名探偵コナン 49~51 巻

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2019/10/08--10/27(公式アプリ)
入手名探偵コナン公式アプリ
読了2019/10/27

スマホアプリ「名探偵コナン」で毎日一話ずつ無料で読める漫画のメモの続き。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項トリック
49もう戻れない二人8 戻れない二人、9 密閉された車、10 偽りの愛情
  • 本堂瑛祐:水無怜奈に似た高校生
  • 三角(みすみ)篤:探偵の依頼人
  • 安実(あみ):三角の彼女
水無怜奈に似た高校生の本堂瑛祐が毛利探偵事務所にやってくる。瑛祐はドジな男で、眠りの小五郎を見たいと言う。

すると、三角篤という男が探偵事務所にやってきて、いなくなった彼女(安実)を探して欲しいと言う。 三角の「もう戻れないんだよ!出会った頃のようには!!」という言葉をヒントにして、小五郎、蘭、コナン、瑛祐、三角は、 二人が出会った群馬のスキー場に行く。すると、安実が三角の車の中で一酸化炭素中毒で死んでいた。 車内に七輪があったことと、ガムテープで内側から密閉されていたことから、自殺と見られた。

しかし、安実は自殺ではなく、三角が殺していたのだった。三角は、安実を睡眠薬で眠らせて、車を内側からガムテープで目張りした。 助手席側だけはカッターで切り、その切れ目が隠れるように上から軽くガムテープを貼っていたのだった。そして練炭を焚いて外に出た。 遺体を出すときに、上から軽く貼ったガムテープをカッターで切って、あたかも密室だったかのように見せかけていたのだった。 動機は、貢いでいた彼女に振られたことだった。
密室殺人、車内を密室に見せかける方法
50本庁の刑事恋物語71 緊迫のコンパ、2 秘密の家庭訪問、3 つまんない試合、4 大当たり!
  • 江本将史:スポーツジムトレーナー
  • 江本彩:将史の姉。イラストレーター
  • 江本浩太:将史と彩のいとこ。5歳。彩と将史が1ヶ月間預かっている。
  • 六田卓児:ミュージシャン。将史の幼馴染
  • 引屋門成:モデラー。将史の高校の後輩
  • 佐塚良兼:紙幣コレクター。将史のスポーツジムの常連
小五郎、蘭、コナンが Cafe Sunday にやってくる。すると、千葉刑事と高木刑事が合コンに来ていた。 千葉は中学時代の友人の江本将史に誘われ、高木は数合わせだった。女性陣には由美と佐藤がいた。 合コンを企画した江本将史・彩の姉弟の話から、預かっている従兄弟の浩太君の身辺に怪しい男がいることがわかった。 そこで、小五郎、蘭、コナン、佐藤、高木は、念のため江本将史・彩のマンションに行ってみる。 すると、浩太君が誘拐されていた。二週間前に浩太君がその怪しい男の家に行ったときに、留守電から江本将史の声がしていたことから、 容疑者は将史の友人の3人(六田、引屋、佐塚)に絞られる。そこで、将史、佐藤、高木、コナンはその3人の家に行ってみる。 しかし、どの家にも浩太君はいなかった。

突然浩太君が江本のマンションに帰ってきた。皆が、いろいろな事実から、犯人は六田だと推理したのだが、 将史がしきりに彼のかばいだてをする。将史は、六田が犯人だと気付いていただが、浩太君を帰してきたので許そうとしていたのだった。 高木は一足先にそのことに気付いて、皆の知らぬ間に六田のマンションに急行し、自殺しようとしていた六田を助けた。

誘拐犯を特定した証拠の一つは、浩太君が二週間前に誘拐犯の家に行ったときにテレビで流れていた野球の試合が「つまらない試合」だった という証言である。犯人が六田だとすると、江本将史が電話をかけた時間帯にやっていた野球の可能性としては、 春の選抜高校野球とメジャーリーグナイスゲームセレクションの2つがあった。高校野球の方は大熱戦だったからつまらないはずはない。 ところが、セレクションの方は完全試合で、ずっと打ち取られる場面ばかりだったので、浩太君にはつまらなかったのだ。 そういうわけで、「つまらない試合」ということも犯人が六田であることを示していた。
誘拐、手がかりの意味の推理
50探偵団に注目取材5 ワクワク取材、6 真犯人の伝言、7 ザ・少年探偵団
  • 杉森政人:フリーライター
  • 蓬田晴華:フリーター
  • 桧垣敏則:ガソリンスタンド店員
  • 稲葉敦史:興栄館の編集者
ライターの杉森が、少年探偵団の取材をしたいと小林先生のところにやってくる。

2日後、取材のため、少年探偵団と小林先生が杉森のアパートにやってくると、杉森が部屋の中で死んでいた。 留守電には、蓬田、桧垣、稲葉、小林先生のメッセージが入っており、それが犯人のアリバイ工作と見られることから、 犯人の候補者はこの4人になった。

コナンは犯人を推理し、小林先生を不審がらせないように、少年探偵団のみんなに分担して推理を言わせる。 犯人は、推理通り、稲葉だった。1年前の編集長との会話を録音しておいたものを留守電に入れて、アリバイ工作に使っていたのだった。 動機は、杉森と稲葉の二人で追っていた事件の記事を、杉森が勝手に他社の雑誌に発表してしまったことだった。
アリバイ偽装
50,51平次の思い出/服部平次vs工藤新一 ゲレンデの推理対決!8 平次の思い出、9 雪女の計、10 謎のリフト、11 雪女の銀衣伝説、12 吹雪の中の復讐
  • 箕輪奨平:俳優、撮影中の映画では探偵役
  • 水上二朗:以前亡くなったスタントマン
  • 大山守蔵:映画監督
  • 三俣耕介:スタントマン
  • 立石雫:特殊メイク
  • 片品陸人:探偵。水上の死に不審を抱いている
概要は「新一・平次特集」参照。 そこではタイトルは「平次の思い出」になっていたが、「服部平次vs工藤新一 ゲレンデの推理対決!」がテレビ放送のときの題名だったようである。 少年サンデーの web pageでは前者が、 読売テレビの web pageでは後者が使われている。

ここでは、この話にでてくる雪女伝説についてまとめる。
  • ネット検索すると、雪女伝説にはさまざまのものがあるようである(たとえば、「Wikipedia 雪女」)。
  • この話には「雪女の銀衣伝説」というものが出てくる。 ストーリの概略は以下の通り。「雪女が銀色の衣と引き換えに男の心臓を奪う。見つかった男の風呂敷には雪が詰まっている。」 この物語がどこかの本物の伝承なのか、トリックを暗示するために作者が作ったものかは不明。 この話の舞台設定は山形県のスキー場なので、本物なら山形のどこかの伝承のはず。
  • さらに工藤優作は「雪女の銀衣伝説」の別バージョンも紹介している。茂吉が美しい女性が歩けなくなっているのを見て、 籠の中に入れて背負う。女は雪女で、男が疲れ果てたら魂を食らおうとしていた。ところが、茂吉が優しい言葉をかけ続けて励ますので、 雪女は雪に変じたというもの。これも創作かどうか不明。
  • 新一は、小泉八雲の雪女 に言及しているが、これは上とは別の物語である。巳之吉(or 箕吉、箕吉)という少年が雪女に会うが、彼が美少年だったので、 彼を殺すことはせずに自分のことを誰にも言うなと言い残して、去る。その後、巳之吉はお雪という美しい女と結婚して、子供をもうける。 ある夜、巳之吉はお雪にかつて見た雪女のことを洩らしてしまう。お雪は、子供がいなければあなたを殺すところだったと言って去っていった。
  • 牧野陽子「「雪女」の"伝承"をめぐって:口碑と文学作品」によれば、 小泉八雲の雪女がどれほど元になった伝承から翻案されているものかは分かっていないようである。 さらには、雪女伝承とされるものでも、実は小泉八雲の方がその元であるということもあるようである。 このように、何が元でどのように変容していったかをたどるのは結構難しそうである。
雪女伝説のアナロジーとしての利用
51お魚メールの追跡2 おさかな事件、3 3匹の魚
  • 長部満:5歳の男の子。喫茶ポアロのお得意さんの子供
  • 満君の父親
  • 満君の母親
喫茶ポアロの梓のところに満君から4通のメールが届いたという。その4通目には「ぼくもおさかなさんみたいに/あみにかかって/しんじゃうのかなあ」 と書いてあった。梓は心配になって、小五郎、蘭、コナンに相談した。ほかのメールの内容から、コナンは、満君はお父さんと一緒に釣りに行ったが、 何かの理由でお父さんがいなくなって一人で車の中にいると推測した。どこに釣りに行ったのかわからずに考えている間に5通目のメールが来た。 文面は「お魚さん1匹だと思ったら3匹だったよ/いいなお魚さん」だった。そこからコナンはそれが鯉のぼりを表すと推理し、満君がいるのは 桔前崎(こまえざき)だと考えた。小五郎、蘭、コナン、梓はそこに急行し、満君を発見する。 すると、満君のお父さんがやってきた。喧嘩に巻き込まれて病院で手当てを受けていたのだった。お母さんもやってきた。 結核で入院していたのが、退院したところだった。 子供のメッセージ解読
51ため息潮干狩り4 ため息潮干狩り、5 ペットボトルの怪、6 混入トリック
  • 牛込嗣夫:大学生。「愛好貝」メンバー。
  • 八島光枝:大学生。「愛好貝」メンバー。
  • 三瀬隆:大学生。「愛好貝」メンバー。
  • 久津梢子:大学生。「愛好貝」メンバー。
阿笠博士と少年探偵団が潮干狩りに来ている。すると、ため息をつきながら潮干狩りをしている大学生の牛込がいる。 すると、貝好きのサークル「愛好貝」の仲間の大学生3人が昼ごはんを買ってくる。 阿笠が「轢き逃げ」という言葉を口にした途端、4人の顔色が変わる。

帰る段になって、牛込が貝を車に運ぶ。他の3人は片づけをしてから車のほうに行く。 4人が熊手を忘れていったことにコナンが気付き、駐車場に届けに行く。駐車場に行って見ると、牛込が車の中で死んでいた。 青酸系毒物による中毒死だった。コナンは、牛込の緑茶のペットボトルの口には血が付いているが、ふたにはあまり付いていないことに着目した。 コナンは「愛好貝」の大学生たちの出したゴミを調べる。血の付いているペットボトルのふたはゴミの中にはなかったが、砂浜に埋めてあった。

犯人は久津だった。牛込のペットボトルの上に菓子の袋を置いて、毒物の付いたふたにすり替えたのだった。 牛込がパーカーのポケットに緑茶を横にして入れているときに、毒物が緑茶に混ざったのだった。 動機は、前の週に起きた轢き逃げ事件で牛込が自首しようとしていたのを阻止するためだった。
ペットボトルの蓋のすり替え