最後は自然主義に行き着くところが私のような理系の人間にはしっくりくる。 帰納法はどうやって擁護できるかというと、「われわれの宇宙は帰納が うまくいくようにできているから」。そういえば、つい最近読んだ ウィトゲンシュタインの解説書 によると、ウィトゲンシュタインが「なぜ、自然数を 1,2,3,...,1000,1002,1004,... と数えないのか?」という「数列問題」に与えた解も「人間は そうするのが自然であるようにできているから」に近いものだった。
この調子でさらに自然主義を押し進めると、この本に載っている他の問題も 解決できそうな気がする。たとえば、「科学的説明とは何か?」の答えは 「人間の脳にとって分かりやすい問題の整理の仕方」ではないだろうか。