名探偵コナン 65~67 巻

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2020/03/28--2020/04/16(公式アプリ)
入手名探偵コナン公式アプリ
読了2020/04/16

スマホアプリ「名探偵コナン」で毎日一話ずつ無料で読める漫画のメモの続き。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項トリック
65危険な2人連れ6 危険な2人連れ、7 半殺し
  • 大和敢助:長野県警警部
  • 上原由衣:長野県警刑事

阿笠博士と灰原が、山梨での発明品の新作発表会に行った帰り、車がエンストしたうえ財布を失くして立ち往生している。 そこに男女二人連れの車が通りかかって乗せてくれるという。その車は毛利探偵事務所に行くという。 ところが、灰原は車内に弾痕や血の跡や拳銃を発見する。さらに、男は「半殺し」や「皆殺し」などと話している。

困った灰原は、ドライブインに入ったときにコナンと電話で相談し、二人連れから逃げ出す。コナンは スケートボードで救出に向かう。トイレの窓から逃げ出したところで二人に捕まるとともに、コナンもやってくる。 二人は長野県警の大和敢助警部と上原由衣刑事だった。「半殺し」と「皆殺し」は、それぞれぼた餅と餅のことだった。 二人はコナンに事件の相談に来たのだった。

怪しげな車の二人
65, 66死亡の館、赤い壁 [三顧の礼/掌中の物/死せる孔明/空城の計]8 赤い壁、9 掌中、10 死せる孔明、11 生ける仲達を走らす、1 絶妙好餌
  • 明石周作:イラストレーター
  • 翠川尚樹:俳優
  • 小橋葵:小説家
  • 山吹紹二:ファッションデザイナー
  • 百瀬卓人:CGクリエイター
  • 直木司郎:ミュージシャン
  • 諸伏高明:長野県警刑事

概要はすでに書いたので、 このエピソードにたくさん出てくる中国の故事の一つについてまとめる。

それは、諸伏高明刑事が登場する場面で出てくる
欲見賢而不以其道、猶欲其入而閉之門也
賢に見(まみ)えんと欲してその道を以ってせざるは、猶ほ入らんことを欲して之が門を閉づるが如し
である(書き下し文は漫画による)。漫画の中では、三国志で劉備が諸葛孔明を招いたときに言った言葉として紹介されているが、ネット検索をしてわかることは、 これはもともと孟子に出てくる言葉である。 「 我読孟子」と「 覚書き」というページから白文、書き下し文、和訳を引用すると
欲見賢人而不以其道、猶欲其入而閉之門也
賢人に見わまく欲して其の道を以てせざるは、猶其の入らまく欲して之が門を閉ずるがごとし。
賢人と会見しようとして正しい礼儀を用いないのは、自分の家に入れようとして門を閉めるのと同じだ。
である(こちらは「賢」ではなくて「賢人」になっている。)。『三国志演義』の中では、劉備玄徳がそれを引用して
張飛曰「量一村夫、何必哥哥自去?可使人喚來便了」
玄德叱曰「汝豈不聞孟子云『欲見賢而不以其道、猶欲其入而閉之門也』。孔明當世大賢、豈可召乎?」
遂上馬再往訪孔明。關、張亦乘馬相隨。
のように使ったのだそうだ(こちらは「賢人」ではなく単に「賢」)。 私は漢文はあまり読めないので、青空文庫の吉川英治版『三国志』でこれに対応する部分を探してみると、 張飛と劉備玄徳の会話の次のくだりである。以下の発話者は、張飛、劉備、張飛、劉備の順である。
「いやしい田夫の家へ、ご自身で何度も出かけるなどは、領民のてまえも、変なものでしょう。使いをやって、孔明を城へ呼び寄せてはどんなものですか」
「礼に欠ける。そんなことで、どうして、彼の如き稀世の賢人を、わが門へ迎えられよう」
「孔明とやら、いかに学者か賢人か知らぬが、たかが狭隘な書斎と十畝の畑しか知らない奴、実社会はまたちがう。もしお高くとまって、来るの来ないのといったら、張飛がひっさげて参るとも、なんの造作はあるまいに」
「みずから門を閉じるものだ。書物をひらいて、すこし孟子の言葉でも噛みしめてみるがいい」
犯人が上書きすることを見越したダイイングメッセージ
66白鳥警部、桜の思い出2 思い出、3 サクラチル、4 サクラサク
  • 笠倉那海:映画の観客
  • 染井芳郎:証券マン、那海の彼氏

白鳥警部は、自分の小学生の時の初恋の人が佐藤刑事だと思っている。その女の子は、紙で作った桜の飾りを付けてジュースをくれた。

白鳥警部は、たまたま少年探偵団と「大怪獣ゴメラ」の映画を見ることになった。たまたまぶつかってきた笠倉那海が お詫びにということでジュースを買ってきてくれる。それにはストローの包み紙で花の飾りが付けられていた。 白鳥警部が警察の人間だということを知った笠倉は、白鳥にストーカーの相談をする。 彼女のマンションに行ってみると、彼女の恋人の染井が撲殺されていた。

警察もコナンも笠倉を疑う。実際、笠倉が犯人だった。笠倉は白鳥警部を睡眠薬入りのジュースで眠らせて、自分の帽子をかぶせた上で、 映画館を抜け出した。そして染井を撲殺して映画館に戻り、ジュースのカップを睡眠薬の入っていないものに交換した。 動機は、染井には自分とは別に本当の恋人がいたことだった。

最後に、白鳥警部の初恋の人は、実は小林先生だったことが暗示される。

容疑者が笠倉しか出てこないという意味では半倒叙もの、アリバイ破り
66もののけ倉でお宝バトル5 もののけ倉、6 コナンVS探偵団、7 倉の秘密
  • 百瀬警部:警視庁捜査3課(窃盗担当)の警部

少年探偵団は、米花5丁目にある「もののけ倉」の話を聞きつける。その倉は、窓から中を見ると中にお宝があるが、 実際に入ってみると、中はがらんどうなのだという。実際、倉に行ってみると、中には確かに何もなく、壁にそろばんが 埋め込まれていた。しかし、木に登って窓から中を見ると床一面にお宝があった。

倉はカラクリ師の三水吉右衛門が作ったものだった。そろばんの玉を「三水」の形に並べると、天井が降りてくる仕掛けだ。 そして、その天井裏には事実お宝が隠されており、そこには盗品を貯めこんでいた泥棒がいた。

今日は光彦、元太、歩美がやけに鋭い。実は服部平次からメールで入れ知恵されていた。

建物のカラクリ
66恥ずかしいお守りの行方8 お守り奪還作戦!、9 最高の試合、10 意地悪
  • 国末照明:帝丹大学2年生、テニス選手
  • 薩摩和雄:スポーツバーの客
  • 春藤健吾:スポーツバーの客
  • 久間卓哉:スポーツバーの客

服部平次が、勘違いで和葉のお守りを国末照明という学生に渡してしまった。それを取り返したいということで、 平次と和葉が毛利探偵事務所にやってくる。

平次、コナン、和葉、蘭が大学に行って見ると、骨折して最近来ていないという。そこで、 彼が居候しているというアパートに行って見ると、スポーツバーにいるというので、そこへ行く。 すると、国末がトイレで殴られていて、病院に運ばれたという。

国末が殴られていたちょうどそのときにホールでは簡単なパーティーが開かれていたということで、 コナンと平次は高木刑事に頼んで、客にそのときホールにいなければできないことをさせ、容疑者を3人に絞る (薩摩、春藤、久間)。コナンと平次は彼らの話を聞いて犯人を割り出した。

犯人は久間だった。彼はプロ野球の試合でホームランボールを捕ったのだが、落としてしまい、国末の手に渡った。 久間は、死んだ彼女がその打者のファンだったのでボールを棺に入れようと思っていた。それで、国末に譲ってくれるよう 頼んだのだが、冷たく断られたので、思わずモップで殴ったというわけだった。

野球用語とサッカー用語の違い
66, 67黒きドレスのアリバイ11 ゴスロリ、1 呪いのファッション!?、2 不確かでもろい物
  • 久瀬未紘:被害者
  • 庄堂唯佳:OL、未紘の友人

蘭と園子が服の買い物に出かける。小五郎は荷物持ちをさせられ、コナンも付き合わされる。 4人が喫茶店にいると、ゴスロリ(ゴシックロリータ)の女が入ってきてトイレのために出て行き、その後彼女と待ち合わせをしている女が入ってくる。

蘭と園子が街で買い物をしているときアイスクリーム強盗に遭い、コナンの機転で盗難は免れたものの、服を着替えないといけなくなり、 二人はトイレへ行く。すると、なかなか空かない部屋があり、中を覗くとゴスロリの女が死んでいた。彼女は 久瀬未紘という名前で、絞殺されていた。

喫茶店で久瀬と待ち合わせをしていたという女は庄堂だが、彼女が犯人とは思えなかった。というのも、ゴスロリの女が 出て行って10分後くらいに彼女が喫茶店に来た一方で、久瀬が死んでいたトイレまでは往復で30分以上はかかるからである。 しかし、コナンは庄堂が犯人だろうと考える。

実際、犯人は庄堂だった。喫茶店に入ってきたゴスロリの女は庄堂だったのだ。ゴスロリはどぎついので顔の印象が残りづらいことを利用したのだ。 庄堂が久瀬を殺してから、喫茶店にやってきたのだった。動機は、久瀬が庄堂の恋人を奪ったり、庄堂の友情をつなぎとめようとして、 会社を首になるように仕向けたうえで恩を着せたりしていたからだった。

双子ファッションによる人物のすり替わり
67危機呼ぶ赤い前兆[オーメン]3 明日があるさ
  • 代田恭三:通行人

少年探偵団が道を歩いていると、「明日は希望にあふれている」と言うおじさん(代田)に声を掛けられる。 すると、突然そのおじさんがひったくりに会う。コナンのおかげでおじさんの鞄は取り返すことができた。

お礼にということで、おじさんは少年探偵団にケーキをごちそうする。そのときのおじさんが、明日の予定をいろいろ言っている割に、 明日なんかどうでもいいと思っている風でもあったことにコナンは不審を抱き、おじさんを追う。 事実、おじさんは鉄道で飛び込み自殺をしようとしていた。それを少年探偵団が止める。おじさんは、孫の手術費を保険金で捻出したいのだという。

おじさんは当たりの宝くじをなくしたと言う。コナンがそのありかは眼鏡ケースの中だと推理した。事実、そこにあったので、 おじさんは喜んで帰っていった。

自殺しようとしている人を見分ける