野本憲一編「元素はいかにつくられたか」(岩波講座 物理の世界)に基づいて、8 Msun より大きな星の進化をまとめる。
C + O コアができて以降は、ニュートリノが星のエネルギーを急速に持ち去るようになる。 そのため、56Fe ができた後も重力収縮が続く。そして、星の中心が非常に高温になると、 原子核の光分解が起こり、急速な重力崩壊が起こり、やがて超新星爆発が起こる。ただし、 爆発のメカニズムは理論的にはまだ十分には解明されていない。
8-20 Msun の星では、後に中性子星が残る。> 20 Msun の星では、後にブラックホールが残る。
>〜 30 Msun の星では、極超新星爆発が起こり、γ線バーストを伴うことが多い(伴わないものもある)。 γ線バーストは、一説では、ブラックホール降着円盤に伴うジェットで説明される。 〜20 Msun の星では、その小型版で、X線フラッシュを伴うことがある。
公式見解は、 日本学術会議の委員会報告にある。これによると、日本語は「太陽系外縁天体」 英語は「TNO = trans-Neptunian object」が正式名称。KBO は俗称。
多少気になる点
参考:岩波講座地球惑星科学12「比較惑星学」第3章「比較惑星系形成論」pp.223-226
原始惑星(暴走成長した微惑星の成長がいったん落ち着いた状態)の間隔は、 「軌道反発」効果により、だいたい Hill 半径の 10 倍くらいになる。 Hill 半径は、軌道長半径に比例するので、このことだけからも太陽から遠いほど 大きな原始惑星ができることが推測できる。もうちょっと定量的に考えてみよう。
林モデルでは、ダストの面密度は、
Σd = ΣE (a/a0)-3/2(地球領域)で表される。ここで、ΣE、ΣJ はそれぞれ定数で、 ΣE = 7.1 g/cm2、ΣJ = 30 g/cm2 である。 木星領域では氷が凝結しているので、ΣE < ΣJ となっている。 a は軌道半径、a0 は地球の軌道半径(1天文単位)とする。
Σd = ΣJ (a/a0)-3/2(木星領域)
原始惑星の軌道間隔は f rH になるものとする。ここで f は 10 程度の定数で、
rH = (M/3Msun)1/3 aは Hill 半径である。この範囲のドーナツ状領域に含まれる質量は
M = Σd (f rH) (2 π a)である。
以上の3つの式から、Σd と rH とを消去すると、
M/ME = (2 π)3/2 3-1/2 f 3/2 (a/a0)3/4 (ME / Msun)1/2 (ΣE a02 / ME )3/2 (地球領域)が得られる。f=10 として計算すると、
M/ME = (2 π)3/2 3-1/2 f 3/2 (a/a0)3/4 (ME / Msun)1/2 (ΣJ a02 / ME )3/2 (木星領域)
M/ME = 0.09 (a/a0)3/4 (地球領域)となる。ここで、aJ は木星の軌道半径である。なお、私の計算と教科書の 数字が 1.4 倍くらい異なるが、理由不明(私の計算ではファクターがそれぞれ 0.07 と 2.1)。 ΣE,J にちょっと別の数字を使ったのかもしれない。
M/ME = 2.9 (a/aJ)3/4 (木星領域)
というわけで、木星は地球よりも太陽から遠いこと(aJ > a0)と、 木星領域には氷成分が凝結していること(ΣJ > ΣE)から、 地球領域よりも木星領域の方が原始惑星のサイズが数十倍大きくなることが分かる。
title/chapter | 内容 |
---|---|
title1 | 本編 |
chapter1 | タイトル |
chapter2 | 導入部:シリーズ全体の概観 |
chapter3 | 山崎努:進化カレンダー |
chapter4 | 海に覆われた原始惑星(ミニ惑星) →地球型惑星の形成 [出演:小久保英一郎] |
chapter5 | giant impact と月の形成 →火星はミニ惑星の生き残り(荒涼とした星) →地球には海ができたことが生命を育んだ [出演:小久保英一郎] |
chapter6 | Greenland, Isua, 38 億年前の岩石 →生命の痕跡(炭素の粒子) →当時の生命の想像図 [出演:ミニック・ロージング] |
内容のまとめ:
Bertelsen, P. et al. (2004)
Magnetic properties experiments on the Mars exploration rover Spirit
at Gusev crater [report]
Science, 305, 827-829, doi:10.1126/science.1100112 (2009, 8 May)
内容のまとめ:
火星の dust 粒子や岩石がどのくらい磁石にくっつくかを調べた。すると、
a few % 程度のフェリ磁性の粒子(magnetite か maghemite)を含んでいそうで
あることがわかった。逆に磁性の小さい粒子はあまり存在しないようだ。
内容のまとめ:
火星の表面を覆う soil の分析。一番表面には bright dust がある。これは全球的に分布するもので、
風でばらまかれていると考えられる。その下に dark soil がある。組成は basaltic で、pyroxene、
plagioclase feldspar, olivine などから成る。dark soil は、Gusev crater (Spirit) にも
Meridiani planum (Opportunity) にも分布する。全球的なものかもしれないし、そうではなく
起源となる玄武岩が似ているということかもしれない。soil に olivine があって、2価の鉄が
残っていることから、変質度は限定的なものである。Br が濃くなっている部分があるところから、
液体の水が関与したか、あるいは薄い氷の層があたかも水のように塩を溶かしたのだと考えられる。
Suppl 3-5-3. Mars Pathfinder の rover Sojourner の名前の由来
どうやって名前をつけたかは
この web page に書かれている。
世界の子供たちに歴史上のヒロインに関するエッセイを募集したところ、Sojourner Truth という 南北戦争時代の黒人女性活動家に関するエッセイが選ばれた。 Sojourner Truth は旅をたくさんしたということで rover の名前にふさわしいとされた。
一酸化炭素:C + (1/2) O2 → CO + 110.5 kJ/mol (ΔH at 10^5Pa, 25℃) 137.2 kJ/mol (ΔG at 10^5Pa, 25℃) S0(標準エントロピー) = 197.56 J/K/mol 二酸化炭素:C + O2 → CO2 + 393.5 kJ/mol (ΔH at 10^5Pa, 25℃) 394.4 kJ/mol (ΔG at 10^5Pa, 25℃) S0(標準エントロピー) = 213.6 J/K/mol メタン:C + 2 H2 → CH4 + 74.85 kJ/mol (ΔH at 10^5Pa, 25℃) 50.84 kJ/mol (ΔG at 10^5Pa, 25℃) S0(標準エントロピー) = 186.3 J/K/mol エタン:2 C + 3 H2 → C2H6 + 84.68 kJ/mol (ΔH at 10^5Pa, 25℃) 32.93 kJ/mol (ΔG at 10^5Pa, 25℃) S0(標準エントロピー) = 229.5 J/K/mol 水:H2 + 1/2 O2 → H2O(l) + 285.83 kJ/mol(ΔH at 10^5Pa, 25℃) + 237.2 kJ/mol (ΔG at 10^5Pa, 25℃) S0(標準エントロピー) = 69.9 J/K/molこのことから、
酸素がたくさんある環境では、炭素は二酸化炭素になりやすく、ことがわかる(メタンとエタンとを比べるときは、炭素1個あたりで比べよう)。
水素がたくさんある環境では、炭素はメタンになりやすい。
単体は H, O などがあると安定ではない(H2O, CO2 or CH4 を作って、 なお C が余る状況が必要だが普通は起こらない)。
講義ノート本文中の反応熱はこれから計算した。
title/chapter | 内容 |
---|---|
title1 | 本編 |
chapter1 | 画像とタイトル |
chapter2 | 導入部:酸素のある大気 |
chapter3 | オーストラリアのストロマトライト 5-16分:ハメリンプールのストロマトライト 16-22分:ノースポールの世界最古の化石とストロマトライト [世界最古の化石のそばにストロマトライトがあることから、 かなり古くから光合成があったと主張している。 あやしいので講義では使わない。] |
chapter4 | 生命誕生の場 22-23分:導入 23-26分:イエローストーン。スルフォロバスなどのバクテリア 26-27分:アルビン号による海底探査。熱水噴出孔の生命 27-30分:細胞状構造をつくる実験 |
chapter5 | 生命進化のシナリオ 30-32分:生命進化のシナリオの解説 32-36分:グレートスレーブ湖の大量のストロマトライト化石 |
chapter6 | BIF の形成 39-47分:ハマースレーの巨大鉄鉱床 47分-:エピローグ |
title/chapter | 内容 |
---|---|
title1 | 本編 |
chapter1 | 画像とタイトル |
chapter2 | 恐竜の世界 2-4分:カナダのバッドランド―恐竜の谷 4-6分:恐竜のいろいろ |
chapter3 | 6-8分:恐竜絶滅事変の導入 |
chapter4 | 恐竜の生きていた環境を現在から想像する 8-14分:ガラパゴス諸島のイグアナの世界 14-16分:バッドランド(カナダ)の植物化石から当時が温暖だったことが分かる 16-17分:オーキフェノーキー(アメリカ)の温暖な環境は中生代に似ている |
chapter5 | K/T境界の黒い地層とイリジウム 17-19分:恐竜絶滅説のいろいろ 19-21分:スチーブンス・クリント(デンマーク)の K/T 境界の地層 [ここでは、K/T クレータが未発見ということになっている。 講義の時は Chicxulub クレータの話をする] 21-23分:浦幌町(北海道):日本にも K/T 層がある 23-26分:UC Berkeley におけるイリジウムの発見 26-28分:Ir の説明、Ir が K/T にあることの意味 |
chapter6 | 隕石衝突による絶滅のシナリオ 28-30分:隕石衝突の説明― 10km の隕石が落ちてきた 30-32分:カラバカ(スペイン)で、玄武岩起源のマイクロテクタイトが見つかったことから、隕石が海に落ちたと考えられる 32-33分:K/T 層の石から火災による煤が見つかる 22-40分:大量絶滅のシナリオのイメージ映像: 火災→粉塵発生→衝突の冬 →水蒸気による超温暖化 |
chapter7 | 隕石衝突はいつでも起きうる 40-42分:衝突による絶滅のまとめ 42-45分:パロマ山天文台、小惑星監視(Shoemaker 先生登場) 45-46分:隕石が地球をかすめて飛んでいったことが目撃された映像 46-47分:月のクレーターが衝突痕であることについて 47分-:エピローグ |
σ Tg4 = 2 IEには以下のような説明の仕方も考えられる。地面にやってくる光は、太陽放射と、太陽放射をいったん吸収して大気に戻したうちの半分(大気は上下2方向に放射)と、それが地面にやってきてまた大気に戻したうちのさらに半分と……という風に考える。
太陽 宇宙 宇宙すると、地面が発する赤外光は、全部で
↓↓↓↓ ↑↑ ↑
大気 大気 大気 大気 大気
↓↓↓↓ ↑↑↑↑ ↓↓ ↑↑ ↓
地面 地面 地面 地面 地面
(このダイアグラムは等幅フォントで見ること)
σ Tg4 = IE + (1/2)IE + (1/2)2IE + … = 2 IEとなる。
CO2 : CH4 : N2O : フロン = 1 : 101 : 102 : 104と言われている(数字は「温室効果の能力」の定義の仕方次第なので、 あくまでも目安)。ただし、CO2 が量が多いので最も重要である。
時間 | 内容 |
---|---|
0:00-2:00 | 根尾谷断層館 |
2:00-2:30 | 濃尾地震 |
2:30-3:00 | タイトルとイントロ |
3:00-7:30 | プレートテクトニクスと地震 |
7:30-9:00 | 震度と地面の揺れ方 |
9:00-12:00 | P 波と S 波 |
12:00-15:40 | 津波(岩手県田老町の例) |
15:40-19:00 | 火山(伊豆大島の例) |
19:00-20:00 | エピローグ |
年月日 | 地震名 | MJ | MW | 地表断層の長さ(km) |
1891.10.28 | 濃尾 | 8.0 | 7.4 | 80 |
1927.03.27 | 北丹後 | 7.3 | 7.0 | 30 |
1930.11.26 | 北伊豆 | 7.3 | 6.9 | 20 |
1995.01.17 | 兵庫県南部 | 7.2 | 6.9 | 10 |
時間 | 内容 | 内容内訳 |
---|---|---|
0:00-4:00 | はじめに | |
4:00-22:00 | 建物倒壊 | 4:00-11:00 木造家屋倒壊実験+α 11:00-14:00 鉄筋建の場合 14:00-22:00 福和先生の解説 |
24:30-34:30 | 火災 | |
36:30-50:30 | 液状化 | |
50:30-70:40 | 津波 | 50:30-54:30 スマトラ地震津波(現在の映像と当時の映像) 56:00-58:30 東南海地震のときの津波 58:30-63:00 津波の実験と解説 65:00-70:40 福和先生の解説 |
70:40-83:00 | 最新の耐震建築技術 | |
85:00- | おわりに |