基本的には、中低緯度の4点の観測所の磁場の水平成分の1時間ごとの 平均値である。それで赤道周りの ring current を表そうという指標である。 ただし、実際の計算は単純に平均を取るわけではない。まず、元の観測値から 静穏時の磁場変化(日変化、永年変化)を引き去らないといけない。 静穏時の磁場変化も磁気嵐の時の変化に匹敵するくらい大きいので、 引いておくことが必要である。静穏時の磁場変化を決めるのには いろいろ問題もあるのだが、それなりのやり方が工夫されている。 その後で、磁気緯度の cosine で割ってから、平均をする。 磁気緯度の cosine で割るということは、変動磁場は磁気軸方向を向いていて それを観測点の接平面に射影したものが観測される水平成分だと解釈することに 相当する。
Dst の起源の大部分は、赤道上空の ring current である。それ以外に 磁気圏界面付近の影響(太陽風による動圧を表し、とくに磁気嵐の 開始フェーズで重要)、磁気圏尾部からの影響もある。
column 意味 ------- ------- 1-3 DST これが Dst index であるということを示す 4-7 年と月 8 * 9-10 日 11-16 空白 17-20 baseline 関係ない 21-116 24 個の hourly values 117-120 daily mean
[講演] 姚尭(名大 STE 研 DC) 「磁気嵐時の赤道環電流」 at SELIS 横断セミナー第71回 (2007/02/06) 名古屋大学環境総合館3階講義室2
[講演] 吉田明夫(総合研究大学院大学) 「地磁気擾乱と太陽活動変化と気候変化」 at SELIS 横断セミナー第52回 (2006/03/12) 名古屋大学環境総合館1階レクチャーホール
[論文] 伊藤公紀 (2015) 見えてきた気候変動要因の本当の姿―太陽風の気候影響を例として―, 現代化学 2015 年 1 月号 (Vol.526), 28-31.
[web page] 用語の説明 in 気象庁地磁気観測所
[web page] Indices at SPENVIS
[web page] Geomagnetic Data at NOAA/NGDC