泥棒国家の完成
The Iron Kleptocracy : The Sun Never Rises Again

Benjamin Fulford 著
光文社ペーパーバックス 032、光文社
刊行:2004/03/30
名古屋星ヶ丘のヤマダ電機星ヶ丘店で購入
読了日:2004/06/28

Fulford の日本没落シリーズの第3弾。第1弾は 「日本がアルゼンチンタンゴを踊る日」 で既に読んだ。第2弾は「ヤクザ・リセッション」でまだ読んでいない。 すべて書いてあることは基本的に同じで、(1) 日本の不況は政治的なもので、 ヤクザやら政治家やらに金が流れることが原因であり、(2) 小泉改革は 見せかけで、その「政・官・業・ヤクザ」体制を強化するものであるという ことである。この第3弾では、題名が表している通り、小泉似非改革により 泥棒が国家の富を吸収する「泥棒国家」が完成した、ということが主題になっている。

最後の Appendix の講演録がひとつのまとめのようになっているので、 それを見て行きつつ感想を記して行こう。

現在の参院選前の世論調査では、まだ上記のようなことに気がつかない人が 多いらしく、相変わらず小泉首相がそこそこの支持を得ている。 アルゼンチンになる前にどのようにして身を守ることができるのだろうか?

この本では、国立大学の独立行政法人化について述べている箇所もある。 それをまとめると以下の通り。「これは改革に見せかけているが、 実際は文部科学官僚の天下り先を作っているだけである。 その天下り先での給料は、授業料の値上げでまかなわれる。 天下り役人による裏口入学が出てくる可能性もある。」 大学の中にいる人間としては、少なくともこの最後の可能性だけは 阻止せねばならない。