「地球惑星物理学基礎II熱力学」各回の内容(2006年度)


Chapter 2 から Chapter 6 は、佐々真一「熱力学入門」(共立出版)に ほぼしたがう(備考欄参照)

内容備考
0-1講義の目標と講義の進め方14/12
Chapter 1Introduction -- 熱力学の重要性地球科学者向けの Introduction:教科書とは異なる
1-1熱力学のはじまり14/12
1-2地球科学における熱力学の重要性14/12
1-3熱力学の構造14/12
Chapter 2設定
2-2物質の熱力学的性質14/12最初に形式的なところから始めると、抽象的でなじみにくいし宿題も出しづらいので、物質の現象論的記述法から始める
2-2-1状態方程式1,24/12,4/19
A-1偏微分の定義24/19偏微分を定義し、等温圧縮率、熱膨張率の概念を導入する(一方は宿題)
2-2-2熱容量24/19
2-0一成分の平衡系の熱力学が扱う対象24/19教科書が前提としていることの補足:扱う対象について
2-1平衡状態24/19
2-1-1温度24/19
2-1-234/26
2-1-3環境34/26
2-2-1a偏微分が与えられたときの積分34/26等温圧縮率、熱膨張率から状態方程式を求める:教科書には無い
2-2-2熱容量(再)34/26
2-3熱と仕事45/10
2-3-1仕事45/10
2-3-245/10
2-4形式的設定45/102-4, 2-5 は形式的で退屈するかもしれないので、2-4-1→2-4-3→2-4-4→3-1→3-2の前半→2-4-2→2-5→3-2の後半の順で進む
2-4-1状態と状態変数45/10
2-4-2示量変数と示強変数45/10
2-4-3過程45/10
2-4-4仕事と熱45/10
2-5準静的過程55/24
Chapter 3熱力学第1法則
3-1熱と仕事の等価性45/10
3-2内部エネルギー45/10
3-2-1内部エネルギーの決定55/24
3-2-2例:理想気体55/24
3-3断熱曲線55/24
Chapter 4熱力学第2法則
4-1永久機関65/31
4-1-1ケルビンの原理65/31
4-2等温過程における熱力学原理65/31
4-2-1最小仕事の原理65/31
4-2-2最大吸熱の原理65/31
4-32温度機関65/31
4-4カルノーの定理65/31
4-4-1カルノー機関65/31
4-4-2カルノーの定理の証明76/07
4-5絶対温度76/07
4-5-1理想気体温度との関係76/07
Chapter 5エントロピー
5-1不可逆性76/07
5-2,3エントロピーの定義と本質76/07 エントロピーの導入の仕方は教科書のままだとわかりづらいので (良く読むと味のある導入法なのだが)、 パラフレーズをする。節の順番を変更し、補足を入れる
5-2a単純状態の場合76/07
5-4例:理想気体のエントロピー86/14
5-2b定理5.4-5.7とその証明86/14
5-2c複合状態の場合86/14
5-6例:可逆熱接触86/14
5-2dエントロピーの考え方のまとめ直し96/21 エントロピーを使って第2法則を再整理:教科書には無い
5-5完全な熱力学関数96/21
A-2関数の展開96/21
A-3偏微分の関係式96/21
5-5-1完全な熱力学関数(その2)96/21
5-5-2完全な熱力学関数の意義96/21
5-5a準静的熱とエントロピー96/21準静的過程の微小変化では Q=TΔS と書けることを示す:教科書定理 6.4 の半分先取り
Chapter 6熱力学関係式
6-1自由エネルギー106/28 導入の仕方を教科書と少し変える。ルジャンドル変換の数学的意味について補足する。
6-2微分形式による記述106/28
6-2a微分形式を使った偏微分公式の導出106/28各種偏微分公式の導出:教科書には無い
6-3エネルギー方程式106/28
Chapter 7これまでのまとめ(熱力学の骨格部分) ここからは教科書から離れる。ここでは、 エントロピーの存在を最初に認めるというやり方で、熱力学を整理し直す。
7-1基礎となる前提117/05 エントロピーありき方式
7-2熱力学第1法則、第2法則117/05
7-3熱力学関数(熱力学ポテンシャル)117/05Maxwell の関係式など
7-4変化の方向117/05断熱:エントロピーの増分>0、等温:ヘルムホルツの自由エネルギーの増分<外からされる仕事
7-5平衡条件117/05圧力と温度が平衡状態で等しくなる。熱は温度が高い方から低い方に流れる。
7-6平衡状態の安定性117/05結果(熱容量、圧縮率が正になること)だけを紹介して、導出はノートを渡して説明は省略
Chapter 8相転移 教科書 6.5 に相当するが、地球科学における重要性に鑑みて 教科書よりもかなり詳しく扱う
8-1相転移とは?127/12
8-2Clapeyron-Clausius の式127/12相図の見方、Gibbs 自由エネルギーとの関係を詳細に議論
8-3相変化とマントル対流137/19olivine-spinel-perovskite 相変化がマントル対流に与える影響
8-4van der Waals の状態方程式と気液相転移137/19