海&海水に関すること


1 海はどうやってできたか、また、何故海の水はしょっぱいのか
原始地球はコンドライト物質が部分融解して、玄武岩物質とカンラン石物質に別れ
前者は地核に、後者は上部マントルになったといわれている。地球内部から、はじめは水素、水蒸気
アンモニア、窒素、メタン、一酸化炭素などが、そしてやがては水蒸気、窒素、二酸化炭素、塩酸ガス
などが同じ量比で地表に出てきたものと思われる。
そして地殻の表面温度が100度以下になると、水蒸気は液体の水となり、塩酸、塩化アンモニア
フッ化水素などがこの水にとけ、塩酸酸性の海水となる。
これが玄武岩岩石に接し、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、アルミニウムなどを溶かし出したのであろう
この海水は玄武岩を塩酸で溶かした溶液の化学組成に近いものであり、アルカリ土類金属である、カルシウムやマグネシウムの
含有量が多かった。このカルシウムなどのようイオンが岩石から溶けでると、母岩である玄武岩は様々な粘土鉱物に変質し
粘土鉱物が生成された。
この粘土鉱物が天然水、すなわち海水と接して平衡になると、アルカリ元素のナトリウムとカリウム、特に後者のカリウムが粘土鉱物に
交換吸着されて、水中から多く取り除かれた。ナトリウムも水中から、同様にして取り除かれはしただろうが、カリウムにくらべれば
遥かに少なく、海水中ではナトリウムイオンの濃度が高くなったと考えられる。
このナトリウムイオンと、塩化物イオンによって塩化トリウムが大量に生成されるために、海の水はしょっぱいと考えられる。

2 海の起源はいつか
鉱物の同位体比の測定の結果、およそ45億年前だと考えられている。

3 この世から海がなくなったらどうなるか。
仮に、この地球の海水をすべて蒸発させる釣ると、その蒸発したあとに残る塩の総量は
もう一つアフリカ大陸ができるほどになる。
また、海水中に溶け込んでいる金をすべて精錬すると地球上の人すべてに4キログラムずつ行き渡るほどになる。

海水や物質循環に関するもの


1 何故、今のように海流が発生するのか?また、何がきっかけか?
海流は太陽放射に関連する熱の分布や、風の分布、海底地形、陸地の位置、 海水の密度差、
そして地球の自転によるコリオリの力等、様々な要素が複雑に 絡み合って現在の形になり、それを保っているものと考えられる。
表層、深層を含めて地球全体で一つの循環系が完成しているためその大循環が 急に壊れてしまうことはないが、
例えば黒潮は数時間で約50km移動することも あるなど、実際には海流は変動性に富んでいる。

( http://www.jha.jp/ 日本水路協会・海洋情報研究センター/
http://www.esst.kyushu-u.ac.jp/kaimen/isobe/lectures/kaibutu/ogc.html など)

2 表層水が沈み混んでるところでは、何が起こっているのか?
海には水深500〜1000mのところに水温が急激に低下する主温度躍層と呼ばれる 部分があり、
その上部は水温の高い表層部、下部は水温の低い深層部と呼ばれる。

(参照: http://www.esst.kyushu-u.ac.jp/kaimen/isobe/lectures/kaibutu/ogc/temp.gif)
通常はこの温度差のため表層水と深層水はほとんど混ざり合わないが、 高緯度では冷たい空気に冷やされ表層水の温度が低いから、
その成層構造は 崩れ、重くなった表層水が水深1000mあたりまで沈み込み海水が混ざり合っている。

3 水塊が旅を完了するには数百年かかるとあるが、どうやって算出したのか?
ある流れの、速度と移動距離から算出したのではないか?

4 p198に「溶存CO2濃度が高い太平洋では…」とあるが、なぜ大西洋より太平洋の方が高いのか?
一つの原因としては生物によるCO2の取り込みがあるのではないか?
海流は主に北大西洋で沈み込みインド洋と太平洋で湧き上がるが、海水は沈み込むとき表層のCO2をごっそり深層へ運んでいく。
また湧き上がるところでは過飽和のCO2を再び表層に運びCO2を放出する。
その海域では海底のCaCO3等の栄養素を運んでくるので生物ポンプが活性化して大気中のCO2を吸収する。
このため沈み込む大西洋より湧き上がる太平洋の方がCO2濃度が高くなる。
(生物ポンプ:海水中には藻類などの植物プランクトンが存在する。
植物 プランクトンは二酸化炭素と水から太陽光エネルギーを用いて光合成を行い、
有機物を生成する。その有機物の一部はバクテリアによって分解され二酸化炭素が放出されるが
大部分は動物の栄養分になったり海底へ沈降したりして、 炭素循環の中で、二酸化炭素以外の形で固定化されることになる。
この植物プランクトンの活動には光がよく当たる海域であることが望ましいが、水温は さして大きな因子ではない。
最も重要なのは、リン(P)、窒素(N)、鉄(Fe) である。)

(http://lib1.nippon-foundation.or.jp/1997/0487/contents/018.htm 日本財団事業成果ライブラリー・シップアンドオーシャン財団)

海の生物に関すること

1 アラゴナイトとは何か?
アラゴナイトとは、第三紀鮮新世の地層から採掘され、当時の小動物の遺体が海水中で濁汰され、海底に蓄積したものと考えられます。
これらの遺体のうち、分解・溶解しにくいものだけが海底に残って、2,000〜3,000万年を経過して地層として地上に出現したものをアラゴナイトと言います。
アラゴナイトの構成分の本源は、主として動物の生理作用の結果形成されたもので、これらの遺骸が海底に蓄積したものです。わかりやすく言えば、
石灰質等からなる各種のネクトン(魚類)、プランクトン(微生物)、藻類、海草等が、突然おきた地殻変動によって生きたまま埋没堆積し、数千万年を経過した今日、
これらの魚介類や有機物が分解・腐植し原形をとどめず溶性を帯びた化石体となったものです。
この様な原因から、その主成分である炭酸カルシウムは、蛋白質より分泌形成された極めて微粒なものの集合であり、
通常の石灰石に比較してはるかに活性度の高い特質を持っています。