安定同位体

last update: 2013/08/31

水の安定同位体

H には H と D、O には 16O と 18O の安定同位体がある。 (17O は非常に少ないので無視して良い)。D の存在度は 0.015 %、 18O の存在度は 0.2 % と少ない。そこで、H2O の同位体で考えないといけないのは、圧倒的に多い H216O と割合の少ない HD16O、 H218O である。

同位体分別には、動的分別と平衡分別とがある。水の場合は凝結・蒸発に伴って そういった分別が起ることが地球科学的には重要である。そのことを利用して、 しばしば、古気温の推定に使われる。

平衡分別では、δD (δHD16O)と δ18O(δH218O)とは比例し、 だいたい

δD 〜 8 δ18O
となることが知られている。

情報源

[講演] 池田健一(名大DC3)「水の酸素・水素安定同位体による メソスケール降水システムの研究」 at SELIS 横断セミナー (2005/07/19) 名古屋大学環境総合館講義室2

[web page] Carol Kendall and Eric A. Caldwell 「Fundamentals of Isotope Geochemistry」 at USGS


炭素の安定同位体

光合成のときに生物には軽い炭素同位体が優先的に取り込まれる。 そこで、海水中の δ13C は、光合成が活発であるほど高まる。

情報源

[雑誌記事] 中島林彦、磯崎行雄(監修) (2013) 「古生代末に何が起きたか」, 日経サイエンス, 43(10), 32-41.