「地球惑星物理学基礎II熱力学」各回の内容（2008年度）

節	内容	回	日	教科書1で対応する節	教科書2で対応する節	備考
0	講義の目標と講義の進め方について（シラバス）	1	10/03
Chapter 1	Introduction -- 熱力学の重要性					地球科学者向けの Introduction
1-1	熱力学のはじまり	1	10/03
1-2	地球科学における熱力学の重要性	1	10/03
1-3	熱力学の構造	1	10/03
Chapter 2	状態方程式
2-1	系：１成分の平衡系の熱力学が扱う対象	1	10/03	2.1	1.4
2-2	熱平衡状態	1	10/03	2.4	2.1
2-3	状態方程式	1	10/03
2-3-1	状態方程式	1,2	10/03,10/10	2.1	2.2.1
2-3-2	状態方程式に登場する変数	2	10/10	2.1,2.2	2.1.1,2.2.1
2-3-3	重力による圧力	2	10/10	2.1		1 気圧は水 10 m、空気 8km の厚さに相当
2-4	気体の状態方程式	2	10/10
2-4-1	理想気体の状態方程式	2	10/10	2.2	2.2.1
2-4-2	van der Waals の状態方程式	2	10/10	2.2	演習問題 2.1
2-5	密度	3	10/17	2.3	2.2	等温大気のスケールハイト 8 km
Chapter 3	偏微分の使い方
3-1	偏微分の定義	3	10/17	3.1	A.1
3-2	関数の展開	3	10/17	3.1	A.2
3-3	偏微分の関係式	3	10/17	3.1	A.3	各種偏微分公式の導出
3-4	完全微分	3,4	10/17,24	3.2		偏微分が与えられたとき、線積分で元の関数を求める
Chapter 4	熱膨張率と等温圧縮率
4-1	熱膨張率	4	10/24	4.1
4-2	等温圧縮率	4	10/24	4.2
4-3	熱膨張率と等温圧縮率に関係する式	4	10/24	4.3		Chapter 3 の数学の応用
Chapter 5	熱力学の設定
5-1	考える操作	4	10/24		2.1
5-2	熱と仕事	4	10/24	5.2,5.3	2.3
5-3	壁と温度	5	10/31		2.1.2
5-4	環境	5	10/31		2.1.3
5-5	物質の熱力学的性質：とくに熱容量について	5	10/31	5.3	2.2	状態方程式と熱容量で熱力学的性質が完全に指定できる、熱容量と比熱
5-6	形式的設定				2.4
5-6-1	状態と状態変数	5	10/31		2.4.1
5-6-2	示量変数と示強変数	5	10/31		2.4.2
5-6-3	過程	5	10/31		2.4.3
5-6-4	仕事と熱	6	11/21		2.4.4	仕事と熱が「過程」の関数であるということ
5-7	準静的過程	6	11/21	5.2	2.5
Chapter 6	熱力学第１法則
6-1	熱と仕事の等価性	6	11/21	5.1	3.1
6-2	内部エネルギー	6	11/21	5.1	3.2	熱力学第１法則、日常語の「熱」と熱力学用語の「熱」
6-3	内部エネルギーの決定	6	11/21	5.4,7.3	3.2.1,3.2.2
6-4	エネルギー方程式の味わい方	6	11/21			(dU/dV)Tと分子間力、エネルギー方程式のどこが「驚くべき」式なのか？
6-5	断熱曲線	7	11/28	6.2	3.3、演習問題 3.1
Chapter 7	熱力学第２法則
7-1	永久機関	7	11/28		4.1
7-2	ケルビンの原理	7	11/28		4.1.1
7-3	等温過程における熱力学原理	7	11/28		4.2	最大仕事の原理、最大吸熱の原理
7-4	２温度機関	7	11/28		4.3
7-5	カルノーの定理	8	12/05		4.4
7-5-1	カルノー機関	8	12/05		4.4.1
7-5-2	カルノーの定理の証明	8	12/05		4.4.2
7-6	絶対温度	8	12/05	10.4	4.5
7-7	エネルギー方程式の証明	8	12/05		演習問題 4.5
Chapter 8	エントロピー
8-1	不可逆性	9	12/12		5.1
8-2	エントロピーの定義と本質：単純状態の場合	9	12/12			エントロピーの導入の仕方は教科書のままだとわかりづらいので （良く読むと味のある導入法なのだが）、 パラフレーズをする。その前半。
8-3	理想気体のエントロピー	9	12/12		5.4	エントロピーの具体的な計算法の一つを学ぶ。
8-4	定理5.4-5.7とその証明	9	12/12
8-5	複合状態の場合	9	12/12		5.2,5.3.1	エントロピーの導入の後半。
8-6	可逆的熱接触	-	省略		5.6
8-7	エントロピーの考え方のまとめ直し（熱力学第２法則の言い換え）	9,10	12/12,19	10.3,10.4		エントロピーを使って第２法則を再整理：教科書２には無い。教科書１にも明記されているわけではない。
8-8	完全な熱力学関数	10	12/19		5.5
8-9	準静的熱とエントロピー	10	12/19		6.2	準静的過程の微小変化では Q=TΔS と書けることを示す：教科書２定理 6.4 の半分先取り
Chapter 9	ヘルムホルツの自由エネルギー、エネルギー方程式
9-1	ヘルムホルツの自由エネルギー	10	12/19	11.3,11.4	6.1	導入の仕方を教科書２と少し変える
9-2	ルジャンドル変換の数学的意味付け	-	省略			数学的補足
9-3	微分形式による記述	11	1/16		6.2	教科書２ 6.2 の内容のある程度の部分は 3-2, 3-3, 8-9 で取り扱ったので、ここは数学的取り扱いで 間違えやすい部分に対する注意が主
9-4	エネルギー方程式	11	1/16		6.3	教科書の内容に加えて、エネルギー方程式の意味やエントロピーの計算法に関する補足
Chapter 10	これまでのまとめ（熱力学の骨格部分）					ここからは教科書から離れる。ここでは、 エントロピーの存在を最初に認めるというやり方で、熱力学を整理し直す。
10-1	基礎となる前提	11	1/16			エントロピーありき方式
10-2	熱力学第１法則、第２法則	11	1/16
10-3	熱力学関数（熱力学ポテンシャル）	11	1/16			Maxwell の関係式など
10-4	変化の方向	12	1/23			断熱：エントロピーの増分＞０、等温：ヘルムホルツの自由エネルギーの増分＜外からされる仕事
10-5	定圧（等圧）過程	12	1/23			エンタルピーの熱関数としての意味とギブス自由エネルギーの意味
10-6	平衡条件	12	1/23			圧力と温度が平衡状態で等しくなる。熱は温度が高い方から低い方に流れる。
10-7	平衡状態の安定性	-	省略			結果（熱容量、圧縮率が正になること）だけを紹介して、導出はノートを渡して説明は省略 [本年度は完全に省略：ノートも配布しない]
Chapter 11	相転移					教科書２の 6.5 に相当するが、地球科学における重要性に鑑みて 教科書よりもかなり詳しく扱う
11-1	相転移とは？	12	1/23		6.5.1
11-2	Clapeyron-Clausius の式	12	1/23		6.5.2	相図の見方、Gibbs 自由エネルギーとの関係を詳細に議論
11-3	相変化とマントル対流	-	省略			olivine-spinel-perovskite 相変化がマントル対流に与える影響
11-4	van der Waals の状態方程式と気液相転移	-	省略	8.3