25/13次の2つから選択
(1)共融系のリキダス曲線の式を求めよ(理想溶液を仮定)
(2)教科書3.2節を復習して、共融系の相図の見方をまとめ直せ
36/03次の2つから選択
(1)教科書4.3節を読んで、式をフォローし、レポートにまとめよ
(2)配布した英語の教科書のコピーを読んで、日本語レポートにまとめよ(内容は、地球上で火山ができる場とプレートテクトニクスとの関連の概要)