名探偵コナン 79～81 巻

• 観月秀理：元高校教師
• 肥土桐也：連続殺人犯
• 布浦海象：株のブローカー
• 名波：現場に居合わせた女性
• 陸奥勲夫：マンション住人、ビルのメンテナンス会社勤務
• 余田拓郎：マンション住人、大学生
• 井筒尚子：マンション住人、漫画家

観月なる男が自殺したかに見えたが、踏み台の椅子が低すぎる。この謎を探りに、平次、和葉、大滝警部が東京にやってきた。 彼らは、コナン、蘭、小五郎とともに現場のマンションを見に行く。平次とコナンは、本当の踏み台は細長いゴミ箱であって、 掃除ロボットがその位置をずらしていたことに気付いた。すなわち、観月はやはり自殺だった。

観月が自分を他殺に見せかけたのは、恨んでいた株のブローカーを犯人に見せたかったせいらしい。 そのブローカーは２階に住んでいる布浦という男だ。

一行がエレベーターで帰ろうとすると、その布浦がエレベーターの中に見え、一行の目の前で拳銃自殺したように見えた。 エレベーターはそのまま上に行ったのだが、また降りてきて扉が開いた。そこには布浦の死体があった。

平次とコナンは、布浦が自殺とするとおかしな点をいくつか発見した。他殺とすれば、犯人はこのマンションの３階よりも上に 住んでいる人のはずだった。アリバイが無いのは、陸奥、余田、井筒の３名だった。

犯人は井筒だった。井筒は、布浦を銃殺した後で、タブレットを使って布浦が自殺したように見える動画を エレベータを待っている人に見せた。そのままエレベーターで上に上がって、タブレットを持ち出し、死体だけそのままにした。 動機は、高校の時の担任の観月の自殺の原因を布浦が作ったからだった。

• 清水：半年前に殺された寅倉家メイド
• 寅倉迫弥：寅倉家長男で当主、元寅倉総合病院院長
• 古賀陸重：寅倉家執事
• 寅倉麻信：寅倉家次男
• 寅倉瑠莉：麻信の妻
• 寅倉守与：寅倉家長女
• 羽川条平：守与の恋人
• 寅倉岸治：寅倉家三男
• 寅倉実那：寅倉家次女
• 桧原ひかる：寅倉家メイド、迫弥の亡き婚約者の陽子の連れ子

前エピソードの続きで、大滝警部が寅倉家の遺産相続の会議に出席してほしいと服部本部長に依頼される。 平次、コナンらは勝手にそれについて行く。半年前に、その家のメイドが吸血鬼に殺されたという話がある。 さらに、寅倉家当主の迫弥の様子が最近は吸血鬼のようだという。

迫弥は不治の病に侵されているということで、夕食後に遺産相続の会議が行われることになっていた。 ところが、なかなか迫弥が現れない。蘭と和葉が連れてくることになって、迫弥の部屋に行く。 そこにあった棺桶を開けてみると、胸に木の杭を刺された迫弥の死体があった。蘭と和葉の叫び声を聞きつけて、 平次とコナンが駆けつけると、棺桶の中には何もなかった。

迫弥が見つからないので、とりあえず迫弥抜きで恒例の寅倉一家の写真撮影が行われる。写真を撮ったとき、 蘭と和葉が叫び声を上げる。後ろの鏡に迫弥の姿が映ったという。岸治が写真を現像したところ、たしかに迫弥の姿が写っていた。

皆が食堂に集まると、窓に逆さになった迫弥の姿が見えた。窓に寄ると、姿は上の方に消えた。そこで、上にある 屋根裏の煙草部屋に行ってみると、麻信が頸動脈を切られて殺されていた。

平次とコナンは、屋敷をいろいろ捜索して、不思議なことをいろいろ見つける。南蛮の拷問道具を集めた「南蛮部屋」がある。 迫弥の部屋の床には秘密の通路がある。ひかるは迫弥に気に入られていたと言っていたが、古賀によれば迫弥はひかるを嫌っていたいう。

平次とコナンは、謎の半分を解いた。迫弥の部屋の棺桶の裏には引き戸がついていて、そこから床下にある秘密の通路に行けた。 半年前にメイドの清水を殺したのは迫弥だったと考えられる。さらに、写真を撮った部屋の鏡はハーフミラーになっていて、 その裏側には隣の部屋のクローゼットがあった。クローゼットに入って顔に光を当てれば、鏡に姿を映すことができる。

その謎解きの披露が終わった時、門番が森で守与の死体を見つけたという連絡が入った。死体は棒に縛り付けられていた。

平次とコナンは、犯人が羽川と見て彼を罠にかける。殺人計画は、迫弥がひかるのために作ったものだった。 それを羽川が先に見て、その通り実行し、最後はひかるを殺してひかるのせいにするつもりだった。そうして 実那とよりを戻して遺産を手にするつもりだった。

そもそもひかるは迫弥の実の娘だった。その母親の陽子を、清水、守与、麻信、羽川が殺したのを知って、その復讐をひかるにやらせようとしたのだった。 迫弥は、古賀には、ひかるを嫌っているふりをした。まず、迫弥は自分で清水を殺した。次に、ギロチンで自殺し、首と連続殺人計画書をひかるに残した。 羽川は、その計画書に従い、その首を使って、まず死体が棺桶に入っているように見せ、次に秘密の通路から首と服を引っ張って棺桶を空にし、その後その首を鏡に映した。 それから、麻信を殺し、迫弥の首を窓の外に見せた。守与は、殺した後に、棒に縛り付けて、その両側に氷の車輪を付け 転がして森の中に行くようにした。最後に、計画書ではひかるが羽川を殺すことになっていたが、羽川はそれを逆転させて、ひかるを殺そうとした。 それを平次とコナンに阻止されたのだった。

迫弥と羽川の二重の犯人、秘密の通路等の多くの仕掛け

なお、アニメオリジナルエピソード『ドラキュラ荘殺人事件』でも寅倉という名字の人が主の事件が出てくるが、 それとは無関係らしい

• 宅配便の男二人組

概要はすでに書いたので、 ここでは使われている感熱紙の仕組みについてまとめておく。

クール宅配便のコンテナ（冷蔵室）から出るに出られなくなったコナンは、猫の「大尉」にレシートを改変した紙を託す。 レシートは感熱紙で、虫刺され薬で色を消せる。その性質を使って、レシートの文字を部分的に消して、Corpse（死体）という単語と 冷凍車のナンバーを出した。

感熱紙の仕組みは以下のとおりである。感熱紙には、色素と顕色剤が塗ってある。加熱すると、 その両者が反応して黒くなる。顕色剤は酸性の物質で、黒くなった色素にアルカリ性の物質を反応させると色が消える。 虫刺され薬にはアンモニアが含まれていてアルカリ性なので、それを塗ると色が消える。 [YouTube にあった実験動画]

• 栗村習平：パティシエ
• 武木正徳：パティシエ界の重鎮
• 春日寺文：フードコーディネーター
• 樽岡利英：日売ＴＶプロデューサー
• 降谷渡：日売ＴＶ・ＡＤ

概要はすでに書いたので、ここでは、 鍵の交換をすることなしに A から B に秘密の物品（あるいは文書）を送付する方法についてまとめておく。

物品を送る箱は錠前が２つ付けられるとする。A は送る箱に中身を入れ、自分の錠前を付けて鍵をかけ、B に送る。 次に B は箱に自分の錠前を付けて鍵をかけ、A に送り返す。次に、A は自分がつけた錠前を開けて外し、 B に送る。最後に、B は自分の錠前を開ければ、中身を取り出すことができる。こうすると、A から B への経路で 鍵を開けられる心配がない。

これは有名らしく、数学パズル（論理パズル）の問題として こことか ここなどにある。後者の 答えの部分にある通り、暗号手法と関係がある。より詳しい説明はこちら。

• 米原桜子：家政婦
• 伊丹永信：マンション住人
• 伊丹知代子：永信の妻
• 伊丹靖家：永信の息子

概要はすでに書いたので、 ここでは、主要なトリックを２つまとめておく。

1. ４年前に知代子が乗った飛行機が墜落しかけた時に書いた遺書を取ってあって、それを置いておくことで自殺に見せる。
2. 買い物から帰ってきたときに、寝室の扉が閉まるように仕掛けておいて、そのとき知代子がまだ生きていたように見せる。 寝室の窓を開けてあったので、玄関の扉を開けると寝室の扉が自動的にしまったのだ。ただ、それだけだと 永信が知代子を殺して玄関を出るときに扉が閉まってしまう。そうならないように、寝室の扉の蝶番の側に 携帯電話をはさんでおき、外から電話をかけることでバイブで落とした。

• 坂巻重守：花見客
• 弁崎桐平：花見客
• 矢谷郁代：花見客
• 段野頼子：花見客
• 素江：「弁崎」の妻

阿笠博士と少年探偵団が神社で花見をしていると、ジョディがやってくる。コナンは、ジョディに、以前見た赤井秀一に似た男は バーボン＝安室透の変装だったと教え、彼がなぜまだポアロにいるのか調べてほしいと言う。

花見客の矢谷が、スリがいると騒ぎだす。それからしばらくして、阿笠博士からコナンに電話がある。トイレで殺人があったという。 駆けつけてみると、矢谷が撲殺されていた。彼女は、「黒兵衛」と呼ばれているスリらしい。 彼女の札入れには、札に包まれたＧＰＳ発信機が入っていた。犯人は、わざと掏らせて発信機を入れることによって黒兵衛を特定し、撲殺したと見られる。

講演のゴミ箱から掏られた財布が４つ見つかり、その持ち主のジョディ、弁崎、段野、坂巻が容疑者ということになった。 ジョディはずっと少年探偵団と一緒だったから容疑者から外れる。

犯人は段野だった。５円玉を束ねたものを凶器にしており、使い終わった５円玉は全部賽銭箱に入れていた。 しかし、５円玉を束ねていた靴紐から血痕が見つかり、彼女が犯人だとわかった。動機は、前の年に財布を掏られて、 財布の中に入れていた車のキーが使えず、息子が車内に閉じ込められて死んだことだった。

弁崎と素江は、安室とベルモットの変装した姿だった。ジョディに盗聴器を付けて様子を探っていたのだった。

• 福井柚嬉：バーテンダー
• 薄田周史：会社員、部長
• 吉森：以前自殺した
• 岸浦実夏：会社員
• 初村健策：会社員
• 小暮紋平：会社員

小五郎はバーテンダーの福井からの依頼を受け、彼女のバーで酒を飲んでいる。依頼内容は、 仕事中に聞こえたポンという音とその後にする柚子の香りの正体は何かということだった。 薄田、岸浦、初村、小暮は同じ会社の社員で、その音と香りがするときには必ずいるという。 薄田は、部下の岸浦、初村、小暮にプレゼントを強要していて恨まれている。

コナンが小五郎を呼びに行くと、小暮が開けたシャンパンが飛び散って周囲がビショビショになった。 机に突っ伏して寝込んでいるかに見える薄田をよく見ると、彼は死んでいた。首筋に赤い点があった。 犯人は、尖ったものに神経毒を塗って刺したようだった。

犯人は、小暮だった。小暮は、薄田と二人になった隙に、毒を塗ったダーツの矢で薄田を刺した。 使った矢の先端は、フィルムケースロケットに固定し、上向きに発射して天井に刺した。 発射と同時にシャンパンを抜いて、テーブルを汚し、ロケットに使った発泡入浴剤を拭き取った。 動機は、薄田のパワハラで自殺した同僚の復讐だった。福井が以前耳にした音と柚子の香りは、木暮が フィルムケースロケットを飛ばす練習をしたことに伴うものだった。

最後に、高木の言葉から、コナンは前エピソードに出てきた弁崎と素江が安室とベルモットの変装だったかもしれないことに気付く。

• 北尾留海：大学生
• 摂津健哉：大学生
• 北尾恵子：留海の妹、高校生
• 和香：摂津の元カノ
• 加賀充昭：大学生

蘭とコナンは、世良の浮気調査の手伝いをさせられる羽目になる。留海は、摂津と付き合っているのだが、 摂津がプレイボーイなので、素行調査を世良に頼んだのだ。

留海と摂津を話しているところに蘭とコナンが現れ、食事会に混ぜてもらうことになる。摂津の友人の加賀が現れるが、 元カノの和香がなかなか来ない。そこで、留海と加賀が和香のマンションの部屋に様子を見に行くことにする。 蘭が浴室を覗くと、和香が倒れていた。助け起こそうとすると、蘭も気を失ってしまった。その後、留海も倒れたらしい。 浴室にはクロロホルムが充満していた。

和香は撲殺されていた。蘭と留海は意識を取り戻した。犯人は摂津だった。動機は、和香が摂津の今までの悪さを 暴露して会長の娘と付き合えなくすると脅していたためだった。摂津が留海と付き合っていたのは、留海を和香殺しの 犯人に仕立てるためだった。