名探偵コナン ハロウィン特集

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2020/09/29--2020/10/16(公式アプリ)
入手名探偵コナン公式アプリ
読了2020/10/16

スマホアプリ「名探偵コナン」で、ドラキュラやゾンビなどの怪物が出てくる事件を集めたもの。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項怪物に関して
42黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 5 満月の夜と黒い宴の罠、6 血塗られた幽霊船、7 透明人間現る!、8 工藤新一登場!?、9 仮面の下の真実、10 ラットゥンアップル
  • 亡霊船長
  • メデューサ
  • 狼男
  • フランケン
  • ミイラ男
  • ゾンビ
  • 透明人間
  • カルバドス

概要はすでに書いたので、 ここでは、過去のストーリーにあった伏線が回収される場面を一つメモしておく。

No.97『犯罪の忘れ形見』で、毛利小五郎がてがけた事件の調書が警視庁から盗まれて、後に送り返されるということがあった ことが出てくる。その盗んだのがベルモットであったことがここで明かされる。 ジョディが、「新出先生」に対してあなたはベルモットの変装だと追い詰めるときに、 No.67『暗闇の中の死角』事件で調書に書かれていないことを使っている。 ベルモットは、調書を盗んで送り返したことを認める。送り返したのは、FBI に毛利探偵事務所を張り込ませて、 FBI の動きをあぶり出すためだった。

怪物のまとめはすでに書いたので、 ここでは、タロットカードの「悪魔」とカクテルのシルバー・ブレットについてまとめる。

「悪魔」のカード番号は 15 (XV) で、漫画では山羊の頭部のようなものが描かれている。 「 タロットファン.jp」によると、図像には複数のパターンがあるようだ。 悪魔は占星術の山羊座 と結びついており、その意味でも山羊を図像として使うものも多いらしい。

カクテルの「シルバー・ブレット」は魔除けの酒ということで、福浦殺しの犯人を示す証拠として使われている。 名探偵コナンにおける「シルバー・ブレット」について まとめたページがある。

79, 80服部平次と吸血鬼館 6 吸血鬼の館、7 ドラキュラ伯爵、8 心霊写真、9 南蛮部屋、10 怪奇現象の半分、11 それぞれの動機、1 殺人鬼の計画
  • 古賀陸重
  • 寅倉麻信
  • 寅倉瑠莉
  • 寅倉守与
  • 羽川条平:守与の恋人、犯人
  • 寅倉岸治
  • 寅倉実那
  • 桧原ひかる

概要はすでに書いたので、 ここでは、トリックの一つをまとめておく。

一同が窓を見ると、窓の外に伯弥の首が逆さに吊り下がっていて、少し後に上方に向かって消える場面がある。 そして、その後、コウモリのようなものが飛び去る。

首が上に行ったように見えたのは、窓にはめられた凸レンズのトリックで、実際は首は下に落ちていた。 窓全体が凸レンズではないので、凸レンズでない部分は犯人(羽川)が自分の体で隠した。 羽川が窓を開けると、吊っていた糸が外れて、首が下に落ちるようになっていた。

コウモリのようなものは、伯弥が以前に購入していたおもちゃの羽ばたき飛行機だった。 これは羽川がリモコンで飛ばした。

ドラキュラの元は、Bram Stoker の小説『ドラキュラ』。が、読んだことが無いので、よく知らない。 登場人物の名前は、小説の登場人物の名前から発想されたものであるらしい。 たとえば、羽川条平は Jonathan Harker より、実那は Jonathan Harker の婚約者の Wilhelmina "Mina" Murray より 取ったもの。

そういえば、Sesame Street に Count von Count(カウント伯爵)という数えるのが好きな吸血鬼風のキャラクターがいたが、 もちろん Count Dracula(ドラキュラ伯爵)のイメージを借りてきたもの。

88ゾンビが囲む別荘 5 ゾンビブレイド、6 死霊の葬列、7 人食いゾンビ、8 死人の行方、9 灯台下暗し
  • 内東徹人:映画監督
  • 河端理亜:女優
  • 原脇崇:プロデューサー
  • 江尻恭子:カメラマン
  • 倍賞織江:照明スタッフ
  • 二宮雅八:音響スタッフ
  • 内藤丞治:徹人の弟

小五郎が、沖野ヨーコ出演のC級ホラー映画『ゾンビブレイド』のロケ地を見に行くということで、蘭とコナンもついていく。 ロケ地の貸別荘に行ったところ、平次と和葉も来ていた。ゾンビが出たという話があってその真相を探りに来たとのこと。

そこへ、ゾンビブレイドの続編を撮影しに来たという一行が現れる。内東の弟丞治と河端、原脇、江尻、倍賞、二宮は大学の時に ホラー研究会の仲間だった。8年前、この貸別荘でホラー研究会が映画を撮影していたとき、 丞治が突然姿を消し、3日後に部屋で餓死しているのが発見された。

撮影をしていると、原脇がいない。平次とコナンが探しに行くと、部屋で死んでいた。 青酸カリによる自殺のようだった。というのも携帯電話でその様子の動画が撮影されており、自分で毒を飲んでいたからだ。

貸別荘の周囲には、ゾンビがたくさんいるようだ。しかし、それらのゾンビは、実は、原脇がこっそり募集した 『ゾンビブレイド』続編のエキストラのオーディションに来ていたのだった。

建物の2階に上がった蘭と和葉は、江尻の死体を発見した。置いてあった携帯電話で動画が撮影されていた。 それを見ると、江尻は、原脇が首筋にかぶりついて殺していたように見えた。実際は、刃物で頸動脈を切っていた。

原脇の部屋に戻ってみると、原脇の死体が消えていた。死体は部屋のどこにも無いし、外に持ち去られた様子もなかった。

平次とコナンが謎を解く。まず、動画の映像は8年前の映画のシーンだった。8年前に起こったことは、 丞治がタンスの中に人が隠れられるようにしておいて、自ら隠れて姿を消した。しかし、探していた仲間がそのタンスを 動かしてしまったので、出られなくなり餓死した。河端理亜はその仕掛けを知ってはいたものの、それで丞治が出られなくなるとは 思っておらず、結果的に見殺しにしたことになった。理亜は、3日後に来た時に、その死体を外に出し、タンスの仕掛けのことは 皆に黙っていた。ところが、タンスの中に丞治が書いていた理亜への恨みの言葉を原脇が見つけて、理亜を脅迫してきたので、 理亜は原脇を毒殺した。さらに、江尻が動画のトリックに気付いたので、理亜は江尻の首筋を切った。

話の中の映画の題名に現れる「ゾンビブレイド」はゾンビを倒す魔剣という設定である。

ゾンビ映画はたくさんある。 アメリカ発祥のようだが、他の国でも作られているらしい。「ブレイド blade」と名の付く映画も 『ブレイド』シリーズのほか 『ブレードランナー』なども あって、作者が何を意識していたのかは不明。

ゾンビというのは、 ブードゥー教起源とされ、リンク先のサイトによれば、ブードゥー教では犯罪者への刑罰だとのこと。 ゾンビ映画は、ハリウッドがそれを面白おかしく映画にしたもので、ブードゥーへのイメージダウンをもたらしたと 日本語 Wikipedia には書かれているが、英語の Wikipedia からはそのような記述があるところが私には見つけられなかった。 アメリカにもそういう反省はあるのだろうか。

ところで、ハロウィン・ソングといえば、 Michael Jackson の Thriller だそうで、ゾンビダンスが有名である。歌としては全然怖くないけど、 ゾンビにスタイリッシュな踊りをさせたところが画期的。すっかりアメリカンなお祭りという感じである。