名探偵コナン 年末年始はゆっくりコナンを読もう!特集

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2019/12/26--2020/01/14(公式アプリ)
入手名探偵コナン公式アプリ
読了2020/01/05

スマホアプリ「名探偵コナン」の年末年始特集に掲載されている6つのエピソードのメモ。 有料会員にはもっとたくさんのエピソードが公開されているが、これは無料分。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項
25命がけの復活 [洞窟の探偵団/負傷した名探偵]9 手負いの探偵団、10 心強き名探偵達、11 一つの確信
  • 3人の銀行強盗犯

蘭が、毛利探偵事務所で学園祭の劇の練習をしている場面から始まる。

阿笠博士と少年探偵団がキャンプに行く場面に移る。阿笠博士と灰原が料理の準備をしている間に、 光彦が洞窟を見つけて、光彦、歩美、元太、コナンは中に入って探検を始める。 奥に人がいそうなので、元太が行ってみると、銀行強盗犯の3人の男が死体を運んでいた。驚いた元太が声を上げて、 子供たちが逃げて隠れようとすると、拳銃を撃たれる。弾はコナンに当たってしまった。

コナンらは、灰原に警察を呼んでもらえるような仕掛けを残しつつ、洞窟の奥に逃れる。コナンは正しい逃げ道に 気付いて、「龍の道」と言いかけたが、傷のために気を失ってしまった。 光彦は、コナンの言っていた「龍」が将棋の龍であることに気付き、正しい道が分かった。子供達は犯人につかまりそうになるが、 出口には阿笠博士と灰原が呼んでいた警察が待っていて、銀行強盗犯はつかまった。

コナンは米花総合病院に運ばれて治療を受ける。コナンは、蘭の輸血で助かった。蘭は、コナンが新一だと気付いており、 自分がコナンと同じ血液型だとわかったようだった。

26命がけの復活 [第3の選択/黒衣の騎士]1 迷える心、2 突然の侵入者、3 覆われた真実、4 命懸けの復活
  • 三谷陽太:米花総合病院警備員
  • 鴻上舞衣:米花総合病院事務員
  • 野田夢美:米花総合病院看護師
  • 蒲田耕平:米花総合病院医師
  • 蜷川彩子:帝丹高校3年生、米花総合病院長の娘、蒲田の婚約者だった

以前概要を書いたので、ここでは青酸カリによる毒殺の特徴についてまとめておく。

  • エピソード内では、服部平次が次のように説明している。死んだ人間はふつう血の気が引くが、血色がよくなる。というのは、青酸カリは細胞中の 電子伝達系の働きを損なうので、血液中の酸素が使われずに循環するから、血色がよくなる。さらに、アーモンド臭がする。
  • より詳しいのは、日本化学会近畿支部の説明である。 「青酸カリはKCNという化学式で表せます。水に溶けるとK+とCN-になります。このCN-が消化器から吸収され全身にまわります。(中略) 細胞は呼吸によりエネルギーを得ていますが、その実体はミトコンドリアという器官で電子伝達系(水素伝達系)という 一連の電子の流れで酸化が起こり、そのときに作られるプロトン(H+)の膜を介した動きを利用して、 生体で使われるATPというエネルギー源を作ることになります。この電子伝達系の最後の酵素である シトクロームオキシダーゼという酵素は、酵素活性を出すために鉄を含んでいます(酵素の活性中心といいます)。 先に述べたようにCN-は金属イオンと強く結合する性質があるために、酵素の中の大事な鉄と結合し、 この酵素の働きを止めてしまいます。そこで細胞は呼吸ができなくなって死んでしまいます。以上がミクロ的にみた青酸の毒性です。」

このエピソードにおける新出先生がベルモットの変装かどうかは微妙だが、 それを示す様子は描かれていないので、まだ本人だと思われる。

このエピソードでは、コナンは、灰原の解毒薬のおかげで新一の姿に戻っている。それが次のエピソードに続く。

26命がけの復活 [帰ってきた新一…&約束の場所]5 束の間の休息、6 穏やかな時間、7 思い出の場所
  • 辰巳泰治:ゲーム会社社長
  • 大場悟:ゲーム会社部長
  • 辰巳桜子:辰巳泰治の娘

蘭と新一は、夜に米花センタービル展望レストランでデートしている。

このエピソードは倒叙物で、大場悟が、辰巳桜子とキスをしながら、扉の開いたエレベーターの中の辰巳泰治を銃殺する様子が描かれる。 銃声は、パーティーが始まる音とサイレンサーに消されて、桜子はそれに気付かない。

新一が蘭に告白しようとしたとき、悲鳴が聞こえる。エレベーターの中で辰巳泰治社長の死体が見つかったのだ。 新一は現場に行って、犯人は大場だと言い当てる。動機は、父親を自殺に追い込んだ恨みだった。大場の父親もゲーム会社をやっていたが、 20年前に辰巳の会社に吸収合併された。ノウハウは奪われ、社員はリストラされ、失意の父親は自殺した。 その自殺は、他殺に見せかけたものだったが、工藤優作に真相を見破られていた。 そして、大場による復讐劇は工藤新一に真相を見抜かれることになった。

事件を解決した直後、トイレで新一はコナンの姿に戻る。 コナンは、蘭のところに戻って、新一は前に関わっていた事件が大変なことになって出て行った、と告げる。

27バトルゲームの罠7 試合開始、8 TTX…、9 試合終了
  • ジョディ・サンテミリオン:英語教師
  • 尾藤賢吾:無職のゲーマー「米花のシーサー」
  • 出島均:ゲームセンター店員「米花のパトラ」
  • 江守敏嗣:タクシー運転手
  • 志水高保:ゲーム雑誌ライター「杯戸のルータス」

蘭と園子とコナンがゲームセンターに行くと、ジョディ先生がゲームですごい成績を上げていた。ゲーマーらしい。

蘭がファイティングゲームをしていると、凄腕のゲーマーの尾藤が乱入してきて蘭に勝った。そして席を譲れと言う。蘭は仕方なく席を譲る。

尾藤にやはり凄腕の志水がファイティングゲームの闘いを挑む。尾藤が勝ったのだが、気付いたら尾藤が死んでいた。 腕にテトロドトキシン(TTX)を注射されたことによる毒殺だった。

犯人は志水だった。 志水は対戦前に尾藤に毒針を刺して、自分が尾藤のキャラ「シーサー」でゲームをして、尾藤には自分のキャラ「ルータス」でゲームをさせた。 なので、周囲には尾藤が勝ったように見えた。コインについた指紋が決定的な証拠となった。 志水の妹が尾藤と付き合っていたが、尾藤がひどい男で妹が失明寸前になったことが動機であった。

最後に、新出先生がベルモットの変装であることを暗示する伏線が張られる。

65探偵団vs.強盗団 [騒然/沈黙]3 運命の人、4 罠、5 揺れる心

ジョディが赤井秀一らしき男(火傷跡のある男)を街で見かける。

ジョディはお金を下ろす必要があって、帝都銀行に行く。 光彦がお金を預けるというので、阿笠博士と少年探偵団も帝都銀行に来ている。 元太がお腹が痛いというので、元太、光彦、コナン、歩美はトイレに行く。 ジョディが銀行に入るとき、阿笠博士と灰原は元太のために胃薬を買いに外に出る。が、ジョディは2人に気付かない。

そのとき銃声がする。5人組みの強盗団が、ジョディを含めて客と行員を集める。その中に赤井秀一似の男もいた。 が、彼の方はジョディのことを知らないように見える。

強盗団は、支店長に金をケースに詰めさせる。強盗団は、客と行員の目と口をふさぎ、手を縛った。ジョディはトイレに行きたいと言って、 強盗団の一人をトイレで気絶させる。が、強盗団の仲間にスタンガンで失神させられる。

コナンは、強盗団のもう一人を変声機と電話でトイレにおびき出し、気絶させる。コナンは、強盗団の作戦を見破る。 強盗団は客に成りすまし、客のうちの5人に目出し帽をかぶせジャンパーを着せて犯人に見せかける。 その上でケースに仕掛けた爆弾を爆発させる。金は、支店長にネット上で振り込ませ、さらに外国に転送する。

コナンたちは爆弾をエレベーターに乗せて爆発させる。その上で、強盗犯を特定し、機動隊を引き入れようとする。 そのとき、前に気絶させた強盗団の一人にコナンが捕まって撃たれそうになる。間一髪、赤井秀一似の男がその強盗団の一人の肩を撃つ。 強盗団は無事機動隊に取り押さえられる。

77灰原の秘密に迫る影9 自分の領分、10 窮地の烽煙(ほうえん)、11 灯火の孤影
  • 米住速道:フリーター
  • 宇佐木跳三(うさぎ ちょうぞう):写真家
  • 岩隈猛也:米花大学4年生

阿笠博士と少年探偵団はキャンプに向かっている。皆、ベルツリー急行のパスとなる指輪を装着する。 世良真純も偶然を装ってキャンプ場で彼らに合流する。

元太、光彦、歩美、灰原は焚き木を集めに行く。途中で、男が女性の死体を埋めるのを目撃し、必死で逃げる。 阿笠、世良、コナンは4人を心配して探しに行く。すると、二人の警官が女性の死体の周りにいる。女の子から通報があったという。

元太、光彦、歩美、灰原は山小屋に隠れる。先ほどの男女がいた形跡がある。犯人が戻ってくるものの、閂のために中に入れない。 やがて音がしなくなるが、今度は外から鎖がかけられて出られなくなっている。山小屋には火が放たれていた。

山の中にいた男3人が警察のところに連れて来られる。米住、宇佐木、岩隈の3人だ。コナンは、死体の傷から犯人が右利きであると推理し、 この3人の中で唯一の右利きの宇佐木が犯人だと見抜く。さらに、死体の手がうさぎの指が影絵のウサギの形になっていたこともその裏づけだった。 宇佐木は閉所恐怖症で、宇佐木の彼女がそれを荒療治しようとして山小屋に閉じ込めたところ、宇佐木がパニックになって振り回した斧が 彼女に当たったというのが真相だった。

元太、光彦、歩美は救出されていた。救出したのは、アポトキシン4869解毒薬を飲んだ灰原だった。子供たちはそのことに気づかず、 知らない女の人に助けられたと言っている。

光彦がその「知らない女の人」の姿をムービーに撮って、毛利探偵事務所に送ってしまう。それを世良、安室、沖矢が見てしまう。