大気汚染物質

last update: 2013/04/06

越境大気汚染物質

越境大気汚染物質には、大きく、光化学オキシダント(おもに対流圏オゾン), 黄砂、エアロゾル粒子の3つがある。

情報源

[雑誌記事] 竹村俊彦「九州地方における越境大気汚染の現状」,科学 2013 年 4 月号, 83(4), 428-432

エアロゾル

組成は、硫酸塩、硝酸塩、有機物、スス、鉱物、海塩など。直径は、直径 0.3 μm 前後のものと 直径 2 μm 前後のものが多い。環境行政上は、組成とは関係なく粒径によって分類する。

浮遊粒子状物質 (suspended particulate matter, SPM) は、 直径が 10 μm 以下のエアロゾル粒子のことで、PM10 と書かれることもある。 PM2.5 は、一般に書かれているところだと (e.g. [1])、 SPM のうちで直径が 2.5 μm 以下のものである。詳しく書かれているものだと (e.g. [2])、 直径 2.5 μm の粒子を 50% 分離できる装置を用いてより大きい粒子を除去した後に 採取される粒子のことである。

SPM の環境基準値は、 1時間値の1日平均値が 0.10 mg/m3 以下で、かつ、1時間値が 0.20 mg/m3 以下である。

PM2.5 の環境基準値は 2009 年に策定された。その値は、 1年平均値が 15 μg/m3 以下で、かつ、1日平均値が 35 μg/m3 以下である。

情報源

(1) [雑誌記事] 梅澤雅和・武田健「PM2.5の健康影響について私たちが注意したいこと」,科学 2013 年 4 月号, 83(4), 424-427
(2) [雑誌記事] 竹村俊彦「九州地方における越境大気汚染の現状」,科学 2013 年 4 月号, 83(4), 428-432

光化学オキシダント(対流圏オゾン)

光化学オキシダントとは、窒素酸化物や揮発性化合物から光化学反応で作られる気体酸化物質のことで、主にオゾンである。光化学スモッグは、このような光化学反応の過程で発生する SPM によって大気が霞むことである。

環境基準は、1時間値 0.006 ppm 以下で、濃度 0.12 ppm 以上の状況が継続すると予測されると注意報が自治体から発令される。

情報源

[雑誌記事] 竹村俊彦「九州地方における越境大気汚染の現状」,科学 2013 年 4 月号, 83(4), 428-432