全地球史解読


書誌情報

編者:熊澤峰夫・伊藤孝士・吉田茂生
初版第1刷発行: 2002 年 10 月 28 日
吉田執筆部分:1.3「システムに関係した言葉と概念の整理」(吉田茂生)、 5.2「核の誕生と内核の成長」(隅田育郎・吉田茂生)、5.3「マントルとコアの熱的相互作用」(吉田茂生)、 そのほかゴーストライトした部分あり
出版社:東京大学出版会
本の web page:補足ページ

内容紹介と自薦の辞

2019 年になって書いているので、うろ覚えの記憶で書いていく。

この本は、科学研究費重点領域研究「全地球史解読」の成果報告として企画されたものである。 当初は3巻本として企画され、私は編者に入っていなかった。私は当該研究プロジェクトでは傍系だったので、 当然こんな編集をするはずもなかった。ところが、本が一向に出来上がりそうにないので、 伊藤孝士さんに焚きつけられ、伊藤・吉田で編者を奪って集まっている原稿だけで何とか形にしようということにした。 そうやって何とかできたのがこの本である。

編集経緯からして、いろいろ当初の計画が歯抜けになっているので、系統的な本ではないのだが、 他の日本語の本では見当たらない内容も含まれていることもあってか、意外に刷を重ねた。 表紙の岩城雅代さんの絵がかわいいので、易しいと間違って買ってしまった人もいるかもしれないが。 読みどころとしては、1.1 と 7 章の熊澤峰夫さんが考え方を語っているところ、 3.2 でミランコビッチサイクルの基礎理論が書かれているところ(伊藤孝士さん執筆)、 4.2 で海洋物質循環の基礎理論が書かれているところ(山中康裕さん執筆)などではないだろうか。 こういうところは今でも古くなっていないし、あまり他の日本語の本にもないと思う。

以下、私の執筆した部分の説明である。 1.3 「システムに関係した言葉と概念の整理」は、熊澤さんがこういうことを整理しておいた方が良いのではないかというご意見に 応えて書いたもの。線型システムの基本である。5.2 「核の誕生と内核の成長」は隅田さんと私の研究を中心に書いたもの。 今ではちょっと古くなった部分も多い。5.3 「マントルとコアの熱的相互作用」も当時の私の興味の中心にあったことを書いたものだが、 これは今ではちょっと古い感じになってしまった。