名探偵コナン 人気エピソードを読んでコナン検定に挑戦しよう

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2002/03/19--2020/05/31(公式アプリ)
入手名探偵コナン公式アプリ
読了2020/04/13

スマホアプリ「名探偵コナン」で、コナンのエピソードをいくつか集めたもの。 コナン検定のヒントになるのであろう。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項特徴
1ジェットコースター殺人事件1 平成のホームズ
  • 工藤新一:帝丹高校2年生、高校生探偵
  • 毛利蘭:新一の同級生で幼馴染
  • 目暮警部
  • 岸田:被害者
  • 愛子:岸田の恋人
  • 体操部の女:岸田の元恋人

概要はすでに書いたが、 だいぶん前なので改めて書き直す。

最初の場面は、警察にも頼りにされる高校生探偵工藤新一の紹介。彼は「平成のシャーロック・ホームズ」を目指している。

次の場面では、新一と蘭がトロピカルランドという遊園地でデートをしている。乗っていたジェットコースターで首切り殺人事件が起きる。 新一は、犯人が元体操部の女であると推理する。彼女は被害者の元恋人で、恋人に捨てられたことを恨んでいたのだった。

新一は、その後、怪しい取引をしていた黒ずくめの男たちを追っているとき、彼らに変な薬を飲まされて体が小さくなってしまった。

警察に頼りにされる高校生探偵がいる、ジェットコースターの上でアクロバチックな殺人が起こる、 薬で体は子供で頭脳は大人になる、という3つのかなり荒唐無稽な設定を最初にしたことが、 結果的に国民的人気漫画になることにつながった。作者は、これらのありえない設定を元にして、 ユーモアあふれる推理漫画という新しい分野を作ってしまった。

成功の理由は上に挙げた3つの設定と関係していると思う。第1に、高校生探偵が大人顔負けの推理をするということで、 子供たちがワクワクする物語になった。第2に、最初からこれだけぶっとんだトリックを使ったので、トリックの選択がわりと自由にできるようになった。 第3に、頭脳は大人の小学生を作ることで、普通ではありえない人間関係をユーモラスに描き出すことに成功した。

7ピアノソナタ「月光」殺人事件2 月影島への招待状、3 ピアノの呪い、4 残された楽譜、5 業火の秘密、6 血染めのボタン、7 名前の秘密!!
  • 浅井成実(あさい なるみ):医師
  • 清水正人:村長選候補者、漁民代表
  • 黒岩辰次:月影村現村長、村長選候補者
  • 川島英夫:村長選候補者、資産家
  • 黒岩令子:黒岩村長の一人娘
  • 平田和明:村長秘書
  • 村沢周一:令子の婚約者
  • 西本健:無職
  • 村の巡査

毛利小五郎の元に月影島の麻生圭二の名前で捜査依頼が届く。そこで、小五郎、蘭、コナンの3人は月影島に向かう。 しかし、村役場に行って見ると、麻生圭二は既に死んでいるという。麻生圭二はピアニストで、12年前、妻と娘を殺して、 自宅に火を放って「月光」ソナタを弾きながら死んでいったという。小五郎はコナンに言われてとりあえず麻生圭二について調べることにする。

公民館に行く途中、浅井成実医師に会う。公民館では、今夜、前村長亀山勇の三回忌をやると教えてもらう。 公民館とその周辺では、村長選をめぐって不穏な空気が漂っている。2年前、前村長は、公民館のピアノの上で死んでいたという。 死ぬ前には「月光」ソナタを弾いていた。

法事が行われる中、「月光」ソナタ第1楽章が聞こえてきた。ピアノ室に行って見ると、川島英夫が殺されていた。 ピアノの音はテープレコーダーから流されていた。死因は溺死。海で殺されて、ピアノ室まで引きずって来られたようだった。 ピアノにはおかしな楽譜が置かれていた。はじめのうちは「月光」だが、途中から変な音になっていた。

翌日夕方、村役場で取り調べが続く中、放送室から「月光」第2楽章が流れてくる。行ってみると、村長の黒岩辰次が 背中を包丁で刺されて死んでいた。椅子の下にはまた奇妙な譜面があった。コナンは譜面の暗号解読をした。 川島のときのが「わかってるな、次はおまえの番だ」、黒岩のときのが「業火の怨念、ここに晴らせり」だった。

夜、容疑者が帰されたということを聞いたコナンは、公民館で事件が起こることを予想して、公民館に急ぐ。 すると、ピアノ室で村沢が倒れており、何者かが窓から逃げた。別室で蘭の悲鳴がしたので行って見ると、西本が首を吊って死んでいた。 近くに「月光」第3楽章のカセットテープがあった。遺書があったので一見自殺に見えたが、踏み台がなかったので他殺だった。 コナンは、ピアノ室のピアノに隠し扉があって、近くに麻薬の粉が散らばっているのに気付いた。

真相に気付いたコナンは、眠りの小五郎推理ショーを行う。2つの犯罪が重なっていた。一つは、平田が村沢を殴った事件。 平田と川島はピアノの隠し扉を利用して麻薬取引をしていた。平田は村沢に見つかったと思って、村沢を殴った。 二つ目は3件の連続殺人。この犯人は、浅井成実だった。彼女は実は浅井成実(せいじ)という男で、麻生圭二の息子だった。 麻生圭二は自殺したとされていたが、亀山、川島、黒岩、西本に殺されており、浅井成実はその復讐を遂げたのだった。 麻生圭二、亀山、川島、黒岩、西本は麻薬取引仲間だったが、麻生圭二が仲間から外れると言い出したので殺されたのだった。

真相が明らかになったので、浅井成実は公民館で自ら火に包まれて死ぬことを選んだ。

コナンシリーズ2つ目の長編(6 files)。連続殺人事件で、登場人物の多い複雑な構成になっている。

コナンシリーズでは、ほぼ例外なく犯人は警察に逮捕されるのだが、 このエピソードに関しては、例外的に犯人が自ら死を選ぶことを許している。 ネット上のとあるユーモアによれば、コナンに出会うとかなりの高確率で死亡するが、犯人の死亡率は1%しかないとのこと。

コナンは音痴な割に絶対音感があるということがわかる。最後の場面で浅井成実が弾くピアノの音の暗号がわかったということは、 音を譜面に読み替えられる能力があるということを意味している。そのほかに、最初の方の File2 でも、公民館のピアノの音が 狂っていないことに気付いている(これは相対音感でもだいたい大丈夫だが)。

28そして人魚はいなくなった6 人魚の呪い!?、7 命様の予言、8 悪魔の矢、9 最後の一矢(ひとや)、10 報われぬ心
  • 門脇沙織:手紙の差出人の名前
  • 黒江奈緒子:沙織の幼馴染、土産物店の店員
  • 島袋君恵:沙織の幼馴染、美國神社の巫女
  • 海老原寿美:沙織の幼馴染、網元の娘
  • 福山禄郎:沙織の幼馴染、漁師
  • 島袋弥琴(みこと):命様(みことさま)、君恵の曾祖母で130歳
  • 門脇弁蔵:沙織の父、漁師

服部平次の許に工藤新一宛で「人魚に殺される、助けて」という手紙が来たので、平次は、コナン、小五郎、蘭、和葉を連れて 若狭湾の美國島に赴く。行ってみると、手紙の差出人の門脇沙織は3日前から行方不明とのことで、沙織の知り合いに話を聞いて回る。 沙織は「儒艮(じゅごん)の矢」を失くして不安がっていたという。「儒艮の矢」は不老長寿のお守りで、失くすと人魚の災いが降りかかるという。

その夜、儒艮祭りが美國神社で行われる。命様(みことさま)が「儒艮の矢」の当選者を決める。当選したのは、海老原寿美、 遠山和葉、黒江奈緒子の3人だった。矢は一時(いっとき)の後、人魚の滝で授けられるという。

人魚の滝に行ってみると、当選札を持っていたのは海老原寿美ではなく門脇弁蔵だった上、寿美は死体となって滝に吊るされていた。 一方、3年前の祭りの晩に神社の倉が焼けた時、人魚の骨が出てきたという。その墓が森の中にあるので、寿美はそこに行こうとしたのかもしれなかった。

翌日、寿美のお通夜が営まれる。外に変な人影が見えたので、コナンと平次が見に行くと、黒江奈緒子が 体に網がからまった形で死んでいた。絞殺だった。

夜、コナンらは手がかりを求めて、「儒艮の矢」を当てるための札の番号の過去の記録を見に神社に行く。 しかし、今年の記録だけなかった。コナンらが過去の記録を見ていると、蘭と和葉が庭に茶髪の人影を見かける。 倉に行ってみると、倉が燃えていた。焼け跡から焼死体が見つかった。歯形から島袋君恵だとわかった。

真相その1は、門脇弁蔵の悪事だった。彼は、娘の沙織の儒艮の矢を勝手に人に売っていた上、海老原寿美の当選札を拾った。 さらにもみ消しのために今年の札の記録を盗んだ。真相その2は連続殺人事件の犯人で、島袋君恵だった。 焼死体は君恵ではなくて沙織だった。君江は沙織の保険証を隠して、歯医者に行くのに自分の保険証を使わせたので、歯形の主が君恵と誤認されたのだった。 寿美、奈緒子、沙織の3人を殺したのは、母を放火で殺された恨みだった。3年前の火事で倉で焼け死んだのは君恵の母親だった。 命様は、それまでは君恵の母親の変装、それ以後は君恵が変装したものだった。

犯人が思わぬ変装をしていることが事件の鍵という意味では、この特集に収められている『ピアノソナタ「月光」殺人事件』と同じ趣向の長編である。

日本各地(とくに福井県小浜市)に八百比丘尼伝説というものがあるそうで、それがこのエピソードでも語られている。 人魚の肉を食べて不老長寿を得る女の話で、八百歳で入定したと伝えられる。小浜市における伝説に関しては 「ふくい歴史百景」サイトで解説されている。

最後に出てくる辻村外交官の息子と嫁の幸子は、 第10巻『外交官殺人事件』に登場していた。

29大阪"3つのK"事件9 Kスリー、10 最後の可能性、11 レッドカード
  • リカルド・バレイラ:元プロボクサー
  • マイク・ノーウッド:メジャーリーガー
  • レイ・カーティス:プロサッカー選手
  • エド・マッケイ:新聞記者

有名スポーツ選手3人がオーナーのレストラン「Kスリー」のオープニングパーティーが大阪で行われるというので、 コナン、蘭、小五郎は平次、和葉に誘われて出席する。とくに、コナンは名ゴールキーパーのレイ・カーティスのファンなので大喜びだ。 スポーツ選手のスキャンダル記事を得意とする新聞記者のエド・マッケイも来ている。

レストランの上のホテルの窓の明かりでKの字を作るという趣向が行われている。すると、銃声がしてホテルの2階の一室の窓が割れる。 コナンと平次が駆けつけると、エド・マッケイが銃殺されていた。

コナンは、レイ・カーティスが犯人だと見抜き、自首を促した。サッカーボールを使って、2階から1階の照明のスイッチを入れて、 自分が1階にいたように見せかけるというトリックだった。妻を自殺に追い込んだ新聞記事を書いたエド・マッケイへの復讐だった。 レイはその後麻薬中毒にもなっていた。

コナンが、ファンだったレイ・カーティスの犯罪を立証し、自首を促すという流れで、哀愁あふれる回となっている。 それでも最後は平次とコナンがサッカーボール遊びをするということにして、読者を安心させるというバランス感覚が コナンシリーズの人気の秘密の一つであろう。

レイ・カーティスは背番号 8 のゴールキーパーということになっている(通常は 1 か 12 以降)。 レイ・カーティスはもともとミッドフィルダーだったからという設定になっている。 現実世界でも背番号 8 のゴールキーパーもたまにいるみたいで、ちょっと検索した範囲だと、メキシコの Guillermo Ochoa、 オランダの Jan Jongbloed が見つかる。彼らの背番号が 8 の理由は、 Ochoa の方は、 数字の 8 がスペイン語で ocho だから だそうで、Jan Jongbloed の方は、当時、オランダでは名前のアルファベット順に背番号を決めていたからだそうな。

50探偵団に注目取材5 ワクワク取材、6 真犯人の伝言、7 ザ・少年探偵団
  • 杉森政人:フリーライター
  • 蓬田晴華(あいだ はるか):フリーター
  • 桧垣敏則:ガソリンスタンド店員
  • 稲葉敦史:編集者

概要はすでに書いたので、 苗字について気付いたことをまとめておく。

登場人物の苗字の最初の文字は、皆花粉症に因んで付けられたものらしい。杉、桧(ヒノキ)、蓬(ヨモギ)、稲(イネ科植物) は皆花粉症の原因になる植物である。

しかし、脇役の「蓬田」を「あいだ」と読ませているのはやや不思議である。花粉症を意識させるなら、「よもぎだ」と 読ませた方がわかりやすいと思うのに。もともと「蓬田」には「よもぎだ」「あいだ」「おうだ」「おさだ」等々 いろいろな読みがあるらしい。 ネット検索してみると、地名としても人名としても「蓬田(よもぎだ)」が東北(とくに福島県)に多い。これを「あいだ」と読む地名で 見つかったのは、岡崎市猪熊町蓬田である。

少年探偵団物で、阿笠博士がおらず小林先生がいるという状況で、小林先生に不審がらせずコナンが推理を披露するために、 少年探偵団のメンバー一人一人に少しずつ推理のヒントを言わせるというやり方を取ったのが珍しい。 かなり短い時間で役回りとセリフの打ち合わせが出来ているのがちょっと不自然なところだが、学芸会の劇みたいで面白い。

結果として、小林先生は過度に不審を抱くことなく、乱歩好きの小林先生は自称少年探偵団顧問になる。

64, 65怪盗キッドvs.最強金庫11 鉄狸、1 潜伏、2 解錠
  • 後藤善悟:ボディガード
  • 秋津益彦:使用人
  • 瀬戸瑞紀:メイド

概要はすでに書いたので、 瀬戸瑞紀が怪盗キッドの変装だということにコナンが気付いたポイントについてまとめておく。

それは、瀬戸が治郎吉に対して「おっしゃってませんでした?「手を貸してくれって」」と言ったことだった。 「手を貸してくれ」は、治郎吉が公表した偽の怪盗キッドのメッセージに込められた暗号だった。 そのメッセージの縦書きの行の一番最後の音を左から繋いでいくと「てをかしてくれ」になるのだった。 それに怪盗キッド(瀬戸)が気付いて、治郎吉に暗に自分が怪盗キッドだと教えたのが瀬戸の言葉だった。

怪盗キッドと鈴木治郎吉が出てくるエピソードで、珍しく対決モードではなく、鈴木治郎吉が怪盗キッドに 金庫の解錠を頼むというストーリー。治郎吉が素直に頼まず、見栄を張って怪盗キッドとは対決している風を装ったので、 周囲の人間が振り回されるというおもしろいことになっている。

76探偵たちの夜想曲(ノクターン)[事件/誘拐/推理/バーボン] 1 コロンボでの待ち合わせ、2 縒り合わせられた嘘と謎、3 探偵たちの夜想曲(ノクターン)、4 子供の好奇心と探偵の探求心、5 立体交差の思惑
  • 樫塚圭:依頼人、銀行強盗
  • 庄野賢也:銀行強盗に射殺された銀行員
  • 浦川芹奈:「樫塚圭」と名乗った女、庄野賢也の恋人
  • 豊北倫子:樫塚圭の知人
  • 降屋栄絵:樫塚圭の知人
  • 手川隆代:樫塚圭の知人

樫塚圭と名乗る人物から、亡くなった兄の遺品から出てきたコインロッカーの鍵からそのロッカーを探してほしいという依頼が 毛利探偵事務所に来た。レストラン・コロンボで会いたいというメールが来たので、小五郎、蘭、コナン、安室はそこに行く。 ところが、樫塚は現れないし、よく見るとメールアドレスが前日のものと違う。そこで、4人は事務所に戻ってみる。 誰もいなかったが、安室は部屋の様子が少し変わっていることに気づき、トイレに行ってみる。すると、男が拳銃自殺しており、 「樫塚圭」(女)が傍で縛られていた。「樫塚」は、男にトイレに押し込まれたが、4人が戻ってきたので男が自殺したと言う。

一通り調べが終わったところで、安室、小五郎、蘭、コナンは「樫塚」をマンションまで送って行く。 「樫塚」がコンビニにお茶を買いに行くというので、コナンはついてゆく。すると、彼女はコナンを車に乗せ、睡眠薬入りのジュースを飲ませる。 一方、部屋に残った安室、小五郎、蘭は、盗聴器をさがす。すると、たくさん見つかる。その上、変な臭いがする部屋があり、 ベッドの下のスーツケースを開けてみると、男の死体が入っていた。

「樫塚」から小五郎へのメールで、「樫塚」がコナンを誘拐したことが分かる。連絡を受けた阿笠博士は、探偵バッジの追跡眼鏡を使い、 沖矢昴の運転する車でコナンを追う。一方、安室は「樫塚」のマンションだと思っていたものが男性の部屋で、銀行強盗のものかもしれないことに気付く。

コナンは、睡眠薬入りのジュースを飲んでいなかった。おもむろに起き上がり、「樫塚」の本名が浦川芹奈だと言い当てる。 そして、樫塚圭はトイレで死んでいた男の方で、浦川が樫塚を自殺に見せかけて殺したのだと。浦川は、銀行強盗事件で恋人の庄野賢也を殺した 3人の強盗犯に復讐をしていたのだった。樫塚はその一人、スーツケースの中の男が二人目、そして今、三人目を探しているところだった。 コナンは、浦川に三人目を割り出すのを手伝うと言った。樫塚の携帯のアドレス帳からみて候補者は3人いた。3人を訪ねて、 コナンには手川が強盗犯だとわかった。彼女が左利きだったことや、お金を自動販売機で少しずつ使っていたことからだった。

コナンが浦川に推理を披露するのを手川がこっそり聴いていた。手川は、浦川とコナンに銃を突きつける。 追跡していた沖矢らが小五郎に浦川の車の情報を知らせたので、安室の車と世良のバイクが浦川の車を追うことになる。 安室が故意に自分の車を浦川の車にぶつけて止め、世良がバイクで手川を襲う。それでコナンは救出され、事件は解決した。

題名の通り、主要な探偵が勢ぞろいする豪華エピソード。出てくるのは、コナン、小五郎以外に、安室透、世良真純、沖矢昴。 安室は小五郎の傍で捜査をリードする。沖矢は、阿笠博士、灰原とともに車でコナンを追跡する。世良はバイクで安室の車を追う。

最後は彼らの華麗な連係プレーで犯人が捕まる。まず、コナンは、2件の殺人の犯人の浦川と行動を共にし、浦川に推理を披露するとともに 銀行強盗犯が手川だと突き止める。しかし、そのために手川に危うく殺されそうになる。沖矢は、灰原の追跡眼鏡でコナンの行動を追跡し、 浦川とコナンと手川が乗っている車を特定したところで、その情報を毛利小五郎に連絡する。小五郎の乗っている車を運転している安室は、 その情報を元に浦川の車を追い、その前に出て自分の車を浦川の車にぶつけて浦川の車をとめる。そのショックで手川がひるんだときに、 安室の車を追っていた世良は、バイクで手川を襲い、コナンを救出する。

81容疑者か京極真9 截拳道(ジークンドー)VS.空手、10 灯油の臭い、11 まるで魔法のように
  • 門奈道子:数学教師
  • 正木すなみ:理科教師
  • 丹波聖泰:体育教師

以前、概要は書いたので、トリックに関するコメントを書いておく。

このトリックはおそらく実現不可能である。その理由のうち最大のものは、大人が溺れるくらいまでの高さにまで水が来るには、 気体の体積がおよそ半分くらいにならないといけないと思うが、どう考えてもそんなに小さくはならないということである。 気体の体積が減る効果として考えられることは (1) 温度が下がること (2) 酸素が二酸化炭素になって、それが水に溶けること、の2つである。 (1) は最大の見積もりとして、高温のサウナに相当する100℃から20℃になったとして、293/373=0.78、(2) 空気のうち酸素は2割だから、最大でも0.8。 なので、両方合わせても半分にはならない。もちろん (1) や (2) の条件が本当に満足されたら、溺死以前に、火傷か酸欠で死んでしまう。

コナンが工藤新一であることに世良真純がすでに気付いていることが暗示される。 さらに世良に2番目の兄(実は、羽田秀吉)がいることも描かれる。

90裏切りのステージ6 裏切りの制裁、7 裏切りの行方、8 裏切りの矛先、9 裏切りの真相
  • 波土禄道
  • 円城佳苗
  • 布施憶康
  • 梶谷宏和

以前、概要関連事項を書いたので、 英語表現について一つだけ。

回想シーンで、ベルモットが Move it!(どいて!)と叫ぶ部分がある。Move it! は 「早くしろ」「逃げろ」「どけ」等の意味で映画ではよく出てくるフレーズなのだそうな。知らなかった。

赤井秀一と安室透の間の過去の因縁の真相が描かれているという意味で重要回。

91怪盗キッドの絡繰箱4 木神(もくじん)、5 接近、6 日記
  • 友寄公華:未亡人

鈴木治郎吉が、死んだ友人の未亡人から三水吉右衛門作の宝箱「木神」を開けてほしいと依頼される。 治郎吉は怪盗キッドに開けさせようと思って、キッドに挑戦状を出す。宝箱には「月の記憶」という宝石が入っているという。

宝箱は、鈴木大図書館で展示されることになる。宝箱にはいろいろな仕掛けがあり、開けるのは容易ではない。 未亡人は鈴木大図書館に1万冊くらいの本も寄贈した。そのなかに開け方を書いた紙をはさんだものがあるということだが、 量が多すぎて、これまた探すのが容易ではない。しかし、未亡人の話から、コナンと昴はそれが料理本の肉じゃがのページに あるだろうと推理した。

と、突然部屋が暗くなり、照明が復旧してみると怪盗キッドのカードが置いてあった。未亡人は、さっそく肉じゃがの ページを探し当て、宝箱を開けるのに成功した。そこには「月の記憶」と故人と未亡人の交換日記が入っていた。 その交換日記こそ未亡人が見つけたかったものだった。

怪盗キッドは宝箱を開けていなかった。というより、開ける必要がなかった。というのも彼は過去にその中身を見たことが あるからだった。

この特集に収録されている『怪盗キッドvs.最強金庫』と同様、幕末の絡繰師三水吉右衛門作の難しいカラクリを 鈴木治郎吉が怪盗キッドに開けさせようとするという趣向のエピソードである。しかし、今回は怪盗キッドが開けるわけではない。 開けたのは、コナンと昴から開け方を書いた紙のありかを推理してもらった箱の持ち主である。

今回は、怪盗キッドが宝石をあえて見つけようともしないという珍しいエピソードである。