こういう問題は、昔は哲学者が考えたのだけれど、哲学者が考えることには 落とし穴がある。それは、考えることのかなりの部分が意識に上らないところで 行われるため、ついつい考え落とされることが多いということだ。 脳に障害を受けると、そういう無意識的に考えていることができなくなることがある。 そうなってはじめて、脳にはそういう機能があったのだということに気付く。 それが脳機能障害から脳の働きを考えるということである。
全体としては、わかりやすくて面白い。3日くらいで読了した。 ただし、多少の不満は、「わかる」ことの整理のされ方が系統的 でないように思える点だ。ある部分は専門の脳損傷からの知見があったり、 ある部分は日常の処世訓的なものがあったりする。とはいえ、 これ以上を望むのは現在の脳科学では無理なのかもしれない。 いずれにせよ、「わかる」とは何かを考えるのには非常に良い本であると思う。
ノートを取りながら読んだ。 サマリーを書いてある。