TAG (Trans-Atlantic Geotraverse) field
MAR (the Mid-Atlantic Ridge) を代表する熱水噴出地帯。
slow-spreading の海嶺でも熱水が出るということを示している。
大きな mound ができているのが特徴。
[論文1] は black smoker を発見したという論文。
TAG mound の位置と大きさ
TAG mound は MAR の北緯 26°08′のあたりにある。
offset の小さい (< 10km) の右横ずれトランスフォーム断層で区切られた
長さ 10 km のセグメントの中にある。rift valley の東側の壁のところにある。
水深は 3620-3700 m である。
場所の特徴としては
(1) 近くに海嶺軸の高まりや rift valley の東壁が突き出ていて rift valley が
狭まっているところがあり、熱源が貫入していることをうかがわせる
(2) mound の楕円の長軸と海嶺軸がだいたい平行であることから、
断層と関連していると想像される
のようなものがある。
([論文1])
TAG mound は、2つの mound が鏡餅のように重なった形をしている。
内側の mound は、水深 3620-3675 m のところにあり、250×220m の大きさである。
外側の mound は、水深 3675-3700 m のところにあり、長軸の長さは 580m である。
([論文1])
TAG mound を構成する鉱物
代表的鉱物は、pyrite (FeS2), chalcopyrite (CuFeS2),
sphalerite (ZnS), anhydrite (CaSO4)
([論文1])
TAG mound の black smokers
内側の mound を中心に 10 個以上の black smokers がある。
chimney というよりは、割れ目から噴出している。ということは、
それぞれの噴出口はまだ若いのであろう。
([論文1])
TAG mound の生物相
内側と外側の mound の境界より内側には、半透明のイソギンチャクがたくさんいる。
ハオリムシのようなものもいるが、それほど多くはない。black smokers の
周辺にはエビがいっぱいいる。そのまわりには、カニや魚も見られた。しかし、
貝はあまりいない。
([論文1])
TAG mound の近所の熱水地域
mound の北東 2km くらいのところに死んだチムニー群が2カ所で見つかった。
([論文1])
情報源
[論文1] P.A. Rona, G. Klinkhammer, T.A. Nelsen, J.H. Trefry,
H. Elderfield (1986)
Black smokers, massive sulphides and vent biota at the Mid-Atlantic Ridge,
Nature, 321, 33-37.