地質学・岩石学用語
last update: 2005/03/30
refractory
地球化学・宇宙化学用語としては、「難揮発性」であり、
とくに太陽系星雲が冷えてゆくときに最初に凝縮する元素を示す。
対義語は volatile 「揮発性」。
地質学・岩石学用語では以下の通り
- 難融性:液相・気相よりも固相に分配されやすい元素・成分に富む物質。
岩石では Mg, Ni, Cr などの compatible elements に富む橄欖岩など。
depleted、「融け残り成分」と同じ。(平凡社「地学事典」(1)を改変)
- 熱、圧力、化学反応などで分解されにくいこと。通常は耐熱性(耐火性)を指す。
(Oxford "Dictionary of Earth Sciences" (2)を改変)
ちなみに普通の英語の辞書の最初に出ている意味は、
御しがたい、手に負えない、強情な、頑固な(小学館「Progressive 英和中辞典」(3))
である。
情報源
(1) [本]
平凡社「新版 地学事典」(1996)
(2) [本]
Oxford "Dictionary of Earth Sciences" 2nd ed. (1999)
(3) [本]
小学館「Progressive 英和中辞典」3rd ed. (1998)
bar 砂州
(1) point bar
蛇行河川で屈曲部の内側にたまる堆積物。
洪水が弱まるときにたまるもので、級化層理を示す。
最初に礫がたまり、次にたまる粗い砂は scoop-shaped patterns を示す。
さらに細粒の砂、泥がたまってゆく。
(2) offshore bar
海岸に沿って沖合にたまる砂州。砂の起源は、海岸、砂丘、海の中などがある。
逆級化層理を示す。
情報源
(1) [本]
Kenneth S. Deffeyes "Hubbert's Peak" (2001), p.53, p.55
(2) [web page]
Charles C. Jones 氏講義録 "Sedimentology and Stratigraphy"
at Department of Geology and Planetary Science, University of Pittsburgh
(3) [web page]
John J. Thomas 氏講義録 "Physical Geology, Fall 2001"
at Department of Geology, Skidmore College
oolite
魚卵状石灰岩。バハマ堆 (the Bahama Banks) など、潮流で水が行ったり
来たりするような場所で作られる。核となる鉱物や生物遺骸の砕屑片の上に、
同心球状のラミナをもつ殻が発達する。
英語の発音は「ウーライト」ではなく、2つの o は分けて、
「オウアライト」のようにすることに注意。しかし、日本の地学辞典には
「ウーライト」という見出しで書いてある。誰かが間違えて発音したのが
定着してしまったのだろうか?
情報源
(1) [本]
Kenneth S. Deffeyes "Hubbert's Peak" (2001), p.57
(2) [本]
地学団体研究会「新版 地学辞典」(平凡社) (1996)