日蓮の手紙

著者植木 雅俊
シリーズNHK 100分de名著 2022 年 2 月
発行所NHK 出版
電子書籍
刊行2022/02/01(発売:2022/01/25)
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読了2022/03/04

「100分de名著」としては珍しく、書物ではないもの(手紙)が題材となる。 もっとも著者の植木氏は角川ソフィア文庫から『日蓮の手紙』という本を出しているから、書物になっているとも言える。 日蓮生誕 800 年記念とのこと。

紹介されている日蓮の手紙を読むと、日蓮は弟子たちの心に真摯に向き合って、必死に励ましていることが分かる。 やはり、そのような人間的な魅力があればこそ、信者たちが現在まで連綿と繋がっているのだと分かる。

ちょっと気になる点もある。著者の書き方・言い方だと、『法華経』が釈迦の教えの原点に還るものであるとしているが、 大乗仏教は釈迦の教えとは異なるもの のはずである。原始仏教では誰もが仏陀になることができると、放送では解説してある。でも、もともとの仏教では、 弥勒が来るまで仏陀は現れないはずではなかったか。著者は、『法華経』が好きすぎるようだ。

「100分de名著」放送時のメモと放送テキストのサマリー

第1回 人間・日蓮の実像

日蓮の人生

法華宗の教え

日蓮の手紙

第2回 厳しい現実を生き抜く

日蓮は、悩める弟子たちへ具体的なアドバイスを行った。

富木常忍への手紙

四条金吾への手紙

池上兄弟への手紙

第3回 女性たちの心に寄り添う

原始仏教は男女平等だったが、次第に男性優位になっていった。日蓮は、平等思想の『法華経』に基づいて、 女性信者を受け入れた。

富木尼への手紙

比企大学三郎能本の妻、四条金吾の妻、千日尼への手紙~男女平等

日妙尼への手紙

第4回 病や死と向き合う

弟子たちを励ます手紙の中に日蓮の死生観を読む。

病弱な富木尼への手紙

南条時光の母の上野尼への手紙

波木井実長への手紙