系外惑星

last update: 2016/09/01

有名な系外惑星

16Bb Cygni (白鳥座)
16B Cyg のまわりのかなりひしゃげた楕円軌道を回っている巨大ガス惑星。
51 Pegasi (ペガサス座) b
1995 年にミシェル・マイヨールとディディエ・ケローにより初めて発見された系外惑星。公転周期 4.2 日、軌道半径 0.05AU。hot Jupiter。
55 Cancri (かに座) b--f
5 個もの惑星 (b--f) が見つかっており、その一つ e は重さが地球の 8 倍のスーパーアースである。 [Wikipedia -- かに座 55 番星 e]
55 Cancri は太陽系から 40 光年のところにあり、e の公転周期は 18 時間で、自転と同期している。 この系外惑星は 2004 年に発見され、2011 年に transit 観測でスーパーアースであることがわかった。
Spitzer 宇宙望遠鏡の赤外線カメラを用いた惑星表面の温度測定によれば、昼側は 2700 K、夜側は 1400 K であることがわかった。こんなに温度差があるからには大気はない。しかも、最高温度の点が昼側中心からずれていることから、溶岩が出ていると見られる。マグマ・オーシャンがあるかもしれない。 [Demory et al. (2016) Nature, 532, 207-209, doi:10.1038/nature17169]
υ Andromedae(アンドロメダ座)b--d
b が hot Jupiter、c,d は eccentric Jupiters。
μ Arae (さいだん座) d
地球の 11 倍(見つかったときは 14 倍とされた)の質量で、岩石で出来た可能性がある。中心星は太陽型。
τ Ceti (くじら座) b--f
b は地球質量の倍程度で、2014 年時点では、ドップラー法で求められた質量としては最も軽い部類になる。
ε Eridani(エリダヌス座)b
ε Eridani は、太陽系から 10.5 光年という近いところにあるので、SETI の対象として注目されていた。 2000 年に惑星が発見された。質量は 0.86 MJ で、軌道長半径が 3.4 AU、軌道離心率が 0.7 の eccentric Jupiter。
β Pictoris (がか座)
周惑星円盤が観測されているとともに、直接撮像で惑星 b が見つかっている。
Proxima Centauri(ケンタウルス座)b
ケンタウルス座α星は太陽に最も近い恒星 (4.2 光年) で三重連星である。その第2伴星が Proxima Centauri である。赤色巨星で、2016 年、地球質量の 1.3 倍の惑星があると発表された。中心星の近く (0.05 AU) を回っているが、中心星が暗いのでハビタブルゾーンにあると見られる。
HD 17156 b
すばる望遠鏡で佐藤文衛が2番目に見つけた系外惑星。 ホットジュピターでかつ食を起こしていた。
HD 40307
2008 年、スイス・チームが、地球質量の 4.2, 6.9, 9.2 倍の 3 つの惑星を発見した。
HD 70642
6 年周期でほぼ円軌道を回る巨大なガス惑星がある(発見されたときは、それまでで一番木星に似ている)。
HD 104985
日本初の系外惑星発見 (2003 年 10 月)。G 型巨星のまわりの惑星としては世界初。
HD 149026 b
すばる望遠鏡で初めて発見された系外惑星(2005 年、佐藤文衛による)で、 ホットジュピターでかつ食を起こしていた。 巨大惑星だが、密度が異常に高い。70% くらいが岩石か氷でなければならない。
HD 209458 b
恒星の前面を通過したことが初めて観測された巨大惑星。1999 年の暮れ、当時大学院生だったデビッド・シャルボノーらが発見した。連続光よりも水素線で見た惑星半径が大きく、惑星大気が散逸していることによると解釈されている。
HR 8799 b--e
2008 年に b--d が直接撮像された。b, c のスペクトルから一酸化炭素や水素が発見されている。 質量はどれも木星の 10 倍程度で、15--68 天文単位のところをほぼ円軌道で回っている。
Gliese 436b (GJ 436, Gliese-Jahreiss 436)
地球の 21 倍の質量の惑星(ホット・ネプチューン)。公転周期 2.6 日。2004 年、カリフォルニア・チームが発見。2007 年、スイス・チームが地上からトランジット法で観測した。 中心星は M 型星(赤色矮星)。
GJ 504 b
木星型の巨大惑星で、2013 年、すばる望遠鏡によって直接撮像された
Gliese 581
中心星は M 型星。5 つ惑星が発見されており、このうち 2 つ (c,d) が habitable zone にあると考えられる。 ocean planet だという想像もある。b は地球質量の 16 倍、c は 5 倍、d は 8 倍、e は地球質量の 1.9 倍。 b--e は、スイス・チームが 2005 年から 2009 年にかけて発見した。 2010 年、カリフォルニア・チームが habitable zone 内に g を発見したとしていたが、現在では観測の誤りだったとされる。
GJ 758 b
2009 年に、田村元秀らがすばる望遠鏡を使って直接撮像に成功した。軌道半径は 30 AU で、木星質量の 10 倍。
Gliese 876 b--d
赤色矮星。3つの惑星 b,c,d が見つかっており、b, c は巨大ガス惑星で 2:1 の平均軌道運動共鳴の関係にある。b は 2MJ で、c は 0.7MJ。 c の軌道離心率は 0.26 と大きい。 d は、7.5 地球質量で、周期は 2 日。これはミニガス惑星だと考えられている。
GJ 1214 b
地球質量の 6 倍のスーパーアース。2009 年、デビッド・シャルボノーが地上からのトランジット観測を成功させた。中心星は M 型星。 大気には分子の特徴が見られず、靄がかかっているか、大量の水蒸気で覆われている。 [Kreidberg et al. (2014) Nature, 505, 69 では、雲とか靄がかかっているとしている]
Kepler 10b
ケプラーが最初に発見した岩石惑星。ナタリー・バタラ Natalie Batalha らによる。公転周期が 20 時間。
Kepler 11
惑星が 6 個もある。一つはガス惑星、残りの5個はネプチューンかスーパーアース。
Kepler Input Catalog (KIC) 12644769, Kepler 16
トランジットでは初めて発見された周連星惑星。惑星は Kepler 16b と呼ばれる。
[Doyle et al. (2011) Science, 333, 1602-1606, doi:10.1126/science.1210923]
Kepler 16b, 34b, 35b, 38b, 47, 64b
いずれも周連星惑星。
Kepler 42
主星の質量は太陽の 20 % 以下。3つの惑星は、公転周期が2日以下で、質量は地球以下、という小さな惑星系である。
Kepler 186f
地球サイズの惑星でハビタブルゾーンに初めて見つかったもの。主星は、半径が太陽の約半分、表面温度が 3790 K、鉄の存在度が太陽の約半分。 この惑星系には 5 つ惑星があって (Kepler-186b〜f)、一番外側の Kepler-186f 惑星が、半径が 1.11 地球半径、公転周期が 130 日で、ハビタブルゾーンにある。
Kepler 438b
半径が地球の 1.1 倍の惑星。太陽より暗い主星の周りを 35 日周期で回っており、ハビタブルゾーンにあると考えられている。
Kepler 452b
直径は地球の 1.6 倍で、公転周期は 385 日。2015 年 7 月時点で、地球に最も似ている系外惑星ということになった。
[Gigazine ニュース]
CoRoT-7b
密度が地球に近い岩石惑星。直径が地球の2倍弱、質量が地球の5倍のスーパーアース。2009 年発見。
Wolf 1061c
2015 年 12 月、地球から 14 光年の M 型赤色矮星 Wolf 1061 の惑星として見つかった。 ハビタブルゾーンにあるスーパーアース(質量は地球の約 4 倍)。 地球に最も近いハビタブル惑星としてニュースになった。

情報源


系外惑星探索のバイアス

系外惑星探索には観測上の制約でいくつかのバイアスがかかる。 そのうちのひとつは、G 型や K 型星が多くなるということがある。 それは、単に太陽に似ているからということだけではなくて、 より重い(明るい)側の星は主星の明るさの変動が激しくて、 ドップラーシフトのような微妙な観測ができないせいである。

情報源

[会話] with 渡邊誠一郎氏 (名古屋大学理学部地球惑星科学科) (2005/03/01)