脊椎動物の進化

2006/07/15
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2006/07/15
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有羊膜類(爬虫類、鳥類、哺乳類)

むかしは、哺乳類と鳥類とはどちらも爬虫類から進化したと考えられていたが、 最近はむしろ、爬虫類、鳥類、哺乳類を全部まとめて有羊膜類 (Amniota) とし、
                 ---単弓類(哺乳類型爬虫類)---哺乳類
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両生類--有羊膜類-
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                 ---竜弓類---爬虫類---鱗竜形類 (Lepidosauromorpha) ---[トカゲ、ヘビ]
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                                   ---主竜形類 (Archosauromorpha) ---[カメ、ワニ]
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と考えた方が良いことになっている。両生類から、殻を持った卵を持つ有羊膜類が分岐し、 さらにそれが単弓類と竜弓類に大きく分かれた。単弓類から哺乳類が進化し、 竜弓類から爬虫類と鳥類が進化した。すなわち、単弓類を爬虫類と呼ばなければ (この系統で現世にまで残っているのは哺乳類だけなのでそうして構わない)、 哺乳類は、爬虫類とは別に両生類から直接分岐したものと考えることができる。 単弓類と竜弓類への分岐が起こったのは、3億年前の石炭紀くらいである。

解剖学的には、前肢帯(胴体と腕を接続している領域)の骨のうちの 烏口骨(うこうこつ)と肩胛骨に以下の違いがある。 両生類から恐竜に至る流れでは、烏口骨と肩胛骨の両方が立派にある。 哺乳類では、肩胛骨が発達し、烏口骨が退化している(ヒトでは消失している)。 鳥類では、逆に烏口骨が発達し、肩胛骨が貧弱である。

参考:
(1) [本] 遠藤秀紀「人体 失敗の進化史」(光文社新書 258)pp.25-40
(2) [本] 恐竜博 2005 「恐竜から鳥への進化」パンフレット pp.7-11
(3) [web] 宮田登「カメの系統的位置と爬虫類の進化」