Leo Janá\v{c}ek : String Quartet No.1, inspired by Tolstoy's "Kreutzer Sonata"
演奏会1の後で 2002/05/26
聞いていると、実に私小説的な空気のする曲。
トルストイの「クロイツェル・ソナタ」に
刺激を受けて作られた曲であるとのこと。
トルストイの小説が不倫や嫉妬を扱っているだけに、
全楽章を通じて心の葛藤を示すような不安定な楽想が続く。
1楽章では、民謡風の速いパッセージが不安感を示すようである。
2,3楽章では、駒のすぐ側で演奏する(スル・ポンティチェロ)
という耳障りな音を多用して心の焼け付くような苦しみを示す。
演奏会1では、CD1で聞くのよりも、より不安感が強調されるような気がした。
スル・ポンティチェロは強烈に耳に付くし、4楽章のクライマックスも強烈。
家で聞き流す曲ではなく、演奏会で集中して聴くべき曲ということかもしれない。
演奏
- 演奏会1: Zehetmair Quartet, 2002/05/25 at しらかわホール(名古屋)
Janacek, Haydn, Hartmann という Haydn を除くとオタクなプログラム
だっただけに客の入りが少なかったが、迫力のある演奏だった。
私としてはこういう意欲的な選曲が好きである。
アンコールのシューマン SQ No3 2 楽章も感じが良かった。
- CD1 : Praák Quartet, 1997/5-7, PRAGA/KING, PRD250108/KKCC401