名探偵コナン高校生探偵特集

著者	青山剛昌
シリーズ	少年サンデーコミックス
発行所	小学館
電子書籍
掲載時期	2023/12/26--2024/01/17（公式アプリ）
入手	名探偵コナン公式アプリ
読了	2024/01/17

スマホアプリ「名探偵コナン」に掲載された高校生探偵特集。全部すでに読んでいるので、探偵その他の関連事項等をまとめておく。

事件のサマリー

巻	事件名	Files	以前の読書録	探偵その他の関連事項のまとめ
21	空飛ぶ密室工藤新一最初の事件	4 最初の挨拶、5 大空の密室、6 最後の切り札、7 胸に秘めて…	21～24巻（概要）	沖縄旅行の飛行機の中で、蘭が一年前の飛行機の中での事件を思い出すという設定。一年前、蘭と新一は高校１年生で、一緒に新一の両親に会いにロサンゼルスに行っているところだった。これが高校生探偵としての工藤新一の最初の事件だった。飛行機の中で殺人事件が起こり、早速新一が首を突っ込む。たまたま、目暮警部と高木刑事も同じ飛行機に乗っており、事件の捜査に当たる。目暮警部は、新一が小学校六年生だった時に会っているが、その時以来初めてだったので、新一の推理能力を知らず、最初は新一に「君はもうすっ込んでろ!!」と言う。最後には、工藤新一は真犯人を言い当て、目暮警部は新一の推理能力の高さに驚愕する。
30	集められた名探偵！工藤新一怪盗vs.怪盗キッド	4 糾合、5 惨劇、6 密殺、7 誑欺（スティング）	検定復習（概要、印象的台詞）あの方（烏丸蓮耶）	世界の名探偵をイメージした探偵がでてくる。「コナンじてん」や「名探偵コナンWiki」などを参考にしてまとめておく。千間降代（せんまふるよ）：アガサ・クリスティが生んだ Miss Jane Marple を元に名付けられた。絵柄的には、テレビドラマで Geraldine McEwan が演じた Miss Marple を意識しているような感じがする。茂木遥史（もぎはるふみ）：レイモンド・チャンドラーが生んだフィリップ・マーロウを演じた Humphrey DeForest Bogart（愛称 Bogie）を元に名付けられた。File 4 では、Humphrey Bogart の映画『カサブランカ』における名台詞「そんな昔のことは忘れちまったよ」「そんな先の事はわからねぇな」が使われている。大上祝善（おおがみしゅくぜん）：レックス・スタウトが生んだネロ・ウルフを元に名付けられた。ネロが漢字の「祝」に含まれており、大上＝オオカミ＝ウルフだ。ネロ・ウルフは、100 kg を超える巨漢の美食探偵ということで、大上もそのように造形されている。槍田郁美（そうだいくみ）：オースティン・フリーマンが生んだ法医学者探偵の John Evelyn Thorndyke を元に名付けられた。槍田は、元検死官ということになっていて、ルミノール液を持ち歩いている。このほか、高校生探偵として、白馬探（はくばさぐる）が初登場。もともと青山剛昌の別作品『まじっく快斗』に出ていたキャラクターを『名探偵コナン』にも登場させたもの。
54, 55	服部平次との３日間 [２]	9 東の高校生探偵、10 探偵甲子園、11 密室証明、1 探偵たちの名推理、2 熱血探偵	53～55 巻（概要）年末年始2021（白馬探、プライヤー）	東西南北の高校生探偵が一堂に会する物語。彼らの人物造形を「ピクシブ百科事典」とブログ「Mysterious Colors」などを参考にしてまとめておく。時津潤哉（ときつじゅんや）：北の高校生探偵。生まれは東京、育ちは北海道。名前は、推理小説家の綾辻行人（あやつじゆきと）のアナグラム。本作品では冷笑的な態度を取る人物として描かれている。越水七槻（こしみずなつき）：南の高校生探偵（実は、すでに高校を卒業して 20 歳になっていることが File 2 で分かる）。福岡出身。名前は、推理小説家の夏木静子（なつきしずこ）のアナグラム。たまに博多弁が飛び出す。雷が鳴った時に（雷が嫌いなふりをして）「ボク、雷は好かんと!!」と言っている（File 1）。越水は、ボクっ娘探偵として大人気になったため、青山剛昌はのちに世良真純というボクっ娘探偵を登場させることになった。服部平次（はっとりへいじ）：西の高校生探偵。大阪府警本部長の息子。関西弁丸出し。本作品では熱血探偵の面が強く押し出されている。槌尾が気を失っていた部屋にはいきなり扉を破って入り、時津が殺されていた部屋にはいきなり窓を破って入ったので、冷静な白馬からたしなめられている。白馬探（はくばさぐる）：東の高校生探偵。警視総監の息子。イギリスに留学している。本作品では冷静な探偵として服部と対照的に描かれている。
74	コナンVS平次東西探偵推理勝負	5 どっちが名探偵なんだ？、6 阿部ちゃん、7 魔法の料理	74～75 巻（概要）	東西の高校生探偵である工藤新一＝江戸川コナンと服部平次が推理勝負をする。ここでの推理のポイントは関西弁なので、ここで出てくる関西弁について調べておく。「飴ちゃん」：大阪の「飴ちゃん」文化はメディアが作り出した幻想とも言えるが、まるで根拠がないわけでもなくて、1920 年代の大大阪時代が生んだ都市文化とも見られるそうである。「自分」：相手のことを「自分」というのは、関西弁といっても、関西全域ではなく大阪、京都など東海道線沿線で用いられ、世代的には若年層で多く使われるもののようである。「日本方言大辞典」によれば、千葉県、新潟県上越市、三重県伊賀、大阪市、大分県宇佐郡に見られる方言だそうである。「からい」：塩辛いことを、東日本では「しょっぱい」、西日本では「からい」と言う。国立国語研究所の「日本言語地図」によると、その境目は、愛知・岐阜・富山と静岡・長野・新潟の県境くらいである。つまり、東海地方も「からい」領域に入る。ただし、北陸は「くどい」も多い。それと、南関東でも「からい」を使うところもあるようである。なお、「水菓子」が江戸の言葉という話が出てくる。これについては、NHK 放送文化研究所による解説がある。今では、全国的に「くだもの」と言うことが多い。夏目漱石の『夢十夜』の第十夜にも水菓子屋が出てきた。
82, 83	赤女の悲劇	11 赤女、1 赤い悪魔、2 赤き昔日、3 赤の悲劇	82～84 巻（概要）	今回の事件は羽田秀吉が依頼されたものだったが、秀吉が忙しかったので、世良真純にお鉢が回ってきたものである。というわけで、世良の探偵ぶりを見ていく。本作品では、世良とコナンはほぼ一緒に行動し、一緒になって推理を進めていく。依頼内容は、高校でアウトドア部だった仲間が毎年夏に貸し別荘に来ているのだが、２年前から奇妙なことが続いて起きているので調べてほしいというものだった。初日、世良とコナンは、「赤女」の調査で森に行って別荘に帰ってきたとき、風呂場で叫び声がしたので行ってみると、浴槽に赤いトマトが大量に浮いており、その下に薄谷の死体を発見した。世良とコナンは、塩水とトマトのトリックにほぼ同時に気付いて、二人で台所で塩水にトマトを浮かべる実験をする。河名が「赤女」に斬りつけられる。その件の捜査は、長野県警の上原刑事と世良とコナンが協力して行う。謎解きの場面では、世良が発言をリードし、コナンがそれをアシストする感じで会話が進んでゆく。
83	コナンと平次恋の暗号	7 探偵の師匠、8 エビス橋、9 麻薬取引現場	82～84 巻（概要）４回検定（暗号）	東京のコナンと大阪の平次が電話で協力しながら事件を解決していく物語。東京と大阪で共通する地名があることが、物語展開のポイントになっているので、その地名について調べておく。日本橋：東京では「にほんばし」、大阪では「にっぽんばし」。東京の日本橋の名前の由来には諸説あるようで明確な答えは無いということだが、ともかく江戸時代以来、日本の道路の起点となっている。大阪の日本橋は、紀州街道が道頓堀川を渡る所に架けられた橋である。京橋：東京の京橋は、日本橋から東海道で京へ上る最初の橋であったことから名付けられたとされる。現在、川は埋め立てられて、もはや橋は存在しない。大阪の京橋は、寝屋川に架かる橋で、京街道の起点。えびす橋：東京では「恵比寿橋」、大阪では「戎橋」。東京の恵比寿橋は渋谷川に架かる橋で、「ヱビスビール」を作っていた日本麦酒醸造会社が架けたのが始まりとのこと。大阪の戎橋は、道頓堀川に架かる橋で、名前の由来は、今宮戎神社への参道に当たるからとも、正月に西宮戎神社の神像が立てられたからともされる。