進化思考の世界 ヒトは森羅万象をどう体系化するのか

三中信宏 著
NHK ブックス 1164、NHK 出版
刊行:2010/09/25、刷:2010/09/25(第1刷)
九大生協で購入
読了:2011/11/24
系統樹思考分類思考に続く 進化と系統分類に関する著者の三作目の本。進化論の歴史をたどりつつ、これからの進化学を展望するという形になっている。 進化の考え方の歴史を渉猟しているところが著者らしいところで、相変わらず充実した文献リスト付きである。 すでに全二作を読んでいるせいか、自然にするっと読めた。

科学哲学にも言及しているところが本書の特徴で、科学者にとって科学哲学は第一に論争のための武器だという見方が記されている (p.221)。 その意味では、ファイヤーアーベントなんぞはまるで役に立たない、と書いてあって面白い。 科学哲学や科学論には経験的テストが必要だと書いてあるところは大いに賛同できる (pp.227-229)。