名探偵コナン 赤井秀一特集 vol.1

• 新出先生：帝丹高校の校医
• ジョディ・サンテミリオン：帝丹高校の英語教師
• 小林：バスの運転手
• 矢島邦男：服役中の宝石強盗犯
• 町田安彦：補聴器を付けた乗客
• 富野美晴：ガムを噛んでいる乗客

スキー旅行のため、少年探偵団と阿笠探偵がバスに乗っている。新出先生とジョディ先生が乗り込んできたとき、 灰原は黒の組織（ベルモット）の気配を感じる。赤井秀一も乗り込んできて最後尾座席に座る。さらに、 ゴーグルを付けた２人組がやってきてバスジャックを行う。２人はピストルを持っている。要求は、服役中の宝石泥棒の矢島邦男の釈放だ。 警察はとりあえず要求を飲むことにした。

コナンが外部と連絡しようとすると、早速犯人に見つかった。どうやら最後尾の三人の乗客の富野、町田、赤井のいずれか一人もバスジャック犯の仲間で、 おかしな行動をしている乗客を犯人に教えていると推測された。犯人は、バス中央通路にスキー袋を並べる。

犯人の仲間は富野で、風船ガムの取り方で乗客の行動を報告していたのだった。小仏トンネルの中、犯人二人は新出先生と赤井に自分たちの服を着せ、 富野を人質に取ったふりをする。犯人二人と富野は、自分たちは普通の乗客の振りをしてバスを降り、スキー袋に入った爆弾を爆発させるつもりだった。 それを察知したコナンは、ジョディ先生に口紅を借り、スキー袋に STOP と裏返しに書いて、運転手に急ブレーキをかけさせる。 犯人たちが倒れた隙に、ジョディ先生、新出先生と協力して犯人を取り押さえる。

爆弾が爆発しそうだというときに、灰原だけがバス内に留まっている。彼女は死のうと思ったのだ。それをコナンが間一髪で救出する。

新出先生がベルモットの変装という状況が、読者には示されている。

赤井秀一の初登場回。あまり大きな役割を果たさない。最後に、誰かに「追尾続行不能」という謎めいた連絡をしている。

• ジェイムズ・ブラック：イギリス生まれのアメリカ人

阿笠博士と少年探偵団はアニマルショーを見に来ている。ジェイムズ・ブラックという男が、ショーのスポンサーのランディ・ホークと間違われ 報道陣に取り囲まれていたところを、コナンが機転で助け出した。彼は、お礼にランチをご馳走すると言って車を取りに行ったところ、 二人の男にパトカーに偽装した車に連れ込まれ拉致された。それもまたランディ・ホークと間違えられてのことだった。

ジェイムズは、拉致されるとき、ストラップのＰと＆とＡを血で塗りつぶしたものを後に残していた。 ジェイムズは、歩美の探偵バッジを持ったままになっていた。それを手がかりに、コナンはジェイムズが車に乗って北上していることに気付く。 赤井秀一の車が密かにそれを追っていた。少年探偵団は阿笠博士の車で追い、連絡を受けた高木と美和子も車で追う。

コナンはP＆Aがpandaで、イギリスではパトカーのことを意味していることに気付く。 そこで、コナンは偽装パトカーを特定して追い付き、罠にはめて本物のパトカーに周囲を囲ませる。 囲んだパトカーが一斉にブレーキを踏んで偽装パトカーの犯人達をつんのめらせ、犯人逮捕に導いた。

気がつくと、ジェイムズは赤井秀一の車に乗って走り去っていた。

赤井秀一とジェイムズ・ブラックが仲間であることがわかる。

• シャロン・ヴィンヤード：有名女優
• リラ・サンチェス：舞台女優
• アカネ・ニールセン：舞台女優
• ローズ・ヒューイット：舞台女優
• イベリス・ハミルトン：舞台女優
• ヒース・フロックハート：舞台俳優

蘭は１年前のニューヨークでのできごとを思い出す。

新一と蘭は、工藤有希子の運転する車でブロードウェイのファントム劇場に向かっている。手荒な運転で警察に捕まりそうになったところを、 ラディッシュ・レッドウッド警部に変装したシャロン・ヴィンヤードに助けられる。

新一、蘭、有希子、シャロンは、開演前の楽屋見学をさせてもらう。楽屋には、３日前に、金色にコーティングされた林檎が贈られてきたという。 そこには「最も美しい女性へ For the Fairest」と書かれていたという。見学途中、吊ってあった鎧が落ちてきて、ローズ・ヒューイットが 危うく下敷きになりそうになったのを蘭が助ける。シャロンは、用事が入ったということで、舞台を見ずに帰る。

これから演じられるミュージカルは、ギリシャ神話を下敷きにしたラブコメである。 金の林檎は、ヘラ、アテナ、アフロディーテを妬んだエリスが三人に贈ったものである。三人の女神は誰が林檎にふさわしいかを トロイアの王子に選ばせる。

新一、蘭、有希子はミュージカルを見ている。 すると、ヒース・フロックハートが演じる貧乏貴族が大天使ミカエルとなって舞台上で吊り上げられるとき、何者かに拳銃で撃たれた。 テラス席から撃たれたかに見えたが、新一は、それはフェイクで４人の女優のうちの誰かが撃ったのだと推理した。 動機はありそうだった。というのも、イベリスはヒースの妻で、他の３人の女優もヒースと付き合っていたからだ。

新一は、犯人はローズだと言い当てた。実際、彼女の右手と手袋の裏にはヒースの血がついていた。 動機は、ローズが天使役のヒースを狂おしいほど愛しており、ヒースがその役を降りることになったからだった。

新一と蘭がホテルにタクシーで帰るとき、蘭はシャロンにもらったハンカチを飛ばしてしまう。蘭がどうしても取り戻したいと言うので、 新一と蘭はタクシーを降り、廃ビルの手すりにハンカチがひっかかっているのを見つけた。そこで、新一はハンカチを取りに行く。

ここから起こったことはこの段階では謎めいた感じで描かれている。以下、後に 42 巻「 黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」で明らかにされることと合わせて書く。

通りで待っていた蘭は、赤井秀一に会い、ここは通り魔がいて危ないからすぐに逃げろと言われる。それまで乗っていたタクシーは 怖がって逃げてしまう。蘭は、それらのことを新一に伝えようと廃ビルに入って、その通り魔らしき男に出くわす。これは、実は通り魔ではなく、 ベルモット（＝シャロン・ヴィンヤード）が変装したものだった。通り魔はすでにベルモットに殺されていた。そして、ベルモットの変装の 「通り魔」はその前に赤井秀一を撃とうとして失敗し、逆に腹を赤井秀一に撃たれていた。「通り魔」が蘭を銃で撃とうとしたとき、 「通り魔」が寄りかかっていた手すりが壊れ、「通り魔」は落ちそうになる。それを蘭と新一が助ける。なぜ助けたのか問う「通り魔」に、 新一は「人が人を助ける理由に論理的な思考は存在しねーだろ？」と答える。

これ以降、ベルモットにとって、新一はシルバー・ブレット、蘭はエンジェルとなり、何かと２人を助けるようになる。

赤井は FBI 捜査官として登場する。

• 波土禄道：ロックミュージシャン
• 円城佳苗：波土のマネージャー
• 布施憶康：レコード会社社長
• 梶谷宏和：雑誌記者

概要はすでに記したので、ここではいくつか関連事項についてまとめておく。

• 「ASACA」については、ブログ等でまとめている人々がいる。これが一例。 黒の組織に「浅香 ASACA」なる人物がいるかもしれないという話である。 「烏丸 CARASUMA」との関連もあるらしい。
• 一方、本エピソード内では、「ASACA」は、波土禄道の新曲のタイトルで、円城が流産した子に波土がつけようと思っていた名前である。 女の子だったら「朝香 ASACA」にしようと思っていた。というのも、朝、カフェで妊娠のことを聞いたからだという。
• 登場人物の名前の由来はここにまとめてある。 それに私の想像（根拠無し）を加えたものによると：
  • 波土禄道（はど ろくみち）＝ハードロック道
  • 円城佳苗（えんじょう かなえ）＝演歌＋城之内早苗（演歌歌手）
  • 布施憶康（ふせ おくやす）＝フォーク＋岡林信康（フォーク歌手）
  • 梶谷宏和（かじや ひろかず）＝ジャズ＋ヒロ川島？上原ひろみ？つのだ☆ひろ？（ほかにも「ひろ」がつくジャズ演奏家は多数）

ここでは、赤井は変装して沖矢昴となっている。左利きであることがわかる。

黒の組織に潜入していたときの赤井と安室のスコッチの死を巡る因縁が明かされる。 スコッチは、公安から黒の組織に潜り込んでいた。ライ（赤井）に追い詰められて、赤井の拳銃を奪い、 胸ポケットに入った携帯ごと自分を撃とうとする。 赤井はそれを止めるものの、誰か（実はバーボン（安室））が 近づいてきて注意がそれた隙に、スコッチは携帯ごと自分を撃って自殺。 バーボン（安室）は、スコッチが自殺したことは 分かったものの、ライ（赤井）がそれを止めなかったことを今でも恨んでいる。