Leoš Janá\v{c}ek : String Quartet No.1, inspired by Tolstoy's "Kreutzer Sonata"

演奏会1の後で 2002/05/26

聞いていると、実に私小説的な空気のする曲。 トルストイの「クロイツェル・ソナタ」に 刺激を受けて作られた曲であるとのこと。 トルストイの小説が不倫や嫉妬を扱っているだけに、 全楽章を通じて心の葛藤を示すような不安定な楽想が続く。 1楽章では、民謡風の速いパッセージが不安感を示すようである。 2,3楽章では、駒のすぐ側で演奏する(スル・ポンティチェロ) という耳障りな音を多用して心の焼け付くような苦しみを示す。 演奏会1では、CD1で聞くのよりも、より不安感が強調されるような気がした。 スル・ポンティチェロは強烈に耳に付くし、4楽章のクライマックスも強烈。 家で聞き流す曲ではなく、演奏会で集中して聴くべき曲ということかもしれない。

演奏