邪悪の家

著者Agatha Christie
訳者田村 隆一
シリーズクリスティー文庫 6
発行所早川書房
刊行2004/02/15
原題Peril at End House
原出版社イギリス版 Collins Crime Club / アメリカ版 Dodd, Mead and Company
原著刊行1932
入手名古屋栄のマナハウスで購入
読了2023/01/17
参考 web pages Wikipedia「邪悪の家」
Wikipedia「Peril at End House」
エンドハウスの怪事件 in 「名探偵ポワロ」データベース
Peril at End House Part 1 YouTube
Wikipedia「名探偵ポワロ」
Wikipedia -- List of Agatha Christie's Poirot episodes

以前にも読んだことがある。 今回は Suchet 版のテレビドラマを見ながら、ノートを取りつつの再読。

嘘を言ったり、本当のことを隠していたりする人が複数名いる中で、わずかなほころびからポアロが真相を つかみ取っていくのがポアロらしいところである。真相をあぶり出すためにポアロが Nick を死んだことにするという 芝居を打ち、その芝居の間は、嘘をつくのが下手なヘイスティングスが病気で寝込んでいるという都合の良い筋書きに しているところは、ちょっと笑える。Suchet 版では、それは不自然だと思ったのか、ヘイスティングスがロンドンに 行っている間にポアロはその芝居を打つことを決める。

最後の Poirot による真相開示の場面がもともと芝居仕立てであるせいもあって、Suchet 版は 比較的原作通りにテレビドラマ化されている。もちろん放送時間の 100 分に納めるために省略されている 部分もあるが、登場人物もほぼ原作のまま(ただし、Miss Lemon が出て来る)だし、 Suchet 版シリーズの中でも最も原作に忠実なもののひとつである。それだけ原作がよくできているとも言える。

真相にたどり着くのに時間がかかる理由の一つが、被害者をいつも Maggie Buckley と呼んでいるために その本名がなかなかわからないということである。しかし、現実的に考えてみると、被害者の本名が なかなか会話なり新聞記事なりに出てこないということがあるのだろうか、という気はする。

各章ごとのあらすじといろいろなメモ

1 マジェスティック・ホテル

2 エンド・ハウス

3 果たして事故か?

4 くさいぞ!

5 クロフト夫妻

6 ヴァイス氏を訪問

7 悲劇

8 運命のショール

9 A から J まで

10 ニックの秘密

11 動機

12 エレン

13 手紙

14 なくなった遺言書の謎

15 フレデリカの奇妙な態度

16 ホイットフィールド氏との会見

17 チョコレートの箱

18 窓に出た顔

19 ポアロの演出

20 J

21 K

22 終幕

Suchet テレビドラマ版のあらすじといろいろなメモ

Suchet 版は第11話「エンドハウスの怪事件」(脚本 Clive Exton)。

比較的原作に忠実なドラマ化である。もちろん時間に納めるために全体的に短縮されている。 主な改変点は以下の通り:

1 マジェスティック・ホテル

2 エンド・ハウス

3 果たして事故か

4 くさいぞ!

以下、原作の 5 と 6 に相当する場面の順番が入れ替えられている。

6 ヴァイス氏を訪問

5 クロフト夫妻

7 悲劇、8 運命のショール

9 A から J まで

10 ニックの秘密

11 動機

12 エレン、15 フレデリカの奇妙な態度

13 手紙、14 なくなった遺言書の謎、16 ホイットフィールド氏との会見

17 チョコレートの箱

18 窓に出た顔

19 ポアロの演出

20 J

21 K、22 終幕