名探偵コナン 羽田秀吉特集

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2019/11/27--12/12(公式アプリ)
入手名探偵コナン公式アプリ
読了2019/12/12

スマホアプリ「名探偵コナン」で毎日一話ずつ「羽田秀吉」特集を出していた。 以下、それらのメモ。

将棋の名手羽田秀吉が出てくるエピソードの特集。「緋色のブログ」というサイトでは、羽田秀吉の登場回がまとめられている。過去 10 回余りの登場エピソードのうち、ここでは 5 エピソードが特集されている。 初登場は 80 巻と比較的遅い。兄弟である赤井秀一の初登場は 29 巻、 世良真純の初登場は 73 巻である。「緋色のブログ」によると 羽田秀吉というキャラクターが生まれたきっかけは、宮本由美の声優に「彼氏とかいないの?」と聞かれたことだという。 長期連載の間に、いろいろなきっかけで新しいキャラクターが次々に生まれてくるということらしい。

羽田秀吉のモデルは、羽生善治だと考えられる。七冠王になっているし、寝癖がトレードマークのようだから。もちろん名前の3/4は羽柴秀吉から取っているわけだが。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項羽田秀吉についてわかってくること
80現場の隣人は元カレ8 7つ揃うまで、9 用意した一着、10 太閤の手筋
  • 米原桜子:伊丹家に通いの家政婦で来ている。
  • 伊丹永信:マンションの住人
  • 伊丹知代子:永信の妻。死んでいた。
  • 伊丹靖家:永信の息子。

宮本由美と三池苗子が交通パトロールをしていると、少年探偵団に話しかけられる。 すると、シャトー米花マンションで人が死んでいるという電話が苗子にかかってくる。友達の桜子からだった。

由美、苗子、少年探偵団が現場に駆けつけると、桜子が家政婦に来ている伊丹家で奥さん(知代子)が死んでいた。 永信と桜子が買い物に出て、帰ってきて少しお茶にしてから寝室を覗いたら、首を吊って死んでいたという。 一見自殺に見えたが、コナンは不審な点を見つける。

マンションの隣人も鍵のありかを知っている可能性があるということで行ってみると、羽田秀吉がいた。 彼も容疑者ということで部屋に呼ばれた。靖家も帰ってきて容疑者ということになった。

結局、犯人は永信だった。彼は、買い物の途中で帰宅して妻を殺していたのだった。 遺書は4年前に飛行機が危うく墜落しそうになった時に知代子が書いたものを使い回したのだった。 動機は、知代子が株にハマっているのを永信が注意した時に、喧嘩になって灰皿を投げ付けられたことだった。

羽田秀吉の初登場回。

羽田秀吉は、交通課の宮本由美警部補の(元)カレ氏。記憶力も推理力も高い。シャトー米花マンション18階に住んでいる。

羽田秀吉は、実はトップクラスの将棋棋士で、四冠を達成している。名前にちなんで太閤名人と呼ばれている。

85太閤恋する名人戦 6 封じ手、7 王手、8 禁じ手、9 妙手
  • 勝又力(かつまた ちから):将棋の名人タイトル保持者
  • 谷森:将棋棋士

羽田秀吉が、山梨県時和ホテルで名人戦のタイトル戦七番勝負の最終局を戦っていると、謎の人物からの手紙が来る。 宮本由美を誘拐しているらしく、それを助けるためのヒントが手紙に書かれているようだった。

第一のヒントは神社の井戸に関するものだった。そこで、長考を宣言した上で、タクシーで東京に行って、 ヒントが指していると考えられる明治神宮に来てみたところ、たまたま阿笠博士と少年探偵団に会う。 ヒントにある井戸と考えられる「清正の井戸」に行ってみると、香車の駒に第二のヒントが書かれていた。

駒の裏には、七と三の文字と幾何学図形が描かれていた。コナンと羽田は、それを福島正則の墓のことだと推理する。 そこへ行ってみると、第三のヒントとして、駒が奇妙な配置に固定された将棋盤があった。コナンは、それが「傲慢(プライド)」 を示していると推理して、由美はホテル杯戸プライドにいると考える。

犯人の動機は、一行が福島正則の墓に着く直前で読者に明かされる。犯人は、羽田と将棋を指したことのある相手。その将棋のとき、 彼は妻が入院していて、心が平静ではなかった。ある決定的な場面で、羽田の駒音を聞いて、羽田が指したものと勘違いし、 二手指しをしてしまった。そのときは反則負けの上、妻の死に目にも会えず、羽田を逆恨みしていた。

ホテル杯戸プライドに行ってみると、果たして棋士の谷森がいて、十年前の対局の続きを羽田に挑んできた。 続きを指した結果、反則がなくても谷森の負けであることがわかった。そして、そのときの失礼に見えた羽田の振る舞いも、 谷森に早く病院に行ってもらおうという気遣いだったとわかった。

助け出された由美は、苗子とともにミニパトで猛スピードで羽田を時和ホテルに送る。何とか間に合った羽田は七冠を達成する。 由美は、最後まで羽田が将棋棋士だと気付かない。

この時点で羽田秀吉は将棋六冠王で、七冠目になる名人位挑戦中。相手は、勝又力名人。ストーリーの最後に七冠達成。

88死ぬほど美味いラーメン2 2 ラーメン屋の変な客、3 ホースを回す犯人!?、4 使いすぎた調味料
  • 小倉功雅:「ラーメン小倉」店主
  • 大橋彩代(さよ):「ラーメン小倉」アルバイト
  • 荘野由奈:ホステス、被害者の元同僚
  • 水科宗輔:フリーター、被害者の家の前のコンビニでアルバイトしていた
  • 仲西修:会社員、被害者の店の常連
  • 頓田温子(とんだ あつこ):ホステス、被害者

学校帰り、世良、蘭、園子の女子高生トリオは、コナンをつれて「死ぬほどヤバイ ラーメン小倉」にラーメンを食べに来る。 すると、荘野、水科、仲西という変な客が来ている。荘野は酢を、水科は醤油を、仲西はコショウを大量に使っている。 3人は近くで起きた強盗殺人事件の容疑者らしい。事件が起きたとき、宮本由美と三池苗子が犯人を追い込んで、おそらく犯人は このラーメン屋に入ったはずで、そこにいた客がその3人とのこと。苗子は、犯人を最初に見たとき、ホースを振り回していたという。

事件のとき、ラーメン屋に羽田秀吉が来ていて、由美が犯人を追いかけているとき、ラーメン屋から出てきたところだったという。 由美が羽田に電話してみると、犯人は走るたびにカチッ、カチッという音をさせていたということだった。

翌日、水科がラーメン屋にやって来る。世良とコナンも入ってきて、さらに高木と美和子が変装した男女もやってきて、さかんに強盗殺人事件に 関係した会話をする。すると水科はトイレに入って水槽を探り始める。探していたのは、眼鏡のレンズだった。彼は事件の際、誤って眼鏡を落として レンズを踏んづけていたのだった。それで走るたびに音がしていた。彼は、破片を回収するためにホースを振り回して掃除機代わりに使っていた。 当のレンズは、警察がトイレ水槽から半日前に回収し、水科のものであることを突き止めていた。さらに、彼が醤油を大量に使っていたのは、 被害者のピアスを醤油指しに隠していたが、どれだかわからなくなっていたからであった。これも警察が前もって回収していて、水科の指紋を 採取していた。水科は、頓田を殺すつもりはなく、驚かすだけのつもりだったらしい。

最後に、店主が Mary の文字が入ったハンカチを世良が忘れていったから返してくれとコナンに言う。

羽田秀吉は、世良真純の兄でもあるらしいことがわかる。

世良真純と一緒に写真に写っていた少女の名前が Mary(メアリー)らしいことがわかる。

89婚姻届のパスワード 8 意地悪なおじいさん、9 真(まこと)の夫婦(めおと)、10 座右の銘
  • 八塚虎六(はちつか ころく):マンション管理人

宮本由美は、今ごろになって羽田が将棋の七冠王であることに気付く。そして七冠を取ったら開けてくださいといわれていた封筒に 婚姻届が入っていたかもしれないことに気付く。その封筒を由美はファッション誌にはさんでゴミ捨て場に持って行っていた。 由美がゴミを出す曜日を間違えていたので、雑誌類は由美の部屋の前に戻されていた。が、肝心の封筒は、管理人が預かっていた。

管理人は、由美が太閤名人の結婚相手にふさわしいかどうか試すために、婚姻届を部屋のどこかに隠していた。 まず、コナンは机上のパソコンを見て、8桁の数字のパスワードを入れればよいことに気付く。そこで、皆(少年探偵団と佐藤美和子)は、 8桁のパスワードを探すことにする。

部屋のゴミ箱には暗号らしきものが書かれた紙が落ちていた。 コナンは、「掃き溜めに鶴」ということで、その紙で鶴を折ると文字が現れることに気付いた。 暗号は√5と√3を意味しており、パソコンにはそれらの数字を8桁まで入力すればよかった。こうして、由美は婚姻届を取り戻したのだった。

ところがそのとき、羽田から王将戦で負けたとの報が届く。六冠に後退したので封筒を破棄してくれという。 それで羽田と由美の結婚はお預けとなった。

羽田秀吉は、王将戦で負け、七冠から六冠に後退。

羽田秀吉の義兄が天才棋士の羽田浩司であったことが判明。羽田浩司は、黒の組織にアポトキシン4869を飲まされて殺されていた。

92さざ波の魔法使い 2 さざ波の邂逅、3 さざ波の捜査官、4 さざ波の魔法使い
  • 福水繁勝:Tシャツと海パンを買った男
  • 北森靖絵:ビーチサンダルを買った女
  • 大網頼哉:アロハシャツを買った男

工藤新一(コナン)は 10 年前の出来事を思い出す。

赤井家が海水浴に来ている。赤井秀一は、アメリカ留学から帰国中。FBI に入りたいと言っている。しかし、母親のメアリーはそれに反対している。

工藤新一と蘭も工藤有希子とともに、同じ海水浴場に来ている。新一少年は、赤井秀一をピエロだと推理して、秀一に笑われる。 秀一は、新一と蘭に妹の真純と遊んでやってくれと頼む。

そのとき、秀一、新一、蘭が見ている前で、車が崖から海に転落する。秀一はすぐに海に飛び込み、車のところに行く。 乗っていた人は既に死んでいた。秀一は、死体と後部座席にあった腕時計がたくさん入ったバッグを引き上げた。 秀一は、車にはもう一人乗っていて逃げ出したと推理し、そのような人がいないか探すよう新一に依頼する。 近くの時計店で強盗があったというニュースがあったことから、車にいた二人はその強盗犯だと推測された。

新一は、秀吉の記憶力のおかげで、怪しい3人を連れてくることができた。福水、北森、大網の3人だ。秀一は、 ビーチサンダルを買った北森がその逃げ出した人だと言い当てた。砂浜が熱くてビーチサンダルを履かないと歩けない上、 お札は濡れて使えなかったはずだから、高いものは買えないと推理されるからだ。さらに、コナンは、北森の時計が 10 時 10 分で止まっていることから、店から盗まれたものだと推理した。時計店では、ブランド名が見えるように、 針を 10 時 10 分にしておくことが多いからだ。車が海に落ちたのは、二人が口論をして、わき見運転になったからだった。

羽田秀吉の家族構成が明らかになる。赤井秀一、羽田秀吉、世良真純は兄弟で、彼らの母親はメアリー。 父親の赤井務武(つとむ)はすでに亡くなっているようだが、まだ遺体は発見されていない。 務武は何かの事件に巻き込まれたらしい。

赤井秀一は截拳道(ジークンドー)の使い手であることがわかる。