スマホアプリ「名探偵コナン」で、比較的初期の夏の事件を集めたもの。 夏と言えば海というわけで、海辺を舞台にした事件が多い。
著者 | 青山 剛昌 |
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シリーズ | 少年サンデーコミックス |
発行所 | 小学館 |
電子書籍 | |
掲載時期 | 2020/08/11--2020/08/27(公式アプリ) |
入手 | 名探偵コナン公式アプリ |
読了 | 2020/08/27 |
スマホアプリ「名探偵コナン」で、比較的初期の夏の事件を集めたもの。 夏と言えば海というわけで、海辺を舞台にした事件が多い。
巻 | 事件名 | Files | 登場人物 | 事件の概要 or 関連事項 | 舞台設定や年月日に関して |
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13 | 三つ子別荘殺人事件 | 2 目撃者は…!?、3 三つ子の容疑者、4 哀しき兄弟の絆 |
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概要はすでに書いたので、 ここでは犯人の太一のアリバイ工作の部分だけより詳しくまとめておく。 犯行時刻は夜の 11 時半過ぎ。太一は午後 11 時 34 分に留守電を入れていた。 内容は野球の話で、ファルコンズがサヨナラ勝ちしたことと、木暮がライトにひっぱった同点ホームランが効いたことが話されていた。 そのとき太一は、大阪のマンションで原稿を書いていたと言う。しかし、実際は木暮はライトに「流した」ことを指摘されると、 今度は、太一は大阪のパチンコ屋でラジオで野球中継を聞いていたと言う。 ところが、パチンコ屋は午後11時までしかやっていないはずだった。さらに、 一番問題なのは、犯行現場の別荘周辺が 11 時半から 10 分間停電していたことだった。11 時 34 分に留守電が入れられるわけがない。 真相はこうだった。太一は、哲治の時計に仕込んだ盗聴器で、哲治の様子や野球中継を聞いていた。 試合が終わると同時に、時計を進ませておいた留守番電話に伝言を入れた。そうしておいて哲治を殺害した。 |
夏の伊豆で海水浴をしている場面から始まるから、夏の事件であることは明らか。 台風 11 号が来ているということから 7 月か 8 月の可能性が高い。 |
17 | スキューバダイビング殺人事件 | 3 三つの謀(はかりごと)、4 逃げた凶器、5 忘れちゃいない |
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概要はすでに書いたので、 ここではエラブウミヘビについてまとめておく。 Wikipedia や Encyclopedia of Life や アウトドア趣味 などを参考にする。 和名エラブウミヘビで、学名 Laticauda semifasciata。英語だと、エラブウミヘビ属 (Laticauda) を sea krait という。 英語の krait はアマガサヘビ属。いずれもコブラ科に属していて(分類の仕方はいろいろあるらしいが)、 神経毒を持っている。エラブウミヘビの毒の名前は erabutoxin。日本では南西諸島に分布。 性質はおとなしく、わざわざ人間を襲うようなことはない。 |
これも舞台は夏の伊豆の海水浴場。それ以上、場所と時間の幅を狭める材料は無い。 登場人物の苗字は、伊豆の地名でそろえてあり、あまり偏りもない。伊東と河津は伊豆半島の東側、 戸田と松崎は伊豆半島の西側である。 |
31 | 網にかかった謎 | 5 暖かき海、6 網にかかるは…、7 勇気ある決断 |
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少年探偵団は阿笠博士と海水浴に来ている。たまたま蘭と園子も同じ海水浴場に来ていた。 皆で夕食を食べていると、漁師の下条、吉澤、根津が荒巻を待っている。荒巻が地引網で根こそぎ魚を獲るので 抗議するつもりらしい。下条、吉澤、根津の3人の父親たちは8年前同じ船で嵐に遭って死んだらしい。 根津は、それも荒巻のせいだと思っている。しかし、荒巻がなかなか来ない。電話してみると、電話口から波の音がしたので 浜辺に行ってみると、荒巻は海岸で網にからまって死んでいた。 犯人は下条だった。酔わせて網をからめた荒巻を砂浜に半分埋める。その上にボートを置いて重石にする。 潮が満ちると荒巻は溺れ死に、やがてボートは波にさらわれる。 動機は、荒巻が8年前父親を海に放り出して見殺しにしたことだった。 |
舞台は『スキューバダイビング殺人事件』と同じく夏の伊豆の海水浴場で、ホテルも同じ「伊豆クイーンホテル」である。 |
35, 36 | 孤島の姫と竜宮城 | 11 デス・アイランド、1 危険な来訪者、2 ミステリー・ワード、3 グソーの使い、4 姫と龍宮城 |
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平次と小五郎がテレビ番組で東西推理対決をするということで、和葉、蘭、コナンも一緒に来ている。 最初は、前日の海水浴場の場面から始まる。対決の舞台となる無人島(船浦島、通称「鬼亀島」)に 番組クルーがロケハンに行くというので、平次、コナン、和葉、蘭もついていくことにする。そこに1年前、身元不明の死体があったという。 島に着いて、死体が寄りかかっていたという柱を見ると「姫眠るは甲なりて乙にあらず」という文字が刻まれている。 島を発つときになってみると、平良がいない。島をぐるっと回って探してみると、海岸に平良の遺体があった。絞殺だった。 砂浜の上には「我はグソーの使いなり」と刻まれていた。グソーは「あの世」のことである。 改めて島を発とうとすると、今度はクルーザーがいなくなっていた。しょうがないので、島の廃屋の中で一夜を過ごすことにする。 そこで、コナンらはスタッフから4、5年前の事件の話を聞く。5年前、町長の娘の都お嬢様が誘拐され、その1年後、 町長の家から金屏風が盗まれた。このとき、家政婦の松本嘉子が殺された。犯人はまだ捕まっておらず、都お嬢様も行方不明のままだという。 久米、大東、池間、竹富は、この事件に関わりがあった。都お嬢様は子供の時この家にも「ちよにい」「かあちゃん」なる人物と よく来ていたらしいこともわかる。 外で音がしたので行ってみると、桟橋に船がぶつかっていた。行って見ると、船には下地の遺体が吊り下げられており、 そばの壁に「我はグソーの使いなり」と書かれていた。下地は何度も殴打されていた。船は自動操縦になっていて、 海をぐるっと一周して戻ってくるようにされていた。 平次とコナンは、久米が逃げたと言って犯人を罠にかける。犯人は大東で、久米の服を着た平次を殺そうとした。 平良、下地、久米は、4、5年前の事件の犯人だった。そして、大東は、町長の金城家の執事で、かつ殺された家政婦の松本の婚約者だった。 「かあちゃん」は松本のこと、「ちよにい」は大東のことだった。連続殺人はその事件への復讐だった。 「姫眠るは甲なりて乙にあらず」は、「盗品の金屏風は、海ではなくて森の中にある」という意味だった。 大東はそのことに気付いた。そして、同じくそのことに気づいた平良を森で殺した。ところが、平良は都お嬢様だった。 つまり都お嬢様誘拐事件は、義理の父親の町長の愛情を試すための狂言だった。大東がそれに気づいたのは、 首を絞めた後だった。 |
舞台は夏の沖縄で、海水浴場の場面から始まる。登場人物の苗字も沖縄の地名にしてある。 宮古列島の地名が多いことから、宮古島にこだわりがあるのかとも思うがはっきりしない。 宮古列島由来の名前は、池間(←池間島)、都お嬢様(←宮古島)、平良(←平良港、もしくは平良市)、 下地(←下地島)である。ところで、名探偵コナン 35 巻の刊行は 2001 年で、平良市が周辺町村と合併して 宮古島市になったのは 2005 年である。したがって、このエピソードが描かれたころには平良市が存在した。 ただし、登場人物の名前は「たいら」だが、地名は「ひらら」と読む。 メインの舞台は無人島である。 |
48 | 神社鳥居ビックリ暗号 | 1 夏休みの暗号、2 寝転んで顔を洗え!、3 パーフェクト解読!! |
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概要はすでに書いたので、 ここでは、丸虫についてまとめる。 丸虫は、 西日本におけるダンゴムシの俗称らしい。 ダンゴムシは、陸生の甲殻類で、等脚目ワラジムシ亜目に属する。科としては、オカダンゴムシ科、ハマダンゴムシ科、コシビロダンゴムシ科にわたっているとのこと。 一番よく見かけるのは オカダンゴムシで、これは外来種とのこと。 日本におけるダンゴムシの仲間の専門的なデータベースもある。 |
舞台の半分(阿笠博士と少年探偵団)は山で、半分(蘭と園子)は海である。具体的な場所は不明である。 時期は、盆を過ぎて夜が涼しくなっていると言っているし、タイトルに「夏休み」が入っている、8月下旬とみられる。 話題になっている「天灯祭り」は、青森ねぶたのようなものをイメージしているようだ。しかし、 青森ねぶたが行われるのは8月初旬である。とはいえ、「丸虫温泉」という「浅虫温泉」を連想させる温泉が出てくるところを見ると、 青森を意識しているように思われる。 |