津波地震

last update: 2007/03/30
地震動に比べて大きな津波を発生する地震を「津波地震」と呼ぶ。 震源が比較的浅く、断層の動きがゆっくりしていたと考えられる。 以下、例を挙げる。

慶長地震 (1605)

発生日:慶長 9 年 12 月 16 日(1605 年 2 月 3 日)

南海トラフ沿いの地震なのだが、以下の意味で例外的。 沿岸部では揺れの記録はあるものの、京都では揺れていない (揺れたならば、記録が残っていそうな文書に記録がなされていない)。 沿岸部では数 m から十数 m の高さの津波の記録が残っている。 海溝軸付近のごく浅い部分だけが動いたのかもしれない(安藤説)。

情報源

[講演] 安藤雅孝(名古屋大学地震火山・防災研究センター) 「南海トラフ巨大地震の残された謎」 at 名古屋大学防災アカデミー (2006/12/21) 名古屋大学環境総合館1階レクチャーホール

明治三陸地震 (1896)

発生日:明治 29 年(1896 年) 6 月 15 日(旧暦 5 月 5 日)

揺れが震度 2-3 程度の小さなものであったにもかかわらず、 極めて大きな津波が発生した。このため 2 万 2 千人もの死者を出した。 日本海溝の海溝軸付近の浅部が広い範囲ですべったとされている。

情報源

[講演] 安藤雅孝(名古屋大学地震火山・防災研究センター) 「南海トラフ巨大地震の残された謎」 at 名古屋大学防災アカデミー (2006/12/21) 名古屋大学環境総合館1階レクチャーホール

[雑誌記事] 山下文男(作家) 「これからの津波防災を考える」近代消防 2006 年 2 月号, pp.33-38.

Java 沖地震 (2006)

発生日:2006 年 7 月 17 日

揺れが小さかったにもかからわず、大きな津波が発生した。 海溝軸付近の浅部で断層がすべった。rupture velocity は 1.0-1.5 km/s 程度で非常にゆっくりしていた。

情報源

[講演] 安藤雅孝(名古屋大学地震火山・防災研究センター) 「南海トラフ巨大地震の残された謎」 at 名古屋大学防災アカデミー (2006/12/21) 名古屋大学環境総合館1階レクチャーホール

[科学記事] Charles J. Ammon, Hiroo Kanamori, Thorne Lay, Aaron A. Velasco (2006) "The 17 July 2006 Java tsunami earthquake", Geophys. Res. Lett., 33, L24308, doi:10.1029/2006GL028005