名探偵コナン 秋の紅葉特集

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2020/10/15--2020/10/31(公式アプリ)
入手名探偵コナン公式アプリ
読了2020/10/31

スマホアプリ「名探偵コナン」で、秋の紅葉が出てくる事件を集めたもの。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項秋と紅葉に関して
14追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件 1 写真があった!!、2 電話の数字、3 事件はこれから!?、4 落葉の中の尋問、5 母さんの胸の中!?、6 コナンの笑み…、7 有希子の笑み…、8 もう一人の…
  • 九十九七恵
  • 九十九元康
  • 真田一三
  • 三好麻子
  • 百地裕士
  • 九十九文乃
  • 籔内広美
  • 籔内義房
  • カルロス
  • 籔内秀和
  • 籔内義行
  • 籔内敬子
  • 籔内真知子

概要はすでに書いたので、 ここでは、前半の事件で犯人が九十九元康を殺したトリックについてまとめておく。

元康が毒を飲んで死んだとき、妻の七恵、弟子の真田、三好、百地は米花ホテルでディナーショーの最中だった。 しかも元康は、助けを求められるのに求めていないようだった。

犯人は三好で、三好は元康に「新しい手品のネタを見てくれ」と言って、彼の指輪に糸をかけて、 それを後ろ手になるように結んだ。そして毒入りカプセルを飲ませた。ショーの最中にカプセルが溶けて 元康は死んだ。元康は手を縛られていたのでドアを開けられなかったし、電話線を抜かれていたので電話もかけられなかった。

阿笠博士が最初の方で「秋は恋愛の季節」と言っていることから、季節は秋だとわかる。

前半の事件の最後から後半の事件の冒頭にかけて、蘭がコナンを新一の家の前に連れて行ったとき、 落ち葉が風に舞っていた。ということは晩秋であろうということになる。

後半の事件では、死んだ真知子の服のポケットからサザンカの花が出てきている。このことからも晩秋だということがわかる。

27, 28きのこと熊と探偵団10 呉越同舟、1 小さな標的、2 殺意の真意
  • 八坂清:ハンター
  • 雑賀又三郎:ハンター
  • 根来友也:ハンター

概要はすでに書いたので、 ここでは、最近のクマ出没の話題をまとめておく。

今年 (2020 年) は街中へのクマの出現が多いらしい。 その原因としては以下のようなものが考えられるそうだ: (1) 今年は、ドングリやクリが不作で、クマが餌を求めて町までやってくる。 (2) 2年前は豊作で、その時にクマがベビーブームになったため、2歳のクマが多い。(3) 新型コロナウイルスの影響で人が外に出なくなった影響。

クマ出没に関する統計は 環境省が出している。

九州ではツキノワグマは絶滅したとされているが、目撃情報もあるようだ。 ただし、アナグマをクマと見間違えたという事例もある。

少年探偵団は松茸狩りに来ている。ということは、時期は 9~10 月ころと見られる。

キノコにちなんで、灰原と光彦が作った暗号をまとめておこう。 それはテングタケ、マツタケ、シイタケを1つずつ枝に刺して、シメジ3本とハツタケ1本を傍に落としておくというもの。 シメジ3本は3人の子供(コナン、歩美、元太)、ハツタケは阿笠博士を表している。枝に刺さったキノコはハンター3人を表す。 枝を犯人の銃に見立てており、松茸が斜めに枝に刺さっていることから、猟銃を斜めに背負っている雑賀が犯人ということになる。

40イチョウ色の初恋7 博士の初恋、8 思い出の場所、9 初恋・再会・別れ
  • 木之下フサエ(フサエ・キャンベル):阿笠博士の初恋の人
  • 野井:阿笠博士が子供のころ、学校の帰り道にいた大型犬の飼い主
  • 蝶野晴男:阿笠博士の6歳下の昔馴染み
  • ビリー:木之下の母の再婚相手の友人

少年探偵団は、阿笠博士から初恋話を聞く。小学校6年生の秋、4年生の女の子と一緒に学校に通っていたという。 その子は突然引っ越して、10年後に会いましょうというハガキを残していた。博士は 10 年後、20 年後と心当たりの 場所で待ってみたが、その子は来なかった。今日は 40 年後のその日だった。

ハガキには 4163 33 6 0 という暗号が書いてあった。少年探偵団は、4163 は、東都動物園の初代園長の 小畑与一郎さんのことかもしれないと思い、東都動物園に行ってみる。そこで、阿笠博士は昔の知り合い2人に出会うが、 目当ての人ではなかった。

コナンは、暗号が英語の動物の鳴き声の文字数であることに気付く。すると、暗号は 「Cock-a-doodle-doo Bow-wow Squeak 動物がいない」となる。すなわち、「鶏のいる場所、犬がいる場所、ハムスターがいる場所、 動物がいない場所」で、阿笠博士の思い出と組み合わせると「小学校、野井、蝶野、木之下」となり、続けて読むと 「小学校のイチョウの木の下」となる。そこで、皆でそこに行ってみる。

果たしてそこには美しい女性がいた。しかし、その女性は少年探偵団を阿笠博士の孫だと思い、阿笠博士は 女性の連れの男性を夫だと思ったので、二、三言挨拶を交わして二人は別れた。しかし、まさしくその女性は 阿笠博士の初恋の人の木之下で、彼女は独身だった。

この出来事が起こった日が 11 月 24 日で、その 40 年前に阿笠博士の初恋の人が引っ越しでどこか遠くに行った。 イチョウの落ち葉の思い出がよみがえる。

小学校では、黄色いイチョウの葉が舞っている。イチョウの木の下で木之下が阿笠博士を待っていた。

コナンも、10 年前の小学校1年生の時、蘭がこの女性とイチョウの下で話をしているのを見たことを思い出す。

このエピソードは、全体としてイチョウ尽くしで胸キュン型の佳品になっている。 暗号は、小学生が考えたにしては、やや凝りすぎな気もするけど。

52園子の赤いハンカチ9 園子の赤いハンカチ、10 カタカナの名前、11 スーパーマン
  • 八月一日(ホヅミ):ドラマ『冬の紅葉』のAD
  • 大隈勇:宿泊客
  • 綿貫辰三:宿泊客
  • ハンス・バックリー:宿泊客

概要はすでに書いたので、 ここでは、京極真が突然現れたいきさつについてまとめるとともに犯人に関するメモを書いておく。

ドラマ『冬の紅葉』に因んで、園子が京極に「今年のイヴイヴ冬の紅葉の下で待ってます」というメールを出す。 京極は『冬の紅葉』は知っていたので、正しくその場所に来たのは良いものの、「イヴイヴ」がいつのことかわからなくて、 テントを張ってその日まで待つことにした、ということだった。

最後に出てくる悪党が、背の低いおむすび顔の人相の悪い老人で、暴力団幹部という構図は、No.92『大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城[2]』でも出てきた。顔は違えて描かれているが、雰囲気は似ている。 最後にたくさんの子分を連れて出てきて、大捕り物が行われるという点も同じである。

園子、蘭、コナンが群馬の山に紅葉狩りに来ている。旅館のノートに 10 月 15 日(土) と書くという場面が出てくる。 旅館の名前が「赤樹旅館」で、これは赤城山から連想されたものだと考えられる。 赤城山は、10 月上旬から 11 月上旬が紅葉シーズンらしいので、まさに紅葉の盛りに来ているということのようだ。

一方、この 52 巻のコミックの刊行は 2006 年 1 月だから、これは 2005 年の出来事だと考えられ、実際、 2005 年 10 月 15 日は土曜日である。

ついでに日付つながりで、日付の難読名字が謎を解く手がかりとして出てくる。それについてのコナンの解説をまとめる。 「四月一日」は、着物の綿を抜いて夏着にする時期という意味で「わたぬき」と読む。 「八月一日」は、稲穂を積んで神様に供える日とという意味で「ほづみ」と読む。