巨大地震
last update: 2005/02/28
Sumatra-Andaman 地震 (2004)
発生時刻
2004/12/26 00:58:47 GMT
magnitude
- Mw = 9.0 [EIC 地震学ノート No.161+]
- Mw = 9.0 [Harvard CMT]
- Mw = 9.3 [Stein and Okal ; 自由振動振幅による]
(Stein and Okal によれば、Mw = 9.0 というのは、
震源域の南側 1/3 の速くすべった部分によるもの。北側も合わせた
全体としては Mw = 9.3 が正しい。)
- 300-500 s くらいの表面波で見ると Mw = 9.0 くらいだが、
自由振動の 0S2 から見ると、
Mw = 9.3 になる。
さらに、自由振動を励起しないくらいゆっくり滑った部分もありそうなので、
それも合わせるともっと大きいかもしれない。
[太田 = Science 特集]
slip, fault Area など
- slip = 11 m [Stein and Okal]
- seismic moment = 1×1023 N m (Mw = 9.3 より),
fault area = 2×105 km2, 平均 slip = 12 m
詳しく言えば、slip は北のセグメントで 14 m, 南のセグメントで 4-11 m
(2 点のGPS 変位と seismic moment を合わせるように作ったモデル)
ただし shear modulus = 4×1010 Pa とした
[Khan and Gudmundsson]
- 大きく3つくらいのセグメントに分かれる。北ほどゆっくり滑っている。
セグメント |
高速すべり成分(100-500s) Mo=6.5×1022Nm |
低速すべり成分(500-3500s) Mo=3×1022Nm |
ゆっくりすべり成分(津波・測地) |
Andaman segment (570 km) |
<2m | 5m くらい |
10m くらい (津波も発生しないくらいゆっくり) |
Nicobar segment (325 km) |
5m くらい | 5m くらい | 大津波を発生させている |
Sumatra segment (420 km) |
5-20m | ? | ? |
[太田 = Science 特集]
破壊継続時間
- 少なくとも 400 s [八木講演:P 波の継続時間]
- 400 s 程度 [Park et al:P 波の継続時間]。ただし、これは
スコットランドの記録で破壊が進む方向で見ているものなので、
これよりは長そう。
- 360 s [Park et al:表面波]
- 400-450 s [Park et al:0S0 の位相]
- 短周期の実体波では 500 s 以上。さらに、北側のニコバル・アンダマン諸島
地域では、津波を励起しないが GPS 変位は相当あるという程度の
「ゆっくりすべり」を起こしているようで、そのことから考えると、
その「ゆっくりすべり」の継続時間は 1 時間以上。[太田 = Science 特集]
この長さは、いわゆる「ゆっくりすべり」を除いて、地震らしい地震の中では
今までの最高記録(Cf. アラスカ地震 Mw = 9.2 は 210 s)
情報源
[講演] 八木勇治(建築研究所国際地震工学センター)
「地震波形から見た最近発生した地震の震源像」
at 特別セミナー (2005/02/22)
名古屋大学環境総合館4階災害対策室ホール
[seminar] 太田雄策(名大 D1)
朝の論文紹介セミナー:紹介した論文は、Lay et al. "The Great Sumatra-Andaman
Earthquake of 26 December 2004", Science, 1127-1133 (20 May 2005) を
中心とした特集号論文 (2005/06/13)
名古屋大学理学部 E 館 E141
[web page] 山中佳子 (28 Jan 2005)
EIC 地震学ノート No.161+
[web page] Seth Stein and Emile A. Okal
Long period moment of 2004 Sumatra earthquake
[科学記事]
Park et al. "Global Seismographic Network Records the Great
Sumatra-Andaman Earthquake", EOS, vol.86, No.6, 57,60,61 (8 Feb 2005).
[科学記事]
Khan and Gudmundsson "GPS Analyses of the Sumatra-Andaman Earthquake",
EOS, vol.86, No.9, 89,94 (1 Mar 2005).