名探偵コナン 97～99 巻

• 吹越桐司（本名：閏間茂史）：結婚詐欺士、被害者
• 善田舞佳：吹越の婚約者

倒叙物で、最初に善田が婚約者の吹越を刺殺する場面から始まる。善田は、吹越の不実を確信しているようだ。

小林先生と若狭先生が少年探偵団を連れて、自然と触れ合う授業の下見として、群馬県に山菜採りにやってくる。 現地では善田が車で案内をする。山菜採りの途中で、善田と歩美が飲み物を取りに車に戻る。二人は、 善田が落としたピアスを探していて戻ってくるのが遅くなった。そこで、他の皆が車のところに戻ってくると、 車の後ろに吹越の死体があった。死体は、彼の別荘から引きずって来られたようだった。

コナンは、車の位置が最初止まっていた位置から少しだけ移動していることに気付く。 それでコナンはトリックが分かったので、山村警部を眠らせて推理を披露する。 死体は最初車の陰にあった。車の窓は段ボールでふさいで、車の中からは見えなくしていた。 善田は、車を停めた時にギアをニュートラルにしておいて、ピアスを探すふりをしながら腕でタイヤを回して 車を動かしたのだ。動機は、もちろん吹越が結婚詐欺師で、自分が騙されていると気づいたからだった。

「御守り」という言葉から、若狭先生は羽田浩司の殺害場面を思い出す。

若狭先生は、コナンが山村警部を眠らせて話しているのに気付いたようだ。

最後の場面で、若狭先生は、歩美から四つ葉のクローバーをもらい「大切にするね！」と言いながら、 すぐに捨てる。

• 西津法玄：古美術鑑定家
• 遠島基行：証券会社社員
• 蝶野欽治：元不動産会社社長
• 坂巻鈴江：古糸美術館館長

阿笠博士が亡き伯父栗介の別荘（以前「 月と星と太陽の秘密」ででてきた）で年代物の小皿を見つけて、鑑定を頼んでいるという。そこで、 阿笠博士、コナン、灰原、沖矢、世良で鑑定結果を聞きに行くことになる。さらには、３人の人が持ち込んだ 堆黒盆も見せてくれるという。３つのうち本物は１つだ。

鑑定家の西津の家に行ってみると、誰も出てこないので、阿笠博士が様子を見に行く。すると、奥の部屋で 西津が殴打されて倒れていた。西津は、一つの堆黒盆に手を伸ばして「これが本物」と言った。阿笠博士が 警察と救急車を呼びに行くと、その間に西津は槍でとどめを刺され、コナン、沖矢、世良が駆けつけた時には 息絶えており、堆黒盆も無くなっていた。

容疑者は、堆黒盆の鑑定を頼んでいた３人の遠山、蝶野、坂巻だ。阿笠博士は本物の堆黒盆に血の跡がついた ことを思い出すが、堆黒盆を見てみると、３枚全部に血の跡が付いていた。血の跡の位置を阿笠博士がよく思い出すことで、 本物は、今遠山が持っているものであり、したがって遠山が犯人であることが分かった。動機は、自分が もともと持ってきた堆黒盆が偽物だと言われ、かっとなったことだった。

その本物の元の持ち主は、箱に付いた血痕から見て蝶野だと推理できた。さらに阿笠博士が鑑定を頼んでいた小皿は、 むかし栗介伯父が割ってしまって応急修理をしたものだとわかった。

世良が、灰原哀の幼児化を疑って、灰原の様子を観察している。

途中、世良と沖矢の言動から、コナンは「領域外の妹」が世良の母親のメアリであることを確信する。

さらに、コナンは、「領域外の妹」の意味が、sister から「領域 teritory」の略称 ter を引いた sis だと推理した。 sis は Secret Inteligent Service、すなわち、イギリスの情報局秘密情報部のことだ。

• 浜名勉造：百貨店のバイヤー（長男）
• 柏木優：銀行員（次男）
• 菅田克信：バイク店店員（三男）
• 陣屋才輔：フリーター（四男）

大岡紅葉が、服部平次と工藤新一に暗号を送って解読の依頼をした。新一はいないので、代わりにコナンと蘭が 新一に伝えるということでそれを受けた。平次は、話のはずみで、新一に負けたら何でも言うことを聞くと紅葉に言ってしまった。 紅葉は、平次・和葉、コナン・蘭を杯戸中央ビルの屋上に呼び出し、平次とコナンの推理勝負が始まる。 ヒントは、その暗号を書いた今は亡き家政婦が、サッカーを見たこともないのに「フットボウル好きの母より」と書いている ということだった。

平次とコナンはほぼ同時に暗号を解いた。それは「杯戸港第４倉庫」だった。行ってみると、 暗号を書いた家政婦の４人の息子が先に来ていた。しかも、そのうちの長男が死んでいた。 倉庫に一番最初に入ったのは長男で、他の３人が来た時には長男の勉造は死んでいたという。

コナンの方が先に犯人に気付いたが、平次に勝たせるために、コナンはヒントを言う。そこで、 平次は、勉造が金属アレルギーだったことに気付き、勉造の眼鏡と自分の金属フレームの眼鏡を取り換えたに違いない 才輔が犯人だと言い当てる。本当は、才輔はすでに亡くなっていた。今、才輔のふりをしているのは、その友人だ。 彼は、家政婦の遺品の宝物を分けてもらえるかもしれないということで、才輔になりすまして来ていたのだった。 ところが、それを勉造に見抜かれて、思わず突き落として殺してしまったのだった。

事件後、平次は和葉に告白しようとするが、伊織に邪魔されてしまう。

平次は、コナンに、亡き家政婦が仕事をしていた家が、羽田家だったと教える。羽田浩司と秀吉の実家だ。 つまり、羽田家は金持ちだったことがわかる。そのことは、伊織に聞いたらしい。

• 錦戸公春（にしきど きみはる）：八百長疑惑がかかっていた棋士、遺体で発見される
• 勝又水菜（かつまた みな）：女流棋士、勝又力の娘
• 瓜生祥子：女流棋士
• 菱沼浩輔：棋士
• 源田安清：棋士
• 岸本雄平：棋士
• 瓜生欣二：棋士、祥子の兄、水菜の恋人、首つり自殺した

概要はすでに書いたので、 アリバイ崩しの部分をまとめておく。

菱沼には、源田が殺害されたとき、近くのコーヒー店からホットコーヒーを買ってきたというアリバイがあった。 自分で作ったということもなさそうだった。というのも、給湯器も電気ポットも壊れていたし、 電気コンロは熱を帯びていなくてお湯を沸かした形跡はなかったからだ。

コナンは、菱沼がコーヒーを暖める方法があることに気付いた。それはミキサーで５分程度水をかき混ぜるということだ。 すると、ぬるめのお湯くらいにはなる。これにインスタントコーヒーを入れれば、ぬるめのコーヒーができる。 菱沼は、源田を殺した後、コーヒーを入れてマンションの玄関に降り、仲間の棋士が来るのを待っていたのだった。

宮本由美がコナンに語ったところによれば、羽田浩司は資産家の御曹司で、秀吉は彼の夢を継ぐために羽田家の養子になった。

事件後、羽田秀吉は赤井秀一に、母親（メアリー）がなかなか会ってくれないと言っている。

• 関澤祐美：帝丹高校２年生
• 関澤礼美：祐美の姉でモデル
• 櫛山認：礼美のマネージャー
• 初根継男：パティシエ、礼美の元同級生
• 花崎瑞俊：ヘアメイク

モデルの関澤礼美のバースデーパーティーに、妹の祐美が蘭、園子、世良を招待する。コナンもついて行く。 パーティーで、蘭は礼美にサインをねだる。礼美のマーカーが書けなくなっていたので、祐美が自分のを貸す。

礼美・祐美姉妹の秘蔵映像をプロジェクタで映すために部屋を暗くしている間に、ヘアメイクの花崎が倒れる。 明かりをつけてみると、花崎が死んでおり、額に「天罰」の文字が書かれていた。 花崎のケーキには青酸系の毒物が振りかけられていた。

世良とコナンが犯人を言い当てた。犯人は櫛山だった。櫛山は自分のケーキに毒物を振りかけた後、 電話に出るために席を立ち、そのとき隣の花山のケーキの苺をさりげなく傾けた。そこで、花崎は自分のケーキと 櫛山のケーキを取り換えて、毒を口にしてしまったのだった。櫛山は礼美の気を引こうと思ってちょっとした悪事をしていて、 それを知った花崎に脅されていたのが、犯行の動機だった。

パーティーの最中、コナンが APTX4869 解毒薬を持っていることを世良が見つけてしまう。 世良はそのことをメアリーに知らせる。

メアリーは APTX4869 をロンドンのヴォックスホールブリッジで 赤井務武に変装したベルモットに飲まされたことが分かる。

世良は、コナンの解毒薬をくすねようとするが、コナンに察知されて失敗する。

• 日塚順哉：雑誌ライター
• 南武敬：隕石研究者
• 加納昭吾：隕石ハンター
• 鳩山義輔：鳩山牧場経営者
• 鳩山海輔：義輔の弟

小林先生と若狭先生が少年探偵団を連れてバスで鳩山牧場に向かう。鶏を譲ってもらうためだ。 安室も同じバスで、どこかに捕えられている風見を探しに鳩山牧場に向かう。 同じバスで、日塚、南武、加納という男たちも鳩山牧場に向かっていた。 後に、彼らは隕石ハンターであることが分かる。

歩美が鶏を追いかけているうちに皆からはぐれる。皆で歩美を探していると、鳩山海輔が現れ、 歩美を人質にして小林先生、安室、コナン、光彦、歩美を脅し、彼らを牧場の地下室に閉じ込める。 そこには、先に捕まっていた風見がいて、鳩山義輔の死体があった。義輔は首吊り自殺したようだった。

分かれて歩美を探していた若狭先生、元太、灰原に海輔が近づく。すると、日塚、南武がやってきた。 海輔、日塚、南武は山の方へ向かう。彼らは、先に山に行っていた加納と合流する。

コナンらの推理によると、義輔は隕石を拾ったが、鑑定をすると言ってくれた人に騙されて、自殺に追い込まれた。 海輔はその復讐として、隕石ハンターたちを皆殺しにするつもりらしい。コナンらを閉じ込めたのは、その邪魔を されたくないからのようだった。

コナンは、即席のブラックライトで靴を照らし、義輔を騙した犯人をあぶりだす方法を思いつき、灰原に伝授する。 若狭先生、灰原、加納の活躍で、海輔の復讐を封じるとともに、犯人が南武だと突き止めた。南武は、隕石研究者ではなく、 ただの隕石ハンターだった。

安室が将棋の角の駒を拾う。それは、もともと羽田浩司が御守りとして持っていた駒のようで、 若狭先生が落としたものだった。

最後の場面で、若狭先生は、安室を一瞬真っ暗な地下室に閉じ込めて気絶させ、将棋の駒を取り戻す。

• 塀島湾也：テレビプロデューサー
• 馬場貫康：馬場家長男
• 馬場宝華：貫康の妻、塀島の姉、失踪中
• 馬場風悟：馬場家次男
• 馬場緋美：風悟の妻

沖野ヨーコが小五郎事務所に相談に訪れる。テレビドラマのロケハンで行った軽井沢の別荘で起こった怪事件の謎を解いてほしいというのだ。

ヨーコはプロデューサーの塀島とその別荘に行った。その別荘は塀島の姉が嫁いでいった馬場家のもので、塀島の姉は そこで失踪したという。真夜中にうめき声がして、廊下を走る音がしたので、ヨーコが出て行き、家の人たちも集まってきたが、 馬場貫康がいない。探し回って４日目の朝、密室状態の屋根裏部屋で、ボーガンが刺さった貫康の死体が発見された。

コナンと脇田兼則がその場で謎を解く。犯人は緋美だった。緋美は、親友だった宝華は貫康に殺されたものとにらんで、 貫康にボーガンを撃ったのだった。貫康は屋根裏部屋に逃げ込んだものの、誰も助けが来なくて死んだのだった。 風悟もそのことを知っていたと見られる。宝華は風悟の初恋の人でもあった。

小五郎がお腹をこわして、トイレに入るも、トイレットペーパーが無いという窮地に陥る。 沖野ヨーコがいるときに大声を出すのも恥ずかしいので、コナンに暗号メールを出す。

小五郎がそうやって暗号メールを出したことが謎を解くヒントになる。 貫康も風悟に暗号メールを出していた。それは風悟の妻の緋美に知られたくなかったからだ。