『オペラ座館殺人事件』は以前にも読んだことがあるのだが、 今回はそれに付随する「犯人たちの事件簿」と「37歳編」を一緒に読んだ。
『オペラ座館殺人事件』は、金田一少年シリーズ最初の事件で、孤島にある「オペラ座館」での演劇部の合宿中に 『オペラ座の怪人』になぞらえた連続殺人が起こる。日高織絵が照明器具の下敷きになり、桐生春美が首を吊られ、 緒方夏代が溺死に見せかけて実際は撲殺された。犯人は小道具係で過去の事件の復讐劇だったということになっている。
「犯人たちの事件簿」は、事件を犯人側から描いたもの。スピンオフ企画で船津紳平が描いている。 本編よりだいぶんコミカルで軽い感じに描かれている。これを読むと、実際トリックを実行しようとすると けっこうたいへんなことになることがよくわかる。その意味では、トリックの欠点を突くことにもなっている。
「37歳編」は、37 歳になった金田一が再び件の孤島で事件に遭遇するというもの。 金田一少年は、高校 2 年生 17 歳だったので、その 20 年後という設定である。 漫画の上では 20 年たってもあまり年を取っていないように見える金田一だが、37 歳になって PR 会社に勤めているという 設定である。第1作の『歌島リゾート殺人事件』では、「オペラ座館」のあった孤島に金田一が「歌島リゾート夢の縁結びツアー」 のスタッフとして訪れる。「オペラ座館」は既に無く、新しくリゾートホテルができて、ツアーはそのオープニングイベントである。 そこで、ふたたび『オペラ座の怪人』になぞらえた連続殺人が起こる。桜沢楓が首を吊られ、鈴木実が落ちてきたシャンデリアに 串刺しにされる。今度の犯人は冷酷な殺人鬼で、その糸を引いていたのが「地獄の傀儡師」高遠遙一ということになっている。