海の起源
塩、それは海からの贈り物。この海を持つ太陽系唯一の惑星、それが
私たちの地球です。地球上の生命を生み育んできた海、この海はどの
ようにして生まれたのでしょうか?どうして塩辛い海水を満々とたたえて
いるのでしょうか?これには太陽系や地球の成り立ちが大きく関係して
いるようです。
地球の誕生
今から約46億年前に原始太陽と小さな惑星が形成され、こ
れらの小惑星が衝突を繰り返して地球やその他の惑星に成長
していきます。この頃の地球は、微小惑星の衝突エネルギーと
水蒸気大気の保温効果で地表面の温度は1500℃以上にな
り、地表には鉱物が溶けたマグマの海ができ、水蒸気、二酸
化炭素、窒素からなる大気で覆われて、まだ液体の水はありませんでした。
海の形成地球が現在の大きさ近くになると、地表の
温度が徐々に下がり、大気中の水蒸気が雨
となり海を形成しました。この雨には火山ガス
に含まれる塩酸ガスや亜硫酸ガスが溶けて
酸性でしたので、鉱物を溶かして、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニ
ウムなどの鉱物の成分を海に溶かし込みまし
た。こうして、地球誕生後約1億年くらいまで
に、地球上のほとんどの元素を含んだ塩辛
い、後に生命を生み出す海の原型ができ上が りました。![]()
現在の地球へ
鉱物を溶かし込んで中和された海水
に、大気中の二酸化炭素が溶け込
み、地球の大気は窒素を主成分とする
大気に進化していきます。そして約35
億年前の光合成生物の誕生により、
光のエネルギーを使って二酸化炭素と
水から有機物が合成され、気体状の
酸素が生成されて現在の組成の大気![]()
へと変化していきます。そして海水中
では、溶け込んだ二酸化炭素や酸素
の働きにより、原始の海に含まれてい
た様々な成分が沈澱して取り除かれ、
主にナトリウムイオンと塩化物イオンを
含む、現在の塩辛い海水の組成に変
化しました。この塩辛い味は、ナトリウ
ムイオンと塩化物イオンの組み合わせが示す特徴です。